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2021-10-19

大学の授業で「キャリアデザインする前に知っておくと良さそうなこと」を談義する

大学生向けにキャリアデザイン談話(といっても授業枠っぽいのだが)をしてみないかという話をもらった。勤め先のYouTube公式チャンネルにあげていた「クリエイターのためのキャリアデザイン講座」を見てくれた昔の勤め先の元同僚が、自身の担当する大学の授業で「あれのこういう部分」を学生にも伝えたいという。あれのダイジェスト的な感じでいいから!、そんな準備しないでいいから!という誘いで、私もあれの中から学生さんにシェアしたいこと、んー、再編集すればひとまとまりある気がすると思い、引き受けることにした。

私は学生時代、本当になにも進路の明確な希望をもっていない若者だった。なので、明確なビジョンある学生さんに何も言えることはないのだけど、私と同じように「就活の時期になったら就活やろうとは思うけど、別段これといった方向性を見出しているわけでもないしなぁ」という学生さんに、昔の自分に話しかけるようにシェアしたい考えというのは、わりとまとまったメッセージが作れそうな気がしたのだ。

それでまぁ引き受けたものの、すでにあるものをささっと再編集して対応できる性分でもなければ、力量もなかった。結局、収録前の週末に土日まるまる使って全動画15本その他から素材を整理し、構成を組み立て直し、スライドを作り直し、大学生向けの話のまくらを新しく起こし、自分が伝えるべきは何で、言うべきじゃないことは何なのかをぐるぐる試行錯誤。日曜の夕方ようやくまとまったが、収録を前にすでにクタクタに…。

話してみないことには、そして動画を見た学生さんからのフィードバックを受けてみないことには、意味あるものになるのかくだらないおしゃべりにつきあわせることになるのか見当つかぬところがあったが、とにかくこの、日頃つきあいのない大学生に向けて自分が限られた時間に何を届けるかというシナリオへの落とし込み過程は、あぁ生きてるって感じがして良かった。地味な性分である。

視聴する学生の数は300人近いという。学部もいろいろ、学年もいろいろ。最初は、学生さんに直接会って話せると一番なんだけど…と思っていたが、実際やってみると、90分間の授業、300人近くを前にして、あのテンションで話せる気がしないし、結果的に良かったんだろう。そもそも収録だったから実現した授業のたてつけでもある。

内容は、自分のキャリアについてを話のまくらにもってきて、自己紹介兼ねつつ、自分の「あくまで社会に出て仕事経験を積みながら自分のやりたいことを発見して、節目節目で舵取りしてきた遍歴」をシェアしつつ、どういうふうに自分なりのやりがいをもって「のら人生」を歩んできたか、インプットとアウトプットを重ねてきたかを提示する(まくらと言いながら、ふとん級に幅広で丈が長くなった…)。

その後、それと連関させるようにして、「キャリアとは何か?」「キャリアについて考える意味はあるのか?」「やりすぎ注意!のキャリアデザイン」「(自分にとって)望ましいキャリアとは何か?」につないで、「私のケース」と「キャリアデザインする前に知っておくと良さそうなこと」を反復的に頭の中で結びつけて知識定着させていくような話の作りにした。

ちょっと時間オーバーしちゃって、元同僚には編集にお手数かけてしまったけれど、すごく話しやすく導いてくれ、今回のお話をくれたことにも感謝。「マリちゃんは、一人喋りより聴衆がいた方が映える」という動画編集後のフィードバックにも、確かにしゃべりやすかったなぁという思いを抱く。きわめて動物的なんだよな、私は。

あと最近わりと真剣に成人発達理論を学んでいて、そこにわりと自分がずっともやっと抱えていた問題意識をシャープな言葉で示したエッセンスが詰まっているので、意識的にそういう知識も足場にしながら、自分のもつバイアスをもっとえぐり出して、それぞれの現場で自分がどう働き仕えるべきなのかの質をあげていけたらいいなと思う。すごく難しいけれど、なかなか登りがいのある山だ。

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