「Web系キャリア探訪」第37回、バリバリ働きたい人の実現法もやり
インタビュアを担当しているWeb担当者Forum連載「Web系キャリア探訪」第37回が公開されました。今回はDMMで50を超える事業のマーケティングを横断的に手がける武井慎吾さんを取材しました。
転職を重ねた“Mr.ジョブチェンジ”、DMMに見出した「おもちゃ箱」のような魅力とは!?
工業高校で電気・機械を学んだ武井さんは、新卒で機械メーカーに就職、メカニックエンジニアとして働きだすも程なく退職。その後、片手では足りない数の会社を転々として、自分のキャリアをオリジナルに育んでいきます。
「やってみないとわからないから、やってみよう」というシンプルな行動指針で、実際に行動してきた武井さんのキャリア変遷には、とりわけ「やる前から情報に埋もれて行動停止」してしまいがちな昨今、頭でっかちになっている自分に問いを投げかけ、身を軽くしてくれるお話だったなと思います。
とにかくフットワークが軽く、バイタリティがあって、自身で仕掛けたチャレンジを、方々で着実にモノにしていく。その経験を無駄なく肥やしにして自分ができることを増やし、動けるフィールドを広げ、自分がやりたいことをさらに鮮明にして、それが実現できそうな場所に身を移して新たなチャレンジを仕掛ける。現職の、言わばカオスな環境を「おもちゃ箱」と見立てて存分に楽しむ姿は、実に清々しい。
「過去の/自分の育て方」と「今の/部下の育て方」を分けて、より確度の高い部下の育成法について語ってくれた話も、経験に裏打ちされたお話でありがたかった。ご興味ある方は、ぜひお時間のあるときに読んでみてくださいませ。
そして、ごくごく個人的な編集後記的にネットの片隅でメモりたいのは、「バリバリ働きたい」という今の若者が「働きにくい」と不自由を感じないよう、バランスをとっていきたいんだよなぁという考えごと。
以前、大学生にキャリア講話をする機会があって、その後のアンケートに「自分は社会に出たらバリバリ仕事したいと思っていて」って書いてくれた学生さんがいた。そりゃ、そうだ。ワークライフバランスに向かう今の時代であれ、「24時間戦えますか」なバブル期であれ、バリバリ仕事したい若者もいれば、仕事ほどほどにプライベートを重視したい若者も社会に出てくる。仕事を始めてみたら、その価値観に変化を覚える人だっているし、ライフステージによって同じ人の中でも優先順位が変わるのが人の常だ。
今はどちらかというと、過重労働にならないよう社会で改善活動を進めている最中って感じだけど(そして、それ自体を否定する気はないけれど)、度を越して社会の縛りをきつくして、バリバリ働きたい若者が「バリバリ働けない」不自由を強いる環境を構築するのも、なんか、それはそれでバランス悪いんだよなって思ったりしてしまう。
AかBの行ったり来たりじゃなくて、1つ高い次元に引き上げて止揚したCを創り出すのが人間の知性。AもBも、その人の希望やライフステージによって選べる選択肢を用意する社会を目指すほうが健全な気がするんだけれども。まだもんやりしすぎていて、今それ以上語るな、もっと考えてからものを言えと言われれば、そうですねとしか返しようのないところで空を見上げている。
1社に就職して、そこだけで「バリバリ仕事」を実現するのは社会制度的に無理が来るとしたら、今後はそういう人たちの選択が「本業と副業」とか「本業とボランティア」とか、あるいは会社員ではなく雇用する側に立つこととするのか。そういう選択を、本人が自らすれば実現しうる社会制度が充実していくことになるのか。もんやり考える。もんやりすぎる。
« 「悩み」と「考え」を分別したい | トップページ | 他との対比で浮き彫りにする「カオス」の像 »
コメント