『Agend』のインタビューで普通のことを力説
「将来いんたーねっつになりたい」と願ってやまない事業家のフジイユウジさんが、私との茶飲み話を記事にしてくれました。
「これからどうなりたい」を話すと、個人もチームも良いことがある。キャリアプランを活かすチームコミュニケーション。
「仕事でのチームコミュニケーション」をテーマにした情報を発信するメディア『Agend』(アジェンド)。経営層向けの組織論とかじゃなくて、もっと中間層のマネージャー向けに現場の実践に焦点をあてた記事を出したい、ということでメディア活動をされているのだとか。
お声がけいただいたときは、役立つことが一言でも言えるのか正直分かりませんでしたが、茶飲み話的に話してみて、つまめるところがあったら記事にするという感じでお受けして、わいわいおしゃべりしたのでした。その後、いただいた原稿をたたきにしてあーじゃこーじゃと書き直したりして記事が仕上がった次第。
しかし日を追うごと「普通すぎる」とか「凡庸すぎる」とかで終わっちゃうんじゃないかという気が充満してきて、私はこれが等身大だから仕方ないとしても、このメディアを傷つけることになるんじゃないかと悶々、とりあえず年内に出しておくのがいいんじゃないかと少々気が焦った年末…。
それが今朝の公開を見届けるに、フジイさんがSNSでシェアしたのを読んで、共感を示してくれたりする方の声に触れることができ、感涙するほど嬉しい気持ちになりました。あぁ、こういうふうに現場で有意義に仕事されている方の声が彰らかになる作用がはたらいたなら、媒介価値があったと自分を許してやっていいんじゃないかと、そういう安堵がありました。本当に、ありがたい。
また個人的には、この機に乗じてお話ししたり文章を書いたりする過程で、自分一人ではなかなか言葉がまとまらなかった考えに当たる時間をいただけて、これだけでも大変ありがたいことでした。
一方で、やはり「普通に大事なこと」を現場仕事ではなくメディア記事のような形で出力しようとすると、どうしてもエッセンスが抽象化されるわけで、「抽象化した普通のこと」の語りって、どうしても「凡庸」と紙一重になってしまう。そこを簡潔に巧く示せる人もいるとは思うんですが、私はその辺が力不足で、メタファとして地図っていっても、具体的にどういう地図よっていうようなのが下手だよなぁと思います。
「普通のことすぎる!」というお叱りの言葉もあろうかとは思いますが、普通を具現化する仕事こそ大事だし難しいし、現場の各人の腕次第だしという思いを詰め込んだということで堪忍して。おせち料理の中の「なます」みたいな感じで、年末年始のごちそうの合間につまんで味わっていただければ幸いです。
メディアを騒がす極論と極論のあいだに、最適な按配を見極めて自分たちの答えを作り出していく現場の創造力が、すごく尊いと思っていて。手法としては斬新ではないんだけど、丁寧に個別具体で当たらないと意味をなさないタイプの創造的な仕事ってあって、目立たないけれどそここそ頭数が必要で、自分はそこが持ち場だと思っている。なので私も、入らせてもらえる現場で「組織の人材マネジメント」と「個人のキャリアデザイン」を止揚する役割を果たせるよう、来年もせっせと働けたらなと思っております。
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編集長のフジイさんが書いてくださったアンサーブログも。
誰かの「普通」が多くの人を助けるんじゃないかな
https://fujii-yuji.net/2023/12/30/192135
投稿: hysmrk | 2024-01-07 07:29