2020-08-27

「Web系キャリア探訪」第23回、やりたいことは1つに絞らなくていい

インタビュアを担当しているWeb担当者Forumの連載「Web系キャリア探訪」第23回が公開されました。今回はパナソニック株式会社コネクテッドソリューションズ社でPR、ブランディングを手がける鈴木恭平さんを取材しました。

キャリアの軸はPR。軸からスキルを広げてパラレルキャリアを見据えた働き方をしたい

新卒時から「終身雇用の発想はなかった」という鈴木さん、キャリア遍歴をたどるとPR会社→外資系PR会社→外資系事業会社のPR→日系事業会社のPRと、経験豊かなフィールドに片足を残しつつ、もう一方の足をコンフォートゾーンの枠外に一歩踏み出すようにして専門性を広げてこられた挑戦の軌跡が見てとれました。

自身の成長に貪欲であるとともに、それを社内外に役立ててもらおうという活動にも精力的で、会社の枠を超えた学びを「越境学習」と呼ぶのが仰々しく感じられるくらい、開放的な活動を当たり前のものとしている感じがしました。中途入社した先で人間関係を築いて社内に自身の知見をシェアしていくふるまいも、Web広告研究会などの業界コミュニティでの活動も頼もしいかぎり。

また、やりたいことを1つに絞る必要はないし、やりたいことは必ずしも「仕事でやる」ことを前提にしなきゃいけないわけじゃない。漫才をしたり、DJをしたり、プライベートも込みで自分がやりたいことを自分の人生の中でやっていく自然体のパラレルキャリア観が伝わってきた取材でもありました。ご興味ある方は、ぜひ読んでみてくださいませ。

2020-08-01

「Web系キャリア探訪」第22回、「業績を上げること」と「人を大切にすること」の両立

インタビュアを担当しているWeb担当者Forumの連載「Web系キャリア探訪」第22回が公開されました。今回は旅行サイトを運営するエクスペディア・ジャパンで、アジア圏のSEOチームを率いる田中樹里さんを取材しました。

プレイングマネージャーの今が楽しい! チームマネジメントは「褒める」「期限を設ける」で円滑に

田中さんは、自分がその時どきで何に関心が向いていて何をしたいのかについて、きちんと意識が働いていて、実際にそれができるよう自分の居場所を移すという行動に出ていて、それをすごく自然体でやってこられた印象を受けました。

だから発言としては「あまり絞り込んで何か目指してという感じでもなかったのですが」とか「流されるまま今に至っているような気がしているのですが」というふうにも出てくるんだけど、具体的なキャリア変遷をたどっていくと常に、イヤイヤじゃなく自分が好きなこと、関心が向くこと、意味を感じられる仕事、伸ばしたい能力を選んで、キャリアを歩んでこられているという感じがしました。

SEOのスペシャリストであり、かつエクスペディアのアジア圏のSEOチームを束ねるマネージャーでもあり、今はちょうど五分五分で、プレイヤーとマネージャー両方の役割を務めているそう。

上司も部下も全員海外なので、コロナ以前からネットごしにマネジメント業務をされていたということで、オンラインでの部下とのコミュニケーション、会議のファシリテーションなども、いろいろエッセンスを伺うことができました。

素敵なマネージャー、上司なんだろうなぁっていうのが、チームメンバーとどう関わっているかというお話から伺えて、ブレーク&ムートンが提唱した「マネジリアル・グリッド」のことを思い出しました。

「業績を上げること」と「人を大切にすること」、「仕事ができる能力があること」と「人間関係を円滑に保つこと」は、必ずしも相反するものではなく、両方に対する関心を高めて統合することが可能であるという話。

Managerialgrid_2

※詳しくは、以前書いた「トレードオフの関係」に分け入るにて。

田中さんは、まさにこの両立の実践者という感じ、直接お目にかかることができず残念でしたが、とっても健やかな気持ちになるインタビューでした。よろしければ、ぜひリンク先でご一読くださいませ。

2020-05-28

「Web系キャリア探訪」第21回、事例からの学び方

インタビュアを担当しているWeb担当者Forumの連載「Web系キャリア探訪」第21回が公開されました。今回はマネックス証券で、ロボットアドバイザーなど個人投資家の支援ツールを開発しているマネックス・ラボ長、斎藤翔太さんを取材しました。

