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2021-06-30

面接官がしちゃいけない質問例を読考

厚生労働省 大阪労働局の「面接で訊いちゃいけない質問例」を確認すると、ほぅ、それもかぁと思うのが少なからず見つかる。面接で「座右の銘」を訊いちゃいけないというのは、以前そこそこ耳目を集めたが、「尊敬する人物」「愛読書」「将来どんな人になりたいと思うか」あたりもNG例に挙がっている。

「ご出身は?」と、別に採否の判断に使うつもりは毛頭なく、なんとなく場を和ませようと世間話的に使っちゃいそうな質問もNGだったりするから、面接官をやることになったんだけど、その辺の認識があいまいという方は一度目を通しておくと良いかもしれない。

自分が就活の面接で訊かれたことある質問だと、うっかり使っちゃいそうだけど、実はそれって20年前の話だったとか、20世紀にはオーソドックスな質問だったけど今はちょっとないなっていうのは少なくない。

リンク先のNG例を眺めつつ、けっこう線引きが難しいかもなぁとグラデーションに感じたのは「思想・信条・人生観」。

もちろん初対面の人相手に、信仰している宗教とか支持政党を訊くのは、ルールとかそれ以前のモラルというか、そういう項目もあるのだけど、ものによっては相当意識しないと、うっかり境界線を越えてしまいかねない危うさを感じる。

というのは、仕事で大事にしていることを「仕事観」とすると、それと「キャリア観」とか「人生観」って地続きというか、ぐにゃっとひと連なりな感じの人も少なくないんじゃないかなぁと思うのだ。それは法人格の価値観でも、そういうところあるかなぁと。その「ぐにゃっとひと連なり」か「割とぱっきり分かれている」か含めて、個人と勤め先の相性ってあるかもなぁとも思ったりした。

求人企業がよく使う言葉に「スキルマッチとカルチャーフィット」の両方をみて選考したいみたいな話があるけれど、「カルチャーフィット」の度合いを探りつつ、でも「思想・信条・人生観」には踏み込まない面接時の質問の仕方、分別のつけ方、境界線の引き方みたいなのは、なかなか繊細な話かもなぁと。

とりあえず現実的な選考場面で考えてみて、面接官の立場とすると、あくまで仕事の枠組みをはみ出さないように意識して、「~業務、~技術、~デザインを習得するのに、誰に学んだとか、こういう本を読んだとかってありますか?」みたい訊き方にしたらいいかな。きちんとテーマを設定して、絞り込んで訊く。NGなのは「尊敬する人物」「愛読書」じゃあ、仕事の枠をはみ出してるでしょ!って話だろうから。

応募者の立場からすると、面接官からは、就職差別につながりかねない質問ができない背景事情を知っておいて、自分がアピールしたい、その会社と自分との「カルチャーフィット」があるなら、そこは自ら話題にあげて表明していくのがいいってことになろうかな。「親が商売やっているのを子どもの頃から見ていて」とか、「出身が~でして」とか、そこを話の切り口に使いたい人もそれはそれでいるだろうし、自ら話す分には問題ないだろう。

もちろん、自分が言いたくないことは言わなくていいし、訊かれても答えなくていいの前提で。

じゃあ、そういうことを訊かれちゃったときの現実的な切り返し方としては、どんなのが考えられるだろう。「就職差別につながりかねない質問のやりとりは控えるよう、学校 or 前職で指導を受けまして」的に返すか、「今ぱっと思いつきません」的に返すか。

あるいは、その質問を「自分で仕事の枠組みに読み替えて」答えることができれば一番ではないかしら。例えば「尊敬する人物を言ってください」と言われたら、「~デザインの仕事の向き合い方として尊敬しているのは~さんで、~という著作の中にこういう一節があって」と話を展開するとか。

「自分の生き方」について訊かれたら「自分の仕事上の生き方」について答える、「今の社会」について訊かれたら「自分の専門分野の観点からみて、今の社会にどういう課題を感じていて、仕事を通じて自分がどうそれに関わっていきたいか」を答える。そういうふうに自分の仕事領域に自分で引き寄せてしゃべれれば一番良い感じ。緊張のさなかで瞬発的にやるのは難しかったりするけど、その辺は選考前に整理しておいてもよいかも。

