「終身雇用制度を望む」率は21世紀もジグザクしている
一つ前に書いた「メンバーシップ型 vs ジョブ型」の違和感にも通じるところで、Z世代と呼ばれる本年度の「新入社員の会社生活調査」結果を産業能率大学総合研究所がレポート公開していたので、自分の興味あるところだけつまみ食いしてスライド5枚(実質4枚)にまとめてみた。自分用メモだけど、ネットの片隅でシェア。
※1枚目の「調査概要」はそのまま引用。以下の画像はいずれもクリックorタップすると拡大表示する。画像ではなく、スライドまとめてPDFで見たい方はSpeaker Deckにてどうぞ。
▼まずは調査データの特徴ざっくり
本年度の新入社員に、この春(ちょうど入社時期)にとったアンケート調査。有効回答は563人。男性6割強で、入社企業は従業員数千人以上が6割強、上場企業6割強、関東が6割強の偏りあり。
▼長期間、安心して働けることを重視
53.8%が「長期間、安心して働けること」を重要視。76.0%が企業に「長期的な安定性」を求める。
▼68.2%が「終身雇用制度」を望む
84.7%が「同じ会社に長く勤めたい」、「終身雇用制度」を望む声は経年でジグザグしているのが見て取れて興味深い。制度の後退に比して、個人の希望は別に、どんどん減っていっているわけじゃない。
▼「年功序列 or 成果主義」「メンバーシップ型 or ジョブ型」は拮抗
48.5%が「年功序列」を望み、過去最高を記録。25.8%が「メンバーシップ型」を希望、昨対3.3ポイント増で「ジョブ型」から逆転した。
▼52.9%が「管理職」を志向。最終的な目標地位は役員/部長あたり
将来キャリアに「管理職として部下を動かし、部門の業績向上の指揮を執る」を志向する人が、2000年度23.7%と比べて顕著に増えている。
ちなみに、この右側のグラフ、1990年度だけ皆「社長」になりたがりすぎているんだけど、誰に訊いてこうなったんだ…と気になっていたが、ど真ん中世代の先輩いわく、1990年度だけが特殊なのではなく、1989年以前も比較的その傾向にあったのが1990年バブル崩壊で一変したのではないかとの見解、すごく腑に落ちた。
単発ものの調査レポートって、自分では解釈が難しいので訝しんでみる癖があるのだけど、この調査は第35回と回を重ねていて経年比較あれこれを提供してくれるところが好み、ありがたい。
大もとの調査レポート(PDFファイル)は、こちらで。2024年度(第35回)新入社員の会社生活調査┃学校法人産業能率大学 総合研究所
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