多重知能理論、「多元的知能の世界」のメモ
再びちょいメモ残し。読みたいけど、なかなか落ち着いて読む時間がもてずにいるハワード・ガードナーの「多元的知能の世界」*を、ちょっとだけ週末に読み進めた。
しかし、これについてあれこれ書き出すと、どうにも筆が止まらなくなって話まとまらなくなってしまうの繰り返し。この知識をとりこんで、自身の仕事、会社でできることを洗練させていきたいというところなので、考えることやりたいことが複雑に絡みあっていて、今ここに書くべき姿で簡潔に表せる明晰さをもたないのだけど。とりあえず、とっかかりの問いかけを(勝手に作ったので)残してみたい。
人の秀でた特徴を、8項目に分類したものがある。それぞれを説明しだすと文章が長くなるので、雰囲気で「この人は、◯◯的に優れている」として読み上げてみて、ざっくり自分の身近な人なり有名人なりで具体的イメージをもってみてほしい。
言語的
論理・数学的
身体・運動的
人間関係的(対人的とも)
博物的
内省的
空間的
音楽的
さて、イメージができたら、この8項目を「知能」「才能」「性格/人柄」のどれに類するか、一つ選んで分けてみてもらえまいか。どれを、どの円に入れてグループ分けする?
となると手始めに、1つ目の「言語的に優れている」、2つ目の「論理・数学的に優れている」というのは、いわゆる「IQが高い」というやつで「知能」に分類するのではないか。
では、他の6つはどうだろう。「知能」「才能」「性格/人柄」のうち、どれにあてはまると思うか?奇をてらわずに、第一印象で「これがオーソドックスだろう」と思う円の中に、あとの6つを選り分けてみてほしい。
すると下の図のように、6項目が円の中に収まるのではなかろうか、どうだろうか。
「身体・運動的」「空間的」「音楽的」は才能グループ、生まれもったものがそもそも違う、資質・センスにも通じている感じが才能っぽさある。
「人間関係的」「内省的」は性格/人柄グループ、これも努力して身につけたっていうより、もともとそうっていう天性のものっぽい感じ。
それでいうと「博物的」は、後天的に身につけた物知りっぽい印象で、知能グループかなぁとか。どうだろう。
でも、でも、それって本当に、それでいいのかな。という疑問に端を発して(いや、この問いは私が勝手に作ったところが多分にあるが、言いたいことはそういうこと的な…)、ガードナー氏が研究した結果が「多元的知能の世界」に書かれている多重知能理論(この本には7つとなっているが、後に「博物的」を加えて8つになった)。この8つ全部を同格に並べて「知能」と呼んでみせたのだ。
IQだけが知能じゃない。人間の知能は単一のものではなく多元的だとして、その知能を8つに分類した。
8つはある程度の独立性をもって、それぞれ機能している。
スキルの量や組み合わせは、一人ひとり異なる。
知能は統合的に働いて、諸々の問題を解決したり、職業や趣味などを通じてパフォーマンスを発揮する。
ギリシャ時代には、こうした知能がほぼ等しく尊重されていたが、1905年にアルフレッド・ビネーらがIQテストを作って以来、知能のとらえ方に多元性が失われていってしまった…というようなお話。
地頭採用、論理的思考力が高い人、人柄採用、コミュニケーション能力が高い人、いやいやもう少し洗練された言葉で丁寧に、「自分の会社のここの部署でこういう役割をしてくれる人」を言葉で定義してみたら、もっともっと個々人がもつ多様な能力が、うまく社会の役割につながっていくんじゃないか、IQに偏らず多様な能力が適切に評価される世の中になっていくんじゃないか。そんなイメージをもっている。一見すると「性格」とか「人柄」と見えるものにも、IQと同等の価値が認められるといいなというか、なんというか。
まぁ、まだこの本、最初しか読んでいないんだけど…。ずいぶんと雑な文章と問いかけになってしまったけど、なんとなく残したかったのだ。
*Howard Gardner (著), 黒上 晴夫 (監訳)「多元的知能の世界―MI理論の活用と可能性」(日本文教出版)
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コメント
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やっぱ今の時代は均一な歯車と丈夫な奴隷が求められるんじゃない?
投稿: 佐藤寛之 | 2023-07-03 21:36
佐藤さん、私はそれだとあんまり幸せに生きられないので別の解釈で今の時代をとらえますが、それぞれの納得解があるだろうとは思います。この自分の書いた文章をすっかり忘れていたので、、読み直せて良かったです。ありがとうございました。
投稿: hysmrk | 2023-07-04 07:29