2021-06-19

国家資格キャリアコンサルタントの更新講習をせっせと受講中

キャリアコンサルタントの国家資格を取って5年が経ち、資格更新の時期を迎えた。私は17年前に日本キャリア開発協会(JCDA)のキャリアカウンセラー資格(CDA)を取っていて、5年前のキャリコン国家資格化の際は、このCDA資格のおかげでいろいろ免除されて申請すれば登録してもらえる感じだった。どんな手続きをしたのだったか詳細はもはや記憶があいまいだが、とにかく体感的にさほど苦労なく取得したのだった。

が、今回の更新手続きにあたっては一定の更新ポイント獲得の上で申請する必要がある。ポイントを得るには、国が指定する講座群から知識講習(8時間以上)、技能講習(30時間以上)の受講が必要で、それぞれ受講後にレポートを提出して修了証を発行してもらわねばならない。

そんなわけで、8月の更新期限が間近に迫る中、キャリコン関連の講座をバタバタ予約、どたどた受講している今日この頃だ。5年かけてポイントを得ていればこんなせわしないことはないので自業自得としか言いようがないのだが。

さて、この講座群、国が指定すると言っても、自分が籍を置くJCDAという協会が主催する講座ラインナップから選択できるし、このご時勢とあってオンラインで受講できるものばかり。

それは助かるのだけど、やはり6〜7月に仕事の合間をぬって駆け込み受講するとあって、けっこうハードである。土日に入れたり、有休をとって平日受講したりして、自分の関心テーマを選んで受講している。これまでに4講座受けてきて、今週で半分くらい終えたところ。

知識講習(9時間分)は「動画視聴→テスト受験」を一定期間に自分のペースでやっていく感じなんだけど、技能講習のほうは5講座(32時間分)でいいところ、勢いあまって6講座(39時間分)申し込んでしまった…。

私が申し込んだ技能講習はどれも、朝から晩までの1日完結型、定員20名。講義少なめ、個人ワーク、ペアワーク、グループワーク、全体共有を繰り返す感じで、頭がさがさ、心わさわさ、体だけは全然動かさないわりに汗かきかき。今週受講した講座では、毎回お昼休みに着替えをして午後に臨んだ…。

キャリア関連の講座というのは、特有の汗のかき方をする。まず検討素材が自分のこれまでのキャリア体験になることが多く、過去の実体験で最もこれこれだったと思う事例を挙げてくださいという素材だしから始まることがけっこうある。しかも、それを3分くらいで思い出して一つに決めて描写し、次のペアワークなりグループワークで、それを言語化して初対面の相手に簡潔に伝えないといけない。

そこからまた、そのときの検討テーマとどう連関させて意味を見出すか、どう解釈して洞察を深めるか、そういったことを日に何度もやる。さらに、ケーススタディとして個人のキャリア相談、法人の人事系の相談など提示されて、どう対応していくか、何に配慮が必要かなど、3分とかで自分の考えをまとめて、これもグループワークに移して見解や提案を10〜30分でまとめて全体に発表とかするので、講座の間ずっとせっせせっせと思考を巡らせている。夕方には、くたくたなのである。

自分が発表者になったものなど、ちょうどランチ休憩あけに発表という流れだったので、午前中に一通りグループメンバーの意見を聴かせてもらい、ランチ時間にひとりで提案資料を作っていたら休憩が終わってしまって、発表は好評だったがランチは冷蔵庫のミニトマト3個で、夕方5時まで駆け抜けることとなった。

夕方の講座終了の段になっても気が抜けず、受講レポートを書いて提出せねばならない。国のお達しで6月からオンライン講座の修了条件が厳しくなったらしく、レポート内容の要件も、こうであらねばならないという水準を達した内容でないと修了にならない。講座中も、レポート作成中も、ずっと画面上で顔出しを要し、事務局が受講者の顔出し参加をずっとチェックしておく必要があるのだそうだ。ビデオをオフにしての居留守受講は許しませんよということらしい。まぁ、ありがちな流れではある。

一つ、この先どうなっていくだろうなぁと思ったのは、受講者同士の継続的な交流である。リアルで会って受講する講座だと、1日講座ともなると、けっこう最後に名刺交換などして、今後ともよろしくーなんてのが一般的にあったけれど、オンライン講座だと、そういうふるまいに一般的なやり方というのが普及していないので、この人は気が合いそうだなぁと思ったペアワークの相手などでも連絡先の交換などせずにお別れすることになる。

講座中、氏名・顔は出すし、住んでいる都道府県、勤め先の業種や組織規模、社風や人事制度については必要に応じて話すけれど、どこそこに勤めているといった固有名詞は言わないし訊かないのが、暗黙のマナーっぽくなっていて、連絡先を交換するということにはならない。

