組織も個人も「分業型ー統合型」行ったり来たり
Creative Villageのネットイヤーグループ シニアアートディレクター・金 成奎さん×Webデザイナー/コンサルタント・長谷川 恭久さん対談 現在のWebデザインとUI/UX、課題と今後の理想形を拝見してのメモ。
長谷川恭久さんが期待を寄せる「分業化」への流れは、「デジタルデザインはスケールがより大きく、複雑になってきているのに加え、スピードも求められるようになり、分業せざるを得ない状況」ゆえという背景事情を前提におくと、確かになと思う。
一方で、あえて分業化の功罪の「罪」のほうにも目を向けると、変化が激しい時代に、専門外の経験をはなから排除していくキャリア形成になってもどうかなと思ったりする。
そこは、長谷川恭久さんも「若いうちはいろいろなことに挑戦すべきですが」と添えている通り、あまり分業化されていない環境で上流から下流までいろいろ挑戦できる職場も、それはそれで有用なんだろうなと思い。
とすると、つまり職場にも「分業型のところ」「統合型のところ」と両方が市場にあって、自分のキャリアステップに応じて、
(1) 統合型の職場(で、駆け出しのうちはいろいろ経験する)
(2) 分業型の職場(で、(1)で見出した自分の極めたい専門性を磨く)
(3) 統合型の職場(に戻って、専門性×マネジメント力とか別の専門性とかを掛け合わせて、複数のスキルの統合を図り、自分のキャリアのユニーク度を高めていく)
という感じで、行ったり来たりしながら個々人がキャリアステップを踏んでいける職場選択ができると良いのかもしれない。言うは易しだけど。
そう考えたとき、今は専門性を磨ける分業型の職場が国内に少ない(超すごい人の席しかない)ので、そこが日本も充実していくといいという期待なのかなぁなどと思いながら読んだ。
あと、国内市場だとやっぱり、「狭い範囲しか任せられない人は、たとえそこだけは優秀にできても採用できない」感じが結構ある気もするので、やっぱり最初の下地づくり(1)は、すごい大事なんじゃないかなぁなどなど。変化が激しい時代背景も鑑みると、この下地なしに変幻自在性を高く保つのは、すごく難しい感じがする。
個人だけでなく、組織もまた、成長フェーズによって分業型をとる時期、統合型をとる時期というのがあるし、同じ社内でも事業部門や拠点によって型を変えていることもある。そういうことだから、個々人も必ずしも(1)(2)(3)の都度、別の会社に転職しなきゃいけないわけじゃない。
全然あさっての方向に向かって話を展開しているかもしれないけど、興味深く拝読しつつ、思ったこと考えたことメモ。
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