[共有]一人でもできる、自分の置かれた環境分析シート
少し前に共有した一人でもできる、キャリアの棚卸しシートに続きまして、これまたキャリアデザインに際して、一人でもできる「自分の置かれた環境分析シート」を作ってみましたので、使えそうな機会があれば下のSlideshareからダウンロード→A3紙に印刷して、ぜひご活用ください。
以下、なんじゃそりゃ…という話を少々。
キャリア選択の岐路に立ったとき(例えば転職活動をするとか)、次に自分がどういう仕事をしたいのか、どういう職場で働きたいのかとか、いろいろ整理すると思うのですが、こうした「自分がどうしたいか」から少し枠を広げて、「自分の置かれた環境から、職場に求める条件を整理する」のに役立てる自己分析シートです。
人それぞれに、職場や家庭、関わるコミュニティや社会から期待されている役割があり、負っている責任や義務、果たすべき約束・契約があるものです。親として子どもの育児に関わるとか、子どもとして親の介護に関わるとか、今の職場でも誰かの上司・先輩として果たす役目もあれば、誰かの部下・後輩として果たす役目もあったり。家庭や職場のほかにも、いろいろな役割や、現実問題としての制約条件を、それぞれに持っているものです。
また逆に、周囲から期待できる自分へのサポートもあるかもしれません。親御さんが近くに住んでいて、子育てのサポートをこの程度なら頼めるとか、転職活動にあたって信頼をおく前職の先輩の○○さんが転職先を紹介してくれそうだとか。それぞれに人間関係をもっていて、そこから受ける制約もあれば、支援を期待できる環境もあったりします。
転職活動するなどのキャリアデザインの局面では、自分が今後やりたい仕事を分析する以外に、こうした環境面にフォーカスして、一度改まって自分の置かれた立場を網羅的に書き出してみることも大切です。そうすると、見落としていた職場の前提条件を認識できたり、期待できそうな周囲のサポートに気づけたりします。場合によっては、今の職場がいかに自分が求める前提条件に適った場所かを再認識する機会になるかもしれません。
というわけで、こうした環境分析を行って、自分が職場に希望することや、働く上で前提条件を整理してみようというのが、このシートの役目です。いざ洗い出してみようと思っても、なかなか網羅的に洗い出すことって難しいものなので、そういうのはこうしたシートを使って切り口を提供してもらったほうが、漏れなく効率的に洗い出せるだろうという話です。
できるだけ、いろんな観点から自分の環境に気づきやすいように、項目立てを用意した他、ちょっとした手引きをつけてあります。書き込むのに困っている人がいたら、自分はキャリアカウンセラーとしてどんな声をかけて中身を引き出すだろうかというのを考えながら「こんなことはないですか?」という項目を、手引きとして書きこんでおきました。
こちらの手引きも参考にしつつ、自分の置かれた環境(あなたの前提・方針)→職場への希望・条件(=職場への確認事項)を整理するのに、お役立ていただければ幸いです。
転職活動では、挙がった希望・条件を、転職先を探す際の検索項目に使ったり、選考時に漏れなく面接官に確認を行ったりする際に役立ててください。
また、挙がった条件を1シート上で見渡してみて、絶対条件かどうかを評価して優先順位をつけることで、絶対の前提条件と譲歩できる条件を自分の中で整理するのにも使えるかもしれません。
キャリアデザイン過程において、メインの自己分析って感じではないですが、いろんな観点から自分の前提や方針を洗い出して整理したいときに、ぜひお役立ていただければ幸いです。また使ってみての不具合などありましたら、ご指摘いただければと思います。
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