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2023-05-10

目標設定「SMARTの法則」って何の頭文字か問題

目標を設定する際は「SMARTの法則」を心がけよう。という教えは、仕事しているとどこかしらで見聞きする話だが、そのSMARTを何の頭文字として教わるか、何として認識しているかは人によって結構違うのかもしれない。

私は「SMARTな目標設定」っていうと、下の表でいうところの一番左Aタイプで覚えたのだけど、紹介する本によって説明が違うので、あれ、あれって別の本にあたっていったら、どんどん解釈が散らばっていって収拾がつかなくなり、5冊目(Eタイプ)で匙を投げた。

手にした本はどれも、ここ2年以内に出版された本なのだが、こうも分かれるものか。こういうときは「いろんな人がいて、いろんなことを言うよー」というキリンジの歌(Drifter)が脳内に流れる。名曲だ。

Smartgoals

少し時間をおいて気を取り直し、ネット上でも情報収集にあたってみると、一番右のFタイプにも遭遇した。Attainableも、ネット上ではなかなかのメジャー感があってちょいちょい遭遇する。

最近AchievableからAttainableへの置き換えが進行しているのだろうか。ただ日本では中学英語で学ぶAchievableのほうが「達成可能」をぱっとイメージしやすいかもしれない。さらにはAgreedやらAgreeableも出てくるわ、Time-basedやらTime-limitedにも遭遇した。

全部書き出してやれ!という勢いで紹介していたのがMindToolsというサイトにある記事で、少しページをくだっていくと、それぞれ列挙されていた。


Specific (simple, sensible, significant)
Measurable (meaningful, motivating)
Achievable (agreed, attainable)
Relevant (reasonable, realistic and resourced, results-based)
Time bound (time-based, time limited, time/cost limited, timely, time-sensitive)


やれやれ、好き放題だ。とりわけMとRの無秩序感がすごい。RealisticがRの頭文字で「現実的か」って領分に押し入っちゃうと、Achievable「達成可能か」の存在意義が危うくなり、そうするとAの頭文字は別の意味を求め出し、Aが変わるとMも変更を迫られて、SとTはその戦いを遠目でのんびり眺めているみたいな構図なのか。方々に飛び火して、メンバーがいちから自身の役どころを取り合うカオスにならないことを願うばかり。

ともかく、この広い世界で、これに決着をつけて皆の認識を合わせるのは生半可なことではない。これを使う側の実務者としては粛々と、各項目の1番目に書かれているものがデファクトスタンダートと割り切って使うか、自分が最初に覚えたタイプに漏れなくダブりないなら、それを使って自分の案件に有効活用するのが賢明だろう。

幸いにして私が最初に学んだAタイプは、上で一番最初に書かれている項目と合致するので混乱なくいけそうである。

自分なりに、5項目を参照しながら、べたべたの日本語ゼリフで5項目書き出してみるのもいいかもしれない。


1. 具体的にゴール設定できてる?読んだ人次第でゴールの解釈が変わったりしない?
2. 達成したかどうか数字で測定できる?どうやってゴールに到達したとか、していないとか言える?
3. 本当に達成できる?無茶なゴール設定してない?
4. 目的からずれてない?目的とゴールの整合性とれてる?
5. 期限までに達成できる?本当に間に合う?


いちど目標設定してみた後に1から5までツッコミ入れる習慣を持ち、足りなかったりずれているなと思うことがあったら加筆修正してブラッシュアップする。実務者がやるべきは、その目標設定を洗練させ、みんなで目標を認識合わせして、設定した目標を達成することにある。そこに時間と労力と意識を費やさなきゃ仕方ないのだ。

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