マネックス・ラボを率いる若手マネージャー。テレワーク時代の新しいマネージャーの役割を模索中

新卒で入社した証券会社を1年で退職し、勃興するソーシャルゲーム業界へ転職、3社目のマネックス証券でラボを率いる32歳。

最後の編集後記(二人の帰り道)にも書いたのですが、「それぞれのお客さんに合ったものを個別最適で提供したいという斎藤さんの思いを形にする上で、インターネットというフィールドは非常に相性がよかったのだろうなぁ」という印象が強く残りました。

また「外から日常的にどう学びを得るか」という観点で、ぜひ共有したいと思ったのは、次のくだり。

ゲームに限らず世の中に出ている他のサービスは、「なぜこういう仕組みになっているのか」、「なぜこの機能が追加されたのか」を、自分で仮説を立てて考えることをしていました

「換骨奪胎」みたいな感じで、他社事例から学ぶときって、何のエッセンスを取り出して、何は捨て去って、自分の手元でそれをどう咀嚼して取り入れるのかしっかり見定めて応用プロセスをデザインしていくことが必要不可欠、そのままスライドするように持ってきてもうまくいかないし血肉にもならない。

そう言われりゃ、そんなの当たり前ってたいていの人が思うわけだけど、そうした一手間かかる外部からのインプットをどれだけ当たり前のこととして習慣的にやり続けられるか、そして本質的にやり遂げられるかというのが至難の業な気がします。

今ものすごいお気に入りで読んでいるのが、村上春樹の「騎士団長殺し」なんですが、その上巻「第1部 顕れるイデア編」の中に、ちょっと重なるシーンがあります。

洋画を専門とする絵かきの主人公が、著名な日本画家が描いた絵を見ながら、そこに描かれた人物を自分の筆致でデッサンするシーンがあるのです。5人の人物、一人ひとりの表情を精密に読みとって描いていくのだけど、そこのくだりがなかなかの読みごたえ。

「日本画はもともと線が中心になっている絵画」で、「その表現法は立体性より平面性に傾いている」、「リアリティーよりも象徴性や記号性が重視される」と。

そのような視線で描かれた画面を、そのままいわゆる「洋画」の語法に移し替えるのは本来的に無理がある

と主人公。それでも何度かの試行錯誤の末に、それなりにうまくこなせるようになったというのだけど、そのためにはどういうプロセスが必要なのか。

そのような作業には「換骨奪胎」とまではいかずとも、自分なりに画面を解釈し「翻訳」することが必要とされるし、そのためには原画の中にある意図をまず把握しなくてはならない。言い換えるなら、私はーーあくまで多かれ少なかれではあるけれどーー雨田具彦という画家の視点を、あるいは人間のあり方を理解しなくてはならない。比喩的に言うなら、彼の履いている靴に自分の足を入れてみる必要がある。

「他社事例に学ぶ」みたいなシチュエーションにも同じようなことが言えて、つまり相当に綿密な、この丁寧なプロセスを踏んでこそ、よその事例から学び得るんだろうなって思うのです。日本画はこうなのに対して、洋画はこうっていうのをしっかり意識した上で、実際に手を動かして洋画としてその人物を成立させる試行錯誤が必要なのと同じように、よその事例はどうなのに対して、自分とこはこうであるっていうのをしっかり整理つけて、何をどう取り入れていくのか見定め、自分とこに有用な形にリデザインする。

こういう学び取り方を修練しないと、よその事例に学ぶことはできないし、逆にいえば、こういう学び方を修練すると、あらゆる外の事柄が学習教材になるとも言える。そんなことを、インタビューと小説とを重ね合わせながら、じんわり考えました。

話を今回のインタビューに戻して…、「入社したときは、ロボットアドバイザーやツールのアドバイス通りに購入して頂ければいいというサービスだとイメージしていたのですが、それだけではうまくいかない〜」というのも、すごくいい転職をしたってことだなぁと勝手に思いながら、お話を伺っていました。

「お客さん」と一括りにみていた像が、入社後に洞察を深めていく中で、もっとずっと多様な像として見えてきた。それによって、入社時点で思い描いていたより一層掘りがいのある、広がりのあるサービス開発に従事する可能性を帯びていったわけですよね。

