開放、自然、野性、編集、物語り
今年はしんどかったなぁ。一年を振り返ろうとすると、喉がきゅっと締まって、目の奥がぐっと熱くなってしまう。こういうときはあんまり過去を振り返らずに、今やるべきことをやり、未来に目を向けて突破するのが年越しの健全な過ごし方だろうなと思う。
振り返りは、そうだな、10年くらい寝かせるとちょうどいいくらいかな。10年前のそれを思うと、そのくらいがちょうどいいあんばいな気がする。その頃には、どういう形でか軽やかになっていたい。あたたかく、強く、しなやかに生きていたいものだ。
この間、駅前の大きな交差点で地図を片手に困っていそうなおじいさんがいたので、「お困りですか?」と足を止めて声をかけたら、「そうなんです。困ってるんです!」と志村けんのコントみたいな滑舌で返ってきて、田舎から出てきて右も左も分からないと言うので、一緒に地図を見て道案内をした。おじいさんは行き先を把握すると、しゃきっと右手を額にあてて敬礼、「ありがとうございますっ」と言って顔をくしゃっとさせた。
そうだ、こうやって生きていったらいいんだと思う。ダメだダメだと自分で自分の首をしめるようなことをせず、こうやって生きていったらいいだけなんだと。
仕事内容はこの一年で大きく変わり、年末にはだいぶ、自分はこういう役どころで所属の枠組みなく野性的に活動したらいいんだという役割の果たしどころが見えてきた。サラリーマンとして働いていることを弱さとみる人もいるけれど、職業や就業形態といった属性をもって人の生き方や働き方に優劣、強い弱いの評価をつけるのは偏見だよなって、何十回も考えて自己問答して今は思う。
一方で、気を抜くと自分が勤める組織・環境に過剰に内部化してしまって、いわゆるサラリーマンになってしまうっていうのも体験的に思うところあり、それはそれで自分で注意してかからなくてはならない。
また職種や所属の枠組みにこだわらず、縦横無尽に自分の使いどころある所どこでも働くスタイルを追求するつもりだけれど、それによって専門性を磨くことを止めてしまわないように、無個性化していかないように、健全な自己批判とのバランスが大事だ。要は、職種や組織の所属なんて小さい枠組みにおさまってたまるかという野性を大事にしてやっていこうという話だ。人間だもの。
私はデータや数字の取り扱いにめっぽう弱いのだけど、データや数字が情報になるあたりで興味が出てきて、それを編集して知識から知恵へ、それを編集してコンテンツからサービスへ、それを編集してシナリオ立てて人と人をつなぐメッセージへ展開させたいという思いがあるらしく。その辺の総じて編集という役割を期待されることが多いので、そういうゆるふわをいろんなところでつかまえて、いろんなところに分け入って、いろんな人の中にある情報をもらって、自分なりに物語をつむいで提示していけたらいいなぁと思う年の瀬。
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