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2019-06-30

アイヒマン実験をトリガーに、組織の「分業化」を見直すスライドを作ってみた

もうだいぶ前に読んだ本なのだけど、山口周さんの「武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50」*の中で、とりわけ印象に残ったものの1つが「権威への服従」というお話でした。

この本では、知的戦闘力を最大化する50のキーコンセプトを挙げて、概念の解説、そこから得られる示唆、ビジネス現場に立つ読者への問題提起が、山口周さんのシャープで分かりやすく熱っぽいメッセージを含んだ言葉で綴られています。すごく読みやすいし、面白かったです。

その12個目では、「アイヒマン実験」と呼ばれる、アメリカの社会心理学者スタンレー・ミルグラム氏が1960年代に行った実験を紹介していて、人は自分の権限が弱い環境では、他人に責任転嫁をして、非人道的な行動に手を染めてしまう性質を突きつけます。

ナチスによるホロコーストは、「過度な分業化」によって成し得たとも言われます。悪いのは私じゃない、私は指示に従って〜をやっただけ、みんなやっていた、悪いのは指示を出した側…。この分業に携わる人が大勢になると、底知れない力を発揮します。

組織の分業化は、構成員それぞれの強みを活かして生産性を上げたり、誰かが休んでもまわせる安定性を高めたりと、良い効果を狙って導入されるものですが、その一方で、過度な分業化が生み出す弊害もあります。

この辺の話を人と話しこみたいとき、「アイヒマン実験」の要旨を紙芝居のような体裁でさっと共有できたらいいのに…と思ったことがきっかけで、これを含んだワークショップ用のスライドを作るに至りました。

90分でワークショップ:アイヒマン実験をトリガーに、組織の「分業化」を見直す

が、ワークショップに関しては、こういう展開もできるかもな、有意義かもなという思いつきで後から加えたもの&休日に気をぬいて起こしたものなので、いい加減といえば、いい加減な仕上がりです。

ただ、この「アイヒマン実験」を話のとっかかりにして、いろいろ人と話し合ってみるというのは、なんとなく有意義な気がするのです。なので、「アイヒマン実験」について紹介している6〜33スライド目だけ抜き出してでも、お時間のあるときにざざっとお目通しいただいて、「このネタで、この人と話しこみたいなぁ」という場面が巡ってきた折りには、上のスライドにアクセスしてお役立ていただければと思います。

*山口周「武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50」(KADOKAWA)

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