「ChatGPTを使い尽くす!深津式プロンプト読本」の個人的読書メモ
あまのじゃくな性向が災いしてか、たいていのことの初動が遅いのが災いしてか、この中途半端な時期に重たい腰を上げて「生成AI」の入門書を一冊、手に取った。という話は一つ前の話で書いたが、
これが本当に分かりやすくて楽しく読み終えられたので、内容についても個人的なメモを残しておく。
※強調するが、この本に書かれていること(そのまま)ではなく、私の解釈で自分の脳内用に作り替えたメモ
まず「生成AIツールの主な用途」として、私が列挙したのは
- サマリーやレポートをまとめてもらう
- アイデアを列挙してもらう
- コンテンツのたたき台を作ってもらう
- 調べ物をしてもらう
- レビューをしてもらう
- 実行計画を立ててもらう(実行してもらう)
著者の深津さん曰く「文章を作らせるよりも、レビューをさせるほうがいい仕事をする」印象をもっているとのこと(2024年8月時点)。
こうした依頼をかけるときのポイントとして、「〜を考えて」とか「〜を作って」とか、一言で雑な質問をするな!という話である。
じゃあ、どうしたらいいのかという問いかけの基本文型や文例が、書籍では体系立てて解説してあるわけなのだが。
その体系をちょっと崩して、ざっくり私の脳内に接続する言葉に言い換えると、こんな感じである。
ChatGPTに問いかけるときの構成要素。
まず基本として、
1)AIに役どころ(何をやってほしいの?)を示し、
2)文脈(誰向けの、何に使うもの?)を示し、
3)元資料なり参照資料を与え(or 検索範囲を指定)、
4)回答時の形式(目次構成、文字数や段落数、箇条書きや個数など)を指定する
オプションとして、
5)回答までに踏ませるステップを指定する
6)回答サンプルを与える
そうすると、精度高く、少ないラリーで、欲しいものが手に入りやすくなるという話。
1、2を与えれば、目的に適った回答を得やすくなる。
3を与えれば、どこからもってきたかわからない情報だとか誤情報などが混じりにくくなる。
4を与えれば、用途に適った形式で出力されやすくなるというわけだ。
これまでに私も、先行して生成AIツールをビジネス利用している人の話を聞く中で、全然「要件定義」せず依頼していて、それだったら自分で一から作ったほうが断然能率がいいんじゃないか?と思うことが少なくなかったので、ほんと使いようだよなぁと改めて、もぐもぐ味わった次第。
さらにオプションである。5を与えれば、どういう経路をたどってAIがその答えに辿り着いたのかわけわからん、ということがなくなる。「調査分析してから企画立案して」とか、「一般論」を回答させた上で「それに従った個別事案を考えて」とか「その一般論からはずれた個別事案を作って」とか、「複数のアプローチで複数案を出してくれ」とか、そういった回答までの段取りをマネジメントできる。
6を与えれば、与えたサンプルに倣って「言葉選びや表現」を作ってくれる。小学生向けの教材か、法人営業のマニュアルか、個人カスタマー向けのFAQかで、適切な言葉遣いは異なる。サンプルを与えれば、その辺のニュアンスを汲んで新たに作るものも生成してくれる。言い回しや単語の用い方、文章の長さにとどまらず、テイストだ、トーンだ、出力形式も何も、細かいニュアンスを汲んで寄せてきてくれるというわけだ。
この辺を、具体的にどう問いかけたらいいかという文例がふんだんに詰まっていて、わりとさくっと短時間で読めるのもいい。部分的に、使いたいように、自分の日常に取り込めるライトさも良い。
著者2人の掛け合いの読みやすさ、読者を惹きつける構成の妙、具体例の作りの巧さは、前の話でふれた通り。一通り読み終えて、なお「ChatGPTを使い尽くす!深津式プロンプト読本」*は、ビジネスパーソンの入門書に最適だなと思う。私同様、そろそろ一冊読んでみようかなぁという方は、ぜひ。
* 深津貴之、岩元直久「ChatGPTを使い尽くす!深津式プロンプト読本」(日経BP)
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