ただ役立つツールを一方向に磨き上げて優秀な頭脳を提供していくって追求の仕方ではなくて、多様なユーザー像を視野におさめながら、彼・彼女たちの伴走者としてどう長く有効に関わっていけるのかを探求・模索していく、そういう仕事との巡り合いによって、斎藤さんがさらにパワーアップして、創造的に、楽しく仕事に励んでいるように感じられて、画面ごしながら素敵なインタビュー時間を過ごすことができました。

自分を1市民としてみても、提供されるサービス単体の価値だけではなくて、こういう「中の人」がいる企業と長くつきあっていきたいという感覚が、ここ10年くらいで高まっていっているように感じています。というわけで、ぜひ一息入れたいときなどに、上のリンクからインタビュー記事をご一読いただければ嬉しいです。

2020-05-20

[共有]コロナ禍における企業の人材育成(WebSigモデレーターMTG拡張版)

昨晩は「WebSigモデレーターミーティング拡張版」なる、オンラインライブ配信のトークセッションにゲスト出演させていただきました。

先週お声がけいただいて、テーマは「ゲストが最近興味をもっているトピックス」ということだったので、じゃあ2部構成にして、私から最初「コロナ禍における企業の人材育成」の話を少しさせてもらって、その後みんなで「Webクリエイティブ職のマネジメント・評価」あたりに話を広げ、コロナ禍・リモートワーク下で、それぞれがどんな感じで会社やチームをマネジメントしているかとか、どんな課題に直面しているかとか、もう少し先の人のマネジメントスタイルがどう塗り替えられていくかみたいな未来像を聴かせてもらえたら面白いかなぁと思って、ネタ振り役的に参戦してみました。

内容は、今からでもアーカイブ動画を視聴できます。私のショートプレゼン(といっても30分くらいしゃべりましたが…)の内容は、スライドだけでささっとご覧いただくこともできるので、Webクリエイティブ職界隈の人のマネジメントにご関心ある方は、お時間のあるときに見てみていただければ幸いです。

アーカイブ動画(YouTube)

スライド(Slideshare)

私は、オンライン公開セッションぽいのに家から参加して話し手を務めるって初めての体験だったのですが、「緊張しているのに家にいる。家にいるのに緊張している」という感覚は、これまでに経験がない不思議な感じがしました。今、就・転職活動でWeb面接とか受けている方も、これに近い感覚を覚えているのかも。

やっぱり格好は整えておくべきで、「下はパジャマ」とかだとテンションが定まらないので、全身、普通に表に出ていく格好にしたほうがいいよなぁって改めて思いました、はい。実際、普段からパジャマは寝るときだけにしているのですが。

ともあれ、そんな感覚を味わっていられるのも本番始まったところくらいまでで、始まってしまえば、あとはせっかくいただいた機会、少しでも何か考える踏み台なり、選択肢を広げる情報なりを提供できればということで、事前に整理しておいたことを頑張って話すに尽きるのでした。

本編でも言い訳してしまいましたが、私は自分のうち側から出てくることって本当にオーソドックスなことばかりの人間なので、別段すばらしくハッとすることを言えるわけじゃないんですが、人というのは何か目の前に提示されると、それをきっかけにいろいろ考え始められたりもするものなので、皆さんの中で何か新しい考えなり選択肢なりを生み出す踏み台になれたら、これは大変うれしいことです。そう他力本願にかんがえると、腹をくくって人前でもしゃべれるもの。

今回は、私が1部で話した「同期・非同期」という言葉を、2部で皆さんがけっこう使って話してくださっていたので、それを静かに喜んでいました。踏み台として一定の機能を果たしたんじゃないか!と、そういうところで地味にひっそり自己満足しています。

2部では、リモートワーク下で社内のコミュニケーション空間をどう確保していくかとか、スタッフが困っていたり業務が滞っていたりするのをどう発見してケアしていけるものかとか、社内はわりと改善重ねてうまくまわるようになったけれどもクライアントとのコミュニケーションは相手があることなので、まだまだ…とか、そのための仕組みとか取り組みとかに話が及びました。

