今どき高校生のネットリテラシーを読む
昨日のラジオで、今どき高校生のネットリテラシーを話題にしていた。日本学校保健会が、全国の高校生を対象に「メディア・リテラシーと健康行動に関する調査」を行った。調査時期は2020年1〜2月(コロナ感染拡大の直前)、調査対象者は当時の高校2年生8千人あまりで、今ちょうど高校を卒業したばかりの人たちになる。
調査結果のトピックスをいくつか紹介していたのだけど、まず健康に関する情報をどこで入手するか。
●最もよく利用するのは「インターネット」が半数(49.4%)を占めた。「テレビ・ラジオ・新聞」は17%程
●ネットで多く利用されているのは、まとめサイトやSNS。「国、自治体などのサイトは使わない」との回答が半数にのぼった
続いて、メディアで情報をみるときに確認すべき項目を確認しているか。
●いつ作られた情報かを確認するかは、「いつもする」が14.4%、「しない」が1/4を占めた
●情報源を確認するかは、「いつもする」が14.5%、「しない」が1/4を占めた
●情報は科学的な事実なのか、あるいは誰かの意見かを確認するかは、上とほぼ同様だった
とのこと。おしゃべりの中で紹介していたので、結果の全容を把握できるものではないけれど。放送から1週間は聞き逃し配信をネットで聴けるので、よろしければ下のリンク先から。
「ヘルスリテラシーを考える」 三宅民夫のマイあさ!「深よみ」丨NHKラジオ第一(5月3日7:20放送、5月10日7:40配信終了)
メディア側も、健康情報などテーマによっては、ページをデザインするときに「いつ作られた記事か」「何が情報源か」をもっと分かりやすく目に入ってくるように工夫するとか、やりようがあるのかもなぁなどと思いながら聴いていた。Twitterなどで時おり、10年前の記事とか、ちょうど1年前の今ごろという記事が流れてきて、少なくない人が昨日今日の記事と誤解しているふうな状況を見かけるし。
さて調査結果に興味を覚えて、情報源だという日本学校保健会のサイトを見に行ってみた。上に書いた内容は無料で見られなかったのだけど、調査結果レポートの一部が電子ブックで覗けた。
メディアリテラシーと健康行動に関する調査委員会報告書<令和3年3月発行>
この資料では、そもそも今どき高校生のネット利用状況がレポートされていた。不思議に思ったのが、なんでゲームの利用時間だけ、こんなに男女間で差が出るのかなということ。平日「約1時間」以上やるのが、男子は7割、女子は3割強で、はっきりとした違いが認められる。
「インターネットの利用時間」も、「勉強・学習のための情報検索のためのネット利用時間」「勉強・学習以外のネットサーフィン・情報検索」「動画・音楽・電子書籍の視聴」「ネットショッピング」のためのネット利用時間は似たりよったりなのに。ゲームは男の子が好むものという周囲の認識による環境要因なのか、もっと恒久的な生物的?な男女差の好みによる違いなのか。この先20〜30年の間に変化が出てくるのか(男女に違いがなくなってくるのか)、ちょっと興味がある。
ゲームほどのインパクトはなかったけれど、コミュニケーションのための利用時間については、女子は「1時間以上」が6割超、男子は過半数(53.0%)が「30分未満」で立場逆転、こちらもけっこうはっきりした違いが出ている。ほぅ。同じアプリを使っているんだけど、男の子はゲームしていると認識していて、女の子はコミュニケーションしていると認識しているとかはなかろうか、などとも思いつつ。こちらも、この先20〜30年で違いが維持されるか減っていくか、どうだろう。
それと些末なことだけれど、「ネットサーフィング」って言っているのが気になった。いつからネットサーフィンじゃなくなったんだ…。
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