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2023-02-14

母の十三回忌に家族集結して

十三回忌ともなると、ずいぶんと落ち着いた心持ちでその日を迎えられるもので、三回忌と十三回忌では、ほら、ずいぶんと心模様も変わるものでしょうと、誰かに説かれているような。そう問いかけられるように、三回忌と十三回忌とを特別においている気さえしてくる。

一周忌が、亡くなった1年後にやってきて、三回忌は、その翌年にやってくる。3年後ではなく、2年後にやってくると知ったのは、恥ずかしながら母のその日を迎えたときのことだった。「〇周忌」が「丸〇年後」を表すのに対して、「◇回忌」というのは「◇年目の始まり」を表すのだ。

つまり十三回忌というのは、母が亡くなって丸12年が経ち、13年目が始まる時期を迎えたということだ。東日本大震災が起きる、ちょうどひと月前のことだった。病気の発覚からあっという間、ひと月半ほどで旅立っていった。

十三回忌には改まった儀式を設けるところも多いと思うが、うちの家族は今回、とくに法事らしきことはせず、しかし家族全員が集まって母のお墓へ行き、手を合わせた。

実家でも、車の移動中も、食事処でもわいわいと話をして相当にぎやかだったから、母も突っ込みどころ満載な家族の会話に触れ、なかなかな十三回忌を過ごせたのではないかと勝手ながら思う。仏壇のコーヒーも、インスタントでなくドリップコーヒーをあげたし…。

妹の運転で、父と兄と私を乗せて車で移動するだなんていうのも、初めてのことだったのではないか。人生初は、何歳になってもいろいろと巡ってくるものだ。

子どもらが全員40代となって、こんなふうに膝つきあわせて家族会議みたいなことをやるようになるというのも、なんだか新鮮だ。互いがそれぞれの場所で人生経験を積んできて、キャラクターもバラバラで、だけどみんな家族に温かくて、議論が白熱しても心あるやりとりが続く。

何が大事なことか、何は柔軟に考えるべきかを意見交換しながら、論点を大事に大事に詰めていく。自分が勢いで浅はかなことを言ってしまったかと後から振り返ったりして、兄のふるまいには学ぶところが多いし、妹の愛嬌に気持ち救われることもしばしば、ありがたい家族だ。ガーンと勢い思い切って不器用にやっちゃう加減は、あんがい父と私が似ているのかもしれない。

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