「6つのホランド・タイプ」からの自己理解ミニワーク
キャリアの著名な理論家の一人にジョン・L・ホランド(Holland,J.L.)という人がいて、「6つのホランド・タイプ」を提唱した人として知られる。
ホランドは人の基本的性格を6つのタイプで表した。職業や職場、大学の専攻科目といった環境も、同じ6つのタイプで説明できるとして、これがマッチすると、個人はその環境に満足と安定を感じるし、環境(例えば職場)に対する貢献度も高まると考えた。
6つのタイプが表す基本的性格というのは、人の興味や能力、価値観を表すものだ。
- 現実的(R: Realistic)
- 研究的(I: Investigative)
- 芸術的(A: Artistic)
- 社会的(S: Social)
- 企業的(E: Enterprising)
- 慣習的(C: Conventional)
これには2つの前提が置かれている。
◆人は通常、「3つの性格タイプ」の組み合わせとして表すことができる
◆どれか1つが強く、あと2つのタイプはそれほど強くない
ということで、自分はどうかなぁというのを検討するワークシートっぽいものを作ってみた。ここで自分が選ぶ3つ(強い1つ+それほど強くない2つ)で、自分のスリー・レター・コードを導き出して自己理解に使うとよろしい、ということで、次のような案内テキストを入れて、簡単なシートにしてみた。
次の6タイプの【好む活動】【高い能力】【性格特性】を読み比べ、自分に「最もフィットするタイプ」を1つ選んで◎を、「どちらかといえばフィットするタイプ」を2つ選んで○を記し、「これは違う」と思うタイプには/を引いてください。
ちなみに、この6つは適当に並んでいるわけではなく、六角形の角が隣り合っているものは類似性が高く、離れているものは類似性が低いというふうになっている。
実際、自分でやってみると、一つおきで3つ選択する結果となり、バラバラ感が半端ないのだけど…。自分に照らして吟味してみると、人間とは複雑なものであるな、としみじみ思う。
昔やったときと違うなぁ、ホランドのタイプは後天的に身につけた性格を前提にした理論なので、やっぱり変化するんだなぁというふうにも思った。
また、それぞれのタイプの説明を読むと、この部分はそう思うんだけど、この部分は違うみたいなところもあって、3つ選ぶとなると難しかったりする。
でも、「そこをなんとか!」と一人芝居で押し切って、「えいっ」と、Aランク1つ、Bランク2つに内々で決めてみるのも、なかなか面白い心の体験である。やっぱり居心地悪いと思えば、変えてみてもいい。誰も文句は言わない。
一方で、タイプ分けにこだわらず、タイプごとに書かれている【好む活動】【高い能力】【性格特性】から、それぞれに気になる、自分っぽいキーワードを拾ってみて、自分のオリジナルな人物像をえがき出してみるのも良い。自己理解を深めるためにやっているのだから、タイプ分けにこだわる必要はない。
そういうことをぶつぶつ考えながら、私が勝手に思いついた軸としては、タイプ分けがうまくできないにしても、次の観点ではわりと「自分は、どっち寄りか」って考えやすいかなというもの。私が勝手に思いついただけの軸なので、ご参考までに(これもシートの下のほうに入れておいたけれど)。
自分は、どちら寄りか
◆人を相手にする仕事 ⇔ 物を相手にする仕事
◆チームで仕事をする ⇔ 一人で仕事をする
◆実体あるものを扱う ⇔ 概念・抽象的思考を用いる
◆ゼロからイチを生み出す ⇔ 1を秩序立てて軌道に乗せる ⇔ 10を守り運用する ⇔ 10を100に育てる・改善する
自己洞察に使えれば、まぁいいのである。
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