社内コミュニケーション的なところの話を聴いていて思ったのは、「せっかく作った仕組みなんだから、みんな使って!参加して!必ずやって!」と、全部の仕組みに全員を巻き込んでいくんじゃなくて、誰かがどれかを使って、あるいはたとえ新たな仕組みをどれも使わない人がいても、それぞれが、うまく会社と、上司と、同僚と、得意先と、取引先とコミュニケーションをとりながら、支障なく、良い形で仕事に取り組めているなら、それを各々のやり方として良しとする。そういう組織運営が、今後は多様性を受けいれた本質的で合理的なまわし方ってことで発展していくのかなぁという、なんとなくそんなことです。

世の中のサービスは、インフラやプラットフォームの進化に引っ張られる形で、どんどんパーソナライズされていっている。人は、よりパーソライズされた仕事空間や生活空間を求めていく。人も組織も、きっと多様な価値観を体現して、いろんな個性が表出してくる。人も組織も「一般的にこう」という画一性から解放されて、「うちは出勤するのが基本」「うちはリモートが基本」といろいろ出てきて、個々人も自分にあった組織を選んでいく。だから組織は、そういう個性を求人情報なり何なりを通じて表明していくことが大事になるし、人は自分がどういうところで働くと快・不快かをもっと自覚するようになって、そういう観点で会社選びする意識も高まっていくんだろうというような。

一方で、まだまだそういう人の多様性を受け入れるマネージャーの度量、同僚の度量、部下の度量、組織の度量、社外の人・社会の度量みたいなのは技術に対してふつりあいで、技術進化のようなスピードでは人の価値観は変容を遂げないから、これから少なく見積もっても何十年か100年単位かで徐々に変化していくってことなのかなぁとも思いました。もちろん、どんどんそういう組織、働き方、体現する人たちは出てくるのでしょうし、今もたくさんいらっしゃるのでしょうけれど。

表層的な仕組みだけ充実させていって中身の人が変わらないと、画一的に全員に参加を求め、可視化しなくていいものを可視化して掘り下げ、人のモチベーションを下げ、人を傷つけ、後に何も残らない改革すら起こしかねないことも危惧されます。私はその「人の多様性を尊重する部分」を損なわいように注視して、大事に大事にしながら変わっていけるように、この創造期、みんなと一緒に仕事していけたらなぁなんて思いました。

この辺、なかなか考えたことを言葉に表すのが難しいのですが、お時間ある方は2部のほうの皆さんのお話もあわせて、ぜひ「ながら観」とかでも、してみていただければと思います。

終わった後は、「大丈夫だったですかね!!!」という不安感に襲われていたのですが、ひと通り観てくれていた人が直後に連絡をくれて「問題なかった」という回答だったので、そのまま安眠に至りました…。朝振り返ってみると、「大丈夫だったか」「問題なかった」という、かなり最低限きわまった感じのやりとりで安眠に至れた自分にびっくりしてしまいましたが、まぁとりあえず問題なかったのだということで。刺激的な機会をいただき、本当にありがとうございました。

2020-05-14

[共有]IAワークショップ ー「新しい生活様式」の代替案を考える

身近で自分ごとの最近の話題を用いて課題にあたると、学習効果が高いことがわかっています。コロナ禍では、これを題材にIAについて課題を検討し、代替案を練ってみるのもよいでしょう。ということで、IAワークショップのネタ提供です。

IAワークショップ ー「新しい生活様式」の代替案を考える

どうも日々暮らしていると、これでひとネタ作ってみたいという職業病をもちだした。「使えるかどうかは受け手に判断を委ねる」というちょっとした迷惑行為かもしれないが…、自分のワークショップ設計の筋トレとしては良いことな気もする。使いものになりそうだったら、部分的にでも使っていただけたら嬉しいかぎりです。

2020-04-27

[共有]ワークショップの型「デザイン批評力を養う」

「デザイン批評力を養う」ワークショップの型を(ざっくりですが…)こしらえてみましたので、ネットの片隅に置いてみます。

ワークショップの型[デザイン批評力を養う]

こちらもまた、汎用的に使えるよう意識した分、オーダーメイドのような落としこみに欠ける枠組みですが、「チームでデザイン批評力を高めていきたい」という希望はあれど、まだ手を打っていない、どこから手をつけようかなという現場などあれば、その第一弾として使えるとこ使ってもらえたら。

