« 「○○人材の空洞化」問題を語るときの切り口 | トップページ | 大きな街の、小さな親切 »

2019-10-07

答えは、人との対話の中にある

部署異動して1週間。実質は10月に入る少し前から、社内の仕事比率がずいぶん高まっているのだけど、それとあわせて、自分が社内でめちゃめちゃしゃべるようになっていることに驚く。この変化をもって、わりと仕事ががらっと変わった感を覚えている。

体感的には、この1週間で、自分の過去平均1年分の話量に達したといってもいいくらい。前の部署でどんだけしゃべっていなかったんだ…という話だけど、ずっと自分の話し相手は、社外のお客さんや、参画くださる講師の方がメインだったので、社内ではかなり寡黙だったのだ。

今は社内がメインなので、すぐそばにいろんな人がいるし、サポートする対象もいろいろ部署をまたぐし、近くにいる分、あぁしたらいいかな、ここはどうにかしたほうがいいんじゃないかなと、思いつく問題点・仮説・アイデアの量も増える。

取引・契約の云々関係なくさっさとやり始めたり声かけたりすれば進むことも多いので、意見出してなんぼという感じもある。

特に初めは、こちら側が出せるものを全力で出していかないと、向こうも私がどう使いものになって、どう使いものにならないか判断もできないのだろうと思うので自然と、懸念点もアイデアも仮説も言いまくり、しゃべりまくりの1週間になった。狙ってそうしたというより、自然体でそうなっていただけだけど…。

思うところを惜しみなく率直に話して、向こう側の意見も聴きまくって、腹割って話し合って、そこからこれというものを作り出すのが仕事だと思うのだけど、注意しなきゃいけないのは、相手には相手の仕事の流儀や常識というのがあって、いきなり腹割って話し出す人ばかりじゃない。考えることの量も解像度も方向性も違うし、今は自分がまだ見えていない相手に対面していることを重々自覚して、丁寧に論点をすり合わせて話を聴きだしていく、相手のことを理解していくという時間を大事にしないとなとも思った。

最初から思っとけという話だが、わりと野生の勘で生きているので、分け入って相手との対話の中で感じ取って改めるところも多分にあるのは仕方ない。これからちょっと心がけていこう。

自分が思うことが絶対じゃないし、意見を出しているだけなので、もっといいアイデアがあるかもしれないし、私のはヘタレな考えの可能性も十分にある。それでも、そのボールを投げてみたことをきっかけにして議論が深まったり、論点が整理されたり、新しいアイデアが出てきたりすれば御の字だ。

だけど、ぱっと思い切って出した意見が、「じゃあ、それで」と、そのまま通っちゃうようであれば、やり方を変えたほうがいいかもしれない。私が論破したいと思ってわーわー言っていると思われては、相手が私を勝たせてあげなきゃと思って引いてしまうかもしれないし、これまでのその人の仕事環境、仕事相手、その人が大事にしていること、大事にしていないことによって、私のふるまいの受け止め方もさまざまだろう。よい話し合いが深まるように、よい答えが生み出されるように、相手との対話の中で、自分のふるまいを見直していかないと。

先日、仕事の下調べでちょっと生身のマーケターの話に触れたいなぁと思っていたところにイベントの案内を見かけたので、「多様化するマーケターのキャリア」と題するイベント(*1)に参加してきた(といっても、前半のパネリストのお話だけ聴講して失礼した)のだけど、そこで登壇者の立川麻理さんから、こんな言葉を聴いた。

答えは、人との対話の中にある。
自分の過去の経験の中に閉じないこと。

確か、彼女が最近ドイツに足を運んで参加してきた研修か何かで学んだことだと言っていた気がするけれど(うろ覚え…)。ともあれ、今の自分に響く、いい言葉を聞かせてもらったなと温かく胸に残っている。

自分の中に閉じていないで、答えを相手との対話の中に見出そうとする姿勢を、新しいクライアントを前に、誠実にやっていこうと思う。

*1: SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYAとの連動企画で、マーケターキャリア協会が主催したMCA Meet Up #02 。2019年9月18日の晩に渋谷ヒカリエ内で開催

« 「○○人材の空洞化」問題を語るときの切り口 | トップページ | 大きな街の、小さな親切 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 「○○人材の空洞化」問題を語るときの切り口 | トップページ | 大きな街の、小さな親切 »