「Web系キャリア探訪」第45回、個人から仕掛けるジョブ型雇用
インタビュアを担当しているWeb担当者Forumの連載「Web系キャリア探訪」第45回が公開されました。今回はジョブ型雇用で2017年にKDDIに入社し、部長職としてメタバースなどの新規事業を手がける三浦伊知郎さんを取材しました。
KDDIのアウトロー!? あえて“契約社員”として働く部長の仕事観
「ジョブ型雇用」って最近よく聞かれますが、三浦さんのキャリアを伺っていると20代の頃から自主的にジョブ型雇用を実践してこられたようにも感じられます。
そしてWeb系(ざっくり)の方には、自分も同じ感じだなって親近感を覚える方が少なくないのでは?と思っています。
10年、20年とキャリアを積んでいく中でWebの位置づけも専門性もどんどん進化し、高度化し、職業も専門分化してきた。
1996年から舞台袖でこの変化を眺めてきた身からすると、最初は「Webサイトを作る人」として一括りだった人たちが、それぞれの興味やバックグラウンドに応じて、マーケティング、広告、事業開発の方面に行ったり、専門技能を追求してIA(情報アーキテクチャ)、編集・ライティング、フロントエンド開発、UIデザイン、プロジェクトマネジメント、サービス・プロダクト開発、データサイエンス、ユーザーリサーチ、中小ネットビジネス支援、DX系のコンサルティングなどなど、いろんな方面に軸足を移していった軌跡がみとめられます。
市場の変化にどう対応するかは、個人と同様に、会社組織にも求められてきた。どう変わるか変わらないかは、個人と勤め先で常に足並みがそろうわけではないから、入社当初は「自分がやりたい仕事」と「組織が任せたい仕事」がマッチした会社でも、市場変化の過程でずれてくることが往々にしてある。
そうした変化の中では、一人ひとりが「この会社では、このポジションで、これを発揮し、これにチャレンジして、これを身につける」というふうに、職場ごとに設定を変えてキャリアの舵取りを自分でやってきたという方は多いのでは、と推察します。
職場移動のきっかけが自発的なものだったかどうかに関わらず、たとえ会社都合や家庭事情がきっかけだったとしても、そこからどう舵取りするかに主体性と個性が感じられる方は非常に多い。「私は行き当たりばったりで」とおっしゃる方のお話もよくよく伺っていると、主体的な意志決定に、その方の個性が詰まっていて素敵だなって思うことがままあります。
三浦さんは現在50歳。この30年のキャリア遍歴を読みながら、自分のキャリアと照らし合わせて、今の自分の現在地をはかったり、この先の方向性を模索する参照情報としてお役立ていただけるかもしれません。組織と自分の関係性を健全に対等に見直すきっかけにも、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。
私は、Web界隈の人たちが先駆者的に、ジョブ型雇用の実例をつくり、「組織と個人の健全で対等な関係」の手本となり、「個人のキャリア自律」を推進していくのかなぁというイメージをもっているので、そういう情報交換は活発にしていけるといいなと、そんなことを思っている次第です。よろしければ、ぜひご一読くださいませ。
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