ヒートテックから綿に
人はひょんなところで舵を切るもので、私はMRIの検査を受けた後、肌着をユニクロのヒートテックから無印良品の綿に、総入れ替えした。総入れ替えといっても、1200円くらい×数枚の話なので、1万円いかない支出ではあるのだけど。
私は体のこと、美容・健康のことにはずぼらなタチで、「これは肌にいいか悪いか」とかには無頓着だし、「乾燥肌ですか?」と訊かれても自分の肌がどんな按配なのかよくわからず「どう思いますか?」とお店の人に訊き返すレベル。
ただ大変な寒がりであることには昔から十分な自覚があるので、「あったかいというなら買いましょう!」ということで、ヒートテックが流行りだしたときから、肌着はユニクロのヒートテックを買うように。それから十数年間?同じものを買い換え続けてきた。
総入れ替えのきっかけを作ったのは、先月頭が痛くなって受けたMRIの検査だ。ヒートテックの着用はNG、検査着に着替えて受けてくださいと検査技師に言われて、これまで普通に身につけてきた肌着が特別なもの、特殊な物質に見えた。
とはいえ、そのときは頭痛の原因が気がかりでそれどころではなく忘れてしまっていた。少し後になって、お客さんと会食している席で、MRIでヒートテックがダメだった話をしたら、そこで「やはり綿が良い、無印は良い」という話を受け、ほぅ…という印象を持ち帰った。それで、なんとなく、急に綿の肌着に切り替えてみる気分になった次第。
カガクにもオーガニックにも肩入れしていない、その辺の移り気な消費者とは、こういうものであるよな、と思う。ちょうど手持ちのヒートテックもだいぶくたびれていて(なのでヒートテック的な機能は果たしていなかった…)、手放すのに躊躇もなく、今年新たに買い足した新品もなかったので入れ替え決行。
それで、入れ替えてみてどうかっていうと、そこはよくわからないタチなので、よくわからない…。「ヒートテックより綿のほうが自然な肌触りでしょう!」と言われたら、「そうですね、そんな気もします」と言うような、一方「科学的な見地で言うと、そこに人は違いを見出さないはずですよ」と言われたら、「そうですか、そんな気もします」と答えてしまいそうである。
まぁでも、良いのではないかしら。とりあえず歳も歳だし、綿が好ましい頃合いなのではないかということで一件落着。しばらくは、これでいこう。
なにかを切り替えるときって、なんだかんだ、結局のところ、人生の中で一瞬のことなんだな。長いつきあいがあっても、あるところで、ぱたんと切り替わってしまう。風が吹いて。あっけないと言えばあっけないし、味わい深いと言えば味わい深いし。さようなら、ヒートテック。
追伸:しかし売り場でぼーっとみているかぎりは商品がたくさん並んでいるので気づかないんだけど、よくよく見てみると売れ筋は取り合いなんだな。いまや新宿の無印では、綿の八分丈の黒やグレイのMサイズの肌着がすっからかんなのだ。同種のものは束になって陳列されているので気づきにくいが、そのどれもがLやXLなどのサイズ違いで、Mは白しか残っていない。ひと月前にはけっこう在庫があったんだけど、2週間前に買い足しに行ったらもうなくなっていて、この週末行ってみても追加されておらず品切れ状態。新宿の別の店舗に行っても同じだった。黒やグレーのMサイズって人気で品薄のようだ。服のことはほんと、ぼよーとしてほとんど気にせず暮らしているので、目立たぬところでこんな争奪戦が繰り広げられているのかと新鮮な体験をした。
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