「中小企業が圧倒的に多い」の足場選び
「日本は中小企業が圧倒的に多いのだから」という論を述べるときに、よく「大企業と中小企業の構成比」が論拠として示されるのだけど、9割とか7割とか出てくるので、ある時期から慎重に聞き分けるようになった。企業数でみている場合と、従業員数でみている場合がある。
どっちが正しいというより、文脈によって「企業数」でみたほうがいい場合と、「従業員数」でみたほうがいい場合があるという話である。
どっちでみても「大企業と比べて、中小企業のほうが圧倒的に多い」ことに違いはないんだけれど、わりとさらっと「中小企業が99%超なんですから」とか「中小企業が7割ですよ」とか、いずれか一方のデータをもって補強されるので、受け手としては聞き流し、読み流しがちになるのだ。
そこは自分で意識的に聞き分け、読み分けて、自分が人に何か伝えるときにも丁寧に使い分けたい所存である。というわけで、混同しがちなのを整理するため、グラフで横並びさせてみたのが下のスライド(クリック or タップすると拡大表示する)。
まさかのもしか、ここにお立ち寄りの方で、そんな選択の岐路に立つことがありましたら、ご活用ください。
以降は、ただの夢想だが、この先10年後とか20年後とか想定してみて、この構成比に大きな変化って生じうるだろうか。どっちのほうが激変する可能性が高いかと問われれば、もちろん「企業数の構成比」より「従業員数の構成比」のほうが激変の余地はある。
企業数の構成比は、すでに中小企業が99%超なので、比率が傾くとしたら大企業が圧倒的に増える方向にしか激変しようがないわけだが、「んなことあるかい?いや、ないだろう」という感じがする。
では、従業員数の構成比が激変する可能性は?大企業勤務の人が激減して、中小企業勤務の人あるいは個人事業主とかが激増する未来。今現在、大企業に勤務している人が、中小企業に大移動するとか独立起業するとかは、わりとあってもおかしくない気がする。まぁ、遊びの駄文。
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