まだ野暮ったい書き方で、道半ばな自覚はあるんですが、まぁ、そこは寛容に。うまいこと現場に合うようカスタマイズしていきながら洗練させていっていただければ、これ幸い…。

withコロナのもと、個人ワーク+オンライン会議で行う想定で、何らかのデザインプロセスに関わる職業人が集って、わりと気軽にデザイン批評を始められる小規模な勉強会イメージです。

ここは割愛していいなという部分を削ってライトにしていただくのもありだし、こういうアレンジもできるよという話は、最後の「補足」に入れておきましたので、そちらも参考まで。まぁ、とりあえず、置いても罪にはならないということで…

2020-04-23

「Web系キャリア探訪」第20回、年齢は関係ない

インタビュアを担当しているWeb担当者Forumの連載「Web系キャリア探訪」第20回が公開されました。今回は、「ガイアの夜明け」でも紹介されたベンチャー企業、サウンドファンでマーケティング部長を務める金子一貴さんを取材しました。

同僚には70代も。ベンチャー企業で自分を追い込み、チャンスを作り出す

サウンドファンは、耳が遠い高齢者や難聴者にも聞こえやすい「ミライスピーカー」を開発・販売するベンチャーで、70代のエンジニアも活躍するハードウェアメーカー。当初のB2B代理店販売から、ここ1年半でB2Cサブスクリプションサービスに事業を広げていく過程の試行錯誤、34歳の金子さんが70代エンジニアと進める製品開発のやりとりなど、じっくりお話を伺いました。

最も印象に残ったことは、本編の編集後記的な「二人の帰り道」に記したので、そちらでぜひ!ということで、もう一つ。取材を終えてしばらくしてから見かけた東洋経済の記事が今回の取材とリンクしたので、ここではそちらについてちょっとメモっておきたいと思います。

その記事とは、台湾政府のデジタル大臣として、その手腕が高く評価されているオードリー・タン(唐鳳)さんの取材記事。記者の「日本の情報通信技術政策担当相である竹本直一氏は79歳。台湾とは40歳以上の差があります」という投げかけに対して、唐さんは

「年齢による比較は公平ではありません」

と一刀両断しているんですよね。「台湾の科学技術部(省)の大臣や研究者の人たちは私の父と同世代で60、70歳代の高齢ですが、皆さん革新的な考え方を持っていますよ」と続けています。

このやりとりを読んで、ものすごい既視感を覚えたんです。というのは、私も今回の金子さんへの取材で、70代のエンジニアとのコミュニケーションで何か気をつけていることなどあるか問いかけてみたのですが、

「年齢によるコミュニケーションの難しさは感じないですね」

と、金子さん即答されたんですよね。

その場に同席くださっていた広報の方が、この発言に言い添えて、「金子さんはすごくフラットに人づきあいする向きがあること」に加えて、「一緒に働いている70代の方も、定年を迎えた後もベンチャーに場を移してものづくりに勤しもうという志しをもつエンジニア」なので、そういう前提もあってのことかも、とフォローを入れてくださいました。

なるほど、そうだよな、年齢じゃなくて、個々人のスタンス次第だよなぁと再認識させられた一件でした。そういえば前に、ラジオを聴いていて誰かが「30過ぎたら年齢は関係ない」って言っていて、それにもそうだよなぁと思ったことを思い出しました。そんなこんな、いろいろ詰まっておりますので、ぜひお時間があるとき、ゆったりご一読いただければ幸いです。

2020-04-01

[共有]即席の新人研修「テーマ本を読んで感想戦」

即席でできる新入社員研修の枠組みを用意してみました。本を読んでの知識インプットは各自で、その後の勉強会をこんな感じで展開すると有効では?という枠組みの提案です。

即席の新人研修[テーマ本を読んで感想戦]

新型コロナウイルス対策に追われる中、新卒社員が入社してきたが、即OJTの予定だったので研修プログラムの用意もないし、受け入れ側も在宅勤務に入っていて、新人にやってもらうことがない状態。自宅でできる課題を与えたいところだが、ぱっと用意することもできずに困っている。

