60代社員「一律基準で処遇下げる」を見直す動き
今月初めに公表されたパーソル総合研究所の「企業の60代社員の活用施策に関する調査」が興味をひいた。最初は「50代後半」「60代前半」「65歳以上」のシニア社員層を並べてみたとき、年代が上がるにつれて「管理職相当」を担う人は減り、「担当者レベル」は増える、ここまでは想定どおりとして、「高度専門職レベル」は微増しているのがおもしろいなぁなんて、ご陽気に眺めていたのだけれども...。
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そのまま下まで読み進めていったところ、これは我が意を得たり!のレポートだと思ったのだ。締めには、“60代社員の一律「半・現役」扱いを改め、個別最適化せよ!”とあるが、まさに。
要は企業側に、60代社員を十把一絡げに扱って、
1)一律基準で年収を下げ、
2)期待値を下げ、
3)役割・責任を剥奪しつつ、
4)とはいえ職務としては同じことをやってもらい続ける
って雑な処遇を、一刻も早く止めなはれー、という提言である。
本人の「モチベーション低下」「生産性の低下」を理由に60代の人材過剰感を嘆いているようじゃが、そもそもそんな十把一絡げに扱われて、モチベーションを上げろ、生産性を上げろというほうが無理筋じゃろう?って訴えである。そう読み取った。
そうした反省をもってしてか、今では5割超の企業が「60代社員の年収引上げを予定・検討」しているという。これから一律基準を導入するとか、今までどおり一律基準を継続するとかいう企業は、今後水を開けられるかもしれない。
個人的には、60代の継続雇用みたいな話が出てきた最初期から、「なんで一律基準やねん!新卒の初任給やあるまいし」とやさぐれていたので、この流れにちょっとほっとした次第。
まだ一度も働いたことがない新卒の初任給なら、年齢なり学歴なり持ち出して、「いったん一律基準で年収定めてスタートしましょうや」というのも解するのだが、40年とか実務経験積んできた60代つかまえて、一律基準で報酬額を定めようとするってのは、手荒すぎというか、粗雑な制度設計だなぁって印象があって。
大企業で一気に退職者が出てくる環境下の難しさとか、私にはよく分かっていないので、むぐむぐ口をつぐんでいたのだが。
でも、だとしたら余計に、小さい企業ほど身軽に、一人ひとりと向き合って「個別最適化せよ」を最初っから地で行ってほしいと思う。60代なんて、もはや年齢でひとくくりに語れることなど、ほとんどないというのが私の根幹たる思い。
* 企業の60代社員の活用施策に関する調査┃パーソル総合研究所
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