これはもちろん、なんとなくの流れで全員と名刺交換することにならない点で良い面もあろうけれど、ペアワークなどで気が合うなぁと思った人との交流も一切合切絶たれるというのが、なんだか惜しい気もして、これからニューノーマルなるオンライン講座受講者同士の継続的な関係の結び方が出てくるのかもなぁなんて思ったりした。

この更新講座を受講している人たちの共通点は、国家資格キャリアコンサルタントの有資格者(あと私の場合はJCDA会員)というだけで、老若男女、住んでいる地域も、仕事内容も職場もまったくバラバラ。コンサルタントっぽい人もいれば、カウンセラーっぽい人もいるし、民間企業にお勤めの人もいれば、組織規模も様々、学校・公的機関勤めの人もいれば、独立・起業している人もいる。臨床心理士もいれば、社労士、学校の就職課、企業の人事など専門性も多様。昼夜逆転する時差のある海外から、夜から朝方にかけて参加する方もいた。そういう人たちとの交流機会というのは、私のような暮らしぶりだとなかなかないので、貴重な時間である。

講座の中身は開示しないようにということなので言及しないけれど、しっかり血肉化して自分の身近な人たちのもとで役立てましょう、そうしましょう。

2021-06-17

「Web系キャリア探訪」第31回、自分の専門領域に垣根を作らず

インタビュアを担当しているWeb担当者Forum連載「Web系キャリア探訪」第31回が公開されました。今回は、阪神淡路大震災直後の1995年春に、当時大阪に本社を構えていた大手通販フェリシモに新卒入社し、四半世紀にわたって1社でキャリアを積んでこられた市橋邦弘さんを取材しました。

「新しいことが好き」新卒入社して25年、転職せずに仕事を続ける理由

90年代のECサイト立ち上げに始まり、デジタル広告、マーケティング、システム開発と、技術的にできることが増え、業務もシステムも高度に複雑化していく中でも、自分の専門領域に垣根を作らず横断的にキャリアを積んで、同社のEC事業拡大を率いてこられた市橋さん。

現在は自ら手を挙げて新規事業開発へ。1企業の枠を超えた物流改革への挑戦を心から楽しんでおられるのが、画面ごしにも伝わってきました。また部下を率いる立場を離れ、1プレイヤーとしての活動を再び堪能しておられるようにも感じられました。

それから。自分がいよいよ社会に出るというタイミングに、世界が、自分の暮らす国や地域が、どんな情勢にあるかは本当に様々だし、個人ではどうにもならないところも多分にある。たまたま、どこにあたるか。大不況期ということもあれば、大災害に見舞われる、世界的な疫病の流行にあたる、そして戦争や紛争のもとにいる人たちだって、たくさんいる。今回はそういうことに思いめぐらす取材の帰り道でもありました(オンライン取材だったけど…)。ご興味ある方は、ぜひお時間のあるときにご一読くださいませ。

2021-06-04

Era Web Architectsの動画が、WD ONLINEの記事に

"Era Web Architects"というプロジェクトの一環で、今年の1月にオンライン番組でお話ししたときのダイジェスト版が、マイナビさんの「WD ONLINE」で記事(文字)になりました。動画でずたぼろだった私のおしゃべりを良い感じにそぎ落として、まともにしゃべれているふうに仕上げていただいています。感謝、感謝です。

人の個性化を支援したい丨WD ONLINE

今週はけっこう仕事が立て込んでいて、社内でもひとまとまりのお話を多くの人に1時間もらって伝える機会があったり、久々クライアントさんからも相談がまいこんで、向こうさんがたくさんいるオンライン商談に臨んだりとか。もろもろ乗り越えての金曜の夕暮れどき(窓の外は嵐だったが)。

Era Web Architects発起人の坂本さんから「記事を公開しましたよ」との報を受けて、(少し前に原稿をもらって校正もしていたんだけど)改めて公開された記事を読んでみて、なんだか遠い昔の自分が、今の自分を励ましてくれているような感じがしました。

時々、少し前のこと、ずっと前のことを振り返ると、そこからずいぶんと時間が流れ、距離は遠のき、自分は今ここにぽつんといるという認識をあらたにします。

時間が止まることはなくて、時が止まったまま何かがさして変わらぬまま維持できているかのように思うのは錯覚で、流れた時間のぶんだけ、すべては私の見えないところで移ろっているんだよなと。それに抗わずに受けいれて、生きていくのが生き物のさがじゃのと思う次第です。

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