というような状況が実際あるのかないのかわからないまま作ってみましたが…。4月1週目なり上旬は研修プログラムも用意できているものの、そのうち時間をもてあましそうだーとかいうケースでも、部分的に使えそうな要素、レポートの項目だけでもつまんで役立てられそうでしたら、自由にカスタマイズしてご活用いただければと思います。

この枠組みもまた即席感が否めませんが…、何かの足しになれば幸いです。

2020-03-26

「Web系キャリア探訪」第19回、打てば必ず響く人

インタビュアを担当しているWeb担当者Forumの連載「Web系キャリア探訪」第19回が公開されました。今回は、当連載での最年少27歳、花王のマーケター廣澤祐さんを取材しました。

いまや講演依頼が殺到の若手マーケター! きっかけは会社がくれた小さなチャンス

新卒で花王に入社、最初はさまざまな事業部を横断的に支援するデジタルマーケティング部門に配属され、経験を積んだ後、現在は「キュレル」というブランドを扱う事業部に異動して活躍中です。

社会に出る前の中高や大学時代、就職活動のあれこれも、たっぷりお話を伺いました。いつ頃から、どんな感じでインターネットを使いだして、どんなことに刺激を受けて、どんなふうに進路を検討し、新卒入社後、どんな出会い・経験・学習を重ねて今に至るのか、今後についてどんなことを考えているのか、いずれも鮮明な記憶と!ご自身の思考プロセスを具体的にお話しくださいました。この春から20代の後輩や部下をもつ、もうちょい上の世代の皆さまにもお役立ていただける視点があるかも。

また、改めて新社会人を周囲がどう受け入れて関わっていくかって、本当に大事だなぁと思いました。

上司や先輩が、「この本はぜひ読むといい!」と薦めてくれたり、「この人とはぜひ会っておくべき!」と社内外問わず引き合わせてくれたり、「これはぜひ体験しておいたら!」とチャレンジする機会を与えてくれたり、その途中でフォローを入れてくれたり、終わった後にしっかりフィードバックをくれたり。

そうやって周囲からもたらされる未知の世界が、刺激的で、おもしろくて、自分を成長させてくれる出会いや経験の連続だと、自然のうちに「よくわからない人や状況」に対してポジティブに関わっていこうって気になるものだよなと。

よくわからないけれど、この人が薦めるんだから、会ってみよう、やってみよう、行ってみよう、読んでみよう。そうやっているうちに「この人が薦めるんだから」って前提条件を取っ払って、いろんな人に、いろんなことに、前向きに関わっていこうって基本姿勢が自分の中に定着していくんじゃないかしら。

もちろん子どもの頃から、そういう環境にあった人もいると思うけれど、そうでなかった若人にも、社会人になって初めての職場環境がこんなふうに自分を受け入れ、関わり、いろんなチャンスを提供してくれる場であったなら、世界の見え方、自分の可能性の捉え方、大いに変えられる人も少なくないんじゃないかって思いました。

そうして、上司や先輩が自分にしてくれたことを、自分もまた部下や後輩にやっていくというふうに、自然な流れで気持ちも行動も受け継がれていくのは、すごく素敵な循環だなぁと。花王さんは、それを具現化しているように感じられました。

一方で、この関係を下支えしているのは確実に若人個人の側にも理由があって、本編ではもちろんそちらをフォーカスしていますので、ぜひご一読いただけたら嬉しいです。廣澤さんが、上司や先輩、周囲の方々と築いていく「打てば必ず響く人」という信頼関係づくりは見事なもの。編集後記的な「二人の帰り道」にも書きましたが、一つひとつの出会いや経験をすごく大事にして活かしているし、いろんな人からいろんな要素を学び取って自分オリジナルのキャリアに編み込んでいっているのも、すごく素敵だなと思いました。

2020-02-26

[共有]会社行事でのプレゼンをどう評価するか

プレゼンテーションの上手さって、声の大きさ、話すスピード、話しぶりの流暢さ、佇まいの安定感、円滑な話運び、構成の分かりやすさ、物語の展開力、語彙の豊かさ、興味をひかれる事例選び、スライドの見せ方…と、いろんな切り口で評価できると思う。

けれど、そうした評価軸を分解して提示することなく、聴衆に「どうでしたか?」「良かったですか?」「満足度は?」と、ざっくり総合評価を求めるだけだと、表層的な話の上手い下手だけに評価が偏ってしまう恐れがある。

