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2021-01-05

人に会えるのは生きている間だけ

3年前の年賀メールきりになっていた方が、2年ほど前に亡くなっていたことを昨晩知った。同じ世界に生きながら、私よりずいぶんと複雑な世界に身をおいて孤独に闘っている哲学者のような女性だった。

一人の人間という容れ物におさめるにはあまりに複雑な情報を感受せざるをえない精巧なつくりに生まれついてしまって、それを切り盛りできるだけの優秀な頭脳と精神とを持ち合わせてもいて、だけどもやっぱり人間だもの、いかに優秀といえ大変な苦労をしているように思われた。

私が一緒に過ごした時間はたいそう短く、やりとりしたメールも数少ない。けれど、いつも彼女は自分の本当の言葉を選んで、話して、書いた。そういう日々のことだけでも、大変なエネルギーを使っていたのではないか。手元にある彼女からのメールを読み返してみて、改めてそう思う。自分の本当を全うするって、大変なことだ。だけど、彼女は本当じゃないことを選べなかったのではないか。

今回は、共通の友人が年賀状を送ったことから、ご家族より返事があって、このことがわかったけれど、私のようにメールのやりとりじゃ、ネット上で届かぬメールが右往左往して、いずれ消失してしまうだけ。ぼーっとしている間に2年でも3年でも経ってしまう。

伊坂幸太郎「モダンタイムス」に出てきたセリフが、脳裏に浮かぶ。

あなたはまだ実感ないだろうけど、人に会えるのはね、生きている間だけだよ

そうは言っても、自分が会いたい人誰しもに会えるわけじゃない。大方は、もう会えないのだろうなぁとも思う。だからこそ、自分に時間を割いて会ってくれる稀有な人とは、大事に時間を過ごしたいと改めて思った。本当に限られた、ありがたい機会なのだなと。こんな時勢ではあるけれど。

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コメント

改めまして本年もよろしくお願いいたします。

いつも話している部分もありますが、本当に、人と会うっていうことは、年々価値が高まっていると思います(加齢という点でとくに)。

コロナ禍でそれがより強調されたと言うか、重みが変わったと言うか。無理してはいけないですが、できる形での対面、あるいは、オンラインでの会話って、本当に大事だと思います。

ぜひまた!

馮さん、こちらこそ本年もどうぞよろしくお願いします。
ほんとですねぇ、対面で会って目を合わせて、直接の声を聴いてお話しするのって、何ものにも代えがたい尊いものなんだなって、昨年は心底思いました。
年内に、コロナ禍を脱する見通しがたつといいですね。ぜひ、また!

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