春風ふいて、淡々と
今週は、しばらく待ち状態にあった案件が、まとまって動き出した。
私は一つのことが起こると、それと他との関連性や、それを包含する全体の動きに想いを馳せるほうで(なんだそりゃ)、火曜にお客さんから連絡が入ったときは「おぉ、これは他の待ち案件も動き出すか⁈」と、やっぱり思ってしまった。
が、そういう自分の思考のクセは重々承知しており、仕事場面では根拠のない関連づけや拡大解釈に自制を働かせるクセもある程度ついているので、早合点を退け、居住まいを正し、連絡をくださったお客さんの対応を静々と進めた。
すると木曜に、提案を出していた別のお客さんから連絡がやってきた。再び「ほれ、やっぱりいい風吹いてるんじゃないの?」と、まずは思ってしまう。一旦そう思っちゃうくらいは、まぁいいじゃないか。
2社とも、こちらの出し物を提示してから、そこそこ期間が空いていたので、音信不通のしばらくは「あぁ期待に応えられなかったのかなぁ」と最悪の評価を想定範囲内に入れて過ごしていた。限りなく最悪の事態を想定範囲内に入れておくのが、ディレクターの務めである。
まぁでも、今の自分の精一杯を出して提示していたから悔いもなく、それが役立たないなら、そりゃもう力及ばずってことで仕方ないと腹はくくれており、「自分の力量に対する評価を正面から受け止めて、今の自分が役立てることをやりながら、コツコツできることを増やしていくほかあるまい」と、他の案件にあたりながら静かな心で暮らしていたところ、やってきた反応が2つとも良好なもの。うぉっと両手で受け止めて、まずは胸をなでおろした。
それにしても、何の関係もない2社から同じ週にまとまって反応があるなんて、やっぱり今週は物事が動き出す風が吹いているのではーと、私の中の小人Aが軽やかに歌う。
すると、小人Bが淡々と説き伏せる。いやいや、どちらも年末年始で期が変わる会社でしょ、年末から年始にかけてこちらが提示したものを、先方が社内でもんで、上層部の決裁を取りつけて1月末。2月から具体的な今期の活動を計画して外部に連絡をとりだすと、2月半ばの今週にまとまって連絡がやってくるって、いたって普通でしょう、風とかそういうの関係ないでしょう。
そんなAとBのやりとりを微笑ましくみている小人Cというのもいて、どっちかねぇ、どっちとも言えないねえ、でもまぁ一つの思いこみで凝り固まるより、解釈はいろいろあったほうが健全よね。偶然か必然かなんてのも、同じ対象を指して、人が自分の都合にあわせて名前つけかえてるだけでしょう。なんて言いながら、何はともあれ、いい形でいろいろサポートしていけるといいよねぇなどとお茶をすする。
その間にも小人Aには、「でも、これで明日もう一つ別のお客さんから連絡が入ったら、ちょっとおもしろいよねぇ」という頭がある。それが今日のお昼に本当に起こって、また別のお客さんから連絡があった。こちらも年始にやりとりして、先方社内での検討を待っていた案件だ。
なんだかんだ3つも1週間にまとまって、向こうボールが戻ってきた。この集中を、どう解釈するかって、こんなだらだら書き連ねているわりに、これといった本命の解釈をもっておらず、一つひとつ、いい仕事ができるといいなぁ、頑張らないとなぁという金曜の晩の着地なのだけど。とにかく今週は、わぁっと春風がふいて、空気が動いて、新しいタームが始まったような感じ。そこを淡々と歩いていく。
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