いや、ショーとしてみれば、仕方ない、パフォーマーが悪い、もっと人前で話す力を身につけろ、話はそれからだ!ってことで話は終わるのかもしれない。

でも、会社行事となると話は別ではないか。たとえば、期の節目に行うキックオフミーティング(全社会議)とかで、前の期を振り返り、今期われわれはこういう活動をしていこう!と、話し手(主に上の人)が聞き手(全社員)に働きかける場だとすると、仕方ないで終わらせず、主催者としては、もう一捻りしたいところである。

参加者に事後アンケートをとったとき、たとえ中身が薄くても、なんとなく話が上手かった気がする(盛り上がった、笑えた、事例が豊富で飽きなかった…)人が高得点をとる。逆に、ぼそぼそしゃべっていて聞き取りづらかった人のプレゼンは、中身の良し悪しに関係なく低評価になってしまう。これが常であれば、組織的にもう一踏ん張りしたいところではないか。

話し手が、大勢の前で話し慣れていなかったり、もともとどちらかといえば聞き取りづらい声質だったりすることもある。前の期では聴く側だった人が、今期から昇進して話し手にまわった、これから徐々に経験を積み、大勢相手のプレゼン力を鍛えていく段の人も出てくる。

そういう場では、話し方一つで「あの人の話は聞くにたえない」と断じることなく、聞く側も話の中身に集中して本質を汲み取る努力をし、話し手も中身を練り上げ、きちんと伝わるように話す努力を重ねていく双方の向き合い方が大事だろうと思う。

それは聞き手にとっても大いに利のあることであり、ひとまとまりの話を聴いて、多角的に、また本質的な論点を汲んで評価するというのは、何者になるのであれ大事な基礎力の鍛錬だ。

そういうわけで、会の主催者が評価軸をいくつか分解して事後アンケートの中に入れこみ、参加者にさまざまな観点からプレゼン評価してもらうやり方もありかなぁと。期首に行うキックオフミーティング(全社会議)を想定して、評価軸の例を8個に書き分けてみた。

▼キックオフ[期首の全社会議]のプレゼン評価(例)
話し方
スライド表現
市場・公共性
具体・現在性
道筋の論理性
内容の妥当性
育成効果性
意欲向上性

それぞれが何を指しているかは、次の資料にお目通しいただければ。

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私の手元には、自分の勤め先のキックオフを想定し(て勝手に書き起こしてみ)た「実施目的」「期待する効果」、それを踏まえた「評価軸」の書き起こしがあるのだけど、その「評価軸」をいくらか汎用的な言い回しに変えたもの。なので、ご利用の際は、資料内の※で付記したとおり、それぞれで、その会の「実施目的」や「期待する効果」を明文化し、これらを踏まえて評価項目を追加したり、上記を変更・削除いただければ。

また、アンケートでどう問うか(設問文の表現、回答の選択肢)は、参加者が回答しやすいよう言い回しを要チューニング。資料内の「どのような観点で評価するか」の説明文は、主催者向けに意図を共有すべく、ゴツゴツした荒削りのまま出しているので。それにしたって、言葉の与え方が適当かは微妙なところだけど…、ざっと雰囲気をつかんでいただいて、よりフィットする言葉に洗練させていっていただければ…。

というわけで、どこでも通用する汎用性の高さをもつものじゃないけれど、一から起こすより、これにケチつけながら自社向け・自部門向けにカスタマイズしていくほうが話が早いかもしれないので、そうやって使えそうだったら、たたき台に使ってください。

趣旨としては、参加者が、資料の例でいう上のほうの項目、「話し方」や「スライド表現」だけに意識を奪われることなく、話の中身の良し悪し、意味の有り無しに関心を向けてプレゼンを聴き、内容の理解を促進したり、皆で健全にプレゼンを評価してブラッシュアップしていく、あるいは全社的にマーケティング視点を涵養する機会に使えたらいいなぁという思い。

もちろん、そういう分解した評価軸と別に「一通りの話を受けて、今回のキックオフに参加した収穫はありましたか」と総合点を訊いて数値評価したり、「具体的にどんな収穫がありましたか」とコメントを求めるのも有効かと。

追記:PDFのダウンロードはSlideshareから。

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