イベント出演録というか、奥手の奥義
昨日は、DeNAさん主催「Game Developer's Meeting」シリーズのゲームクリエイター向けキャリア勉強会Vol.2に登壇。4月にVol.1でお話しさせていただいて、引き続き今回もお話しすることに。私のお題は、クリエイティブ現場の若手育成。
定員60名のところ、早々に70名様の申込みをいただいて締め切り。シリーズ展開していることで、他の回に参加した方もいれば、今回初めてGDMに参加したという方もけっこういらして、当日は大変盛況でした。
Game Developer's Meeting (GDM) ゲームクリエイター向けキャリア勉強会Vol.2
http://gdmcareer02.peatix.com/view
私の話もなんとか無事にまとまり、後半のMeetUpで交流させていただいた感じだと、まずまず好評だったよう。講演内容を肴(さかな)に、現場の皆さんの人材育成に関するお話をたくさん伺うことができて、たいそう有意義に過ごすことができました。
私はどうにも「裏方が本業」という意識が強くて、表舞台に立つときは毎度おっかなびっくりです。まぁ実際、圧倒的に自分の人生の時間を割いているのが裏方仕事っていうのもあるのですが、性格的に奥手、人見知り、引っ込み思案、臆病者、内気、出不精と、そういった言い訳言葉はつらつら浮かんでくるタチなのも、その背景にあります。
ふだん手がけているクライアントさん向けの社員研修で、講師が話す前後にちょい役で話すことはわりと頻繁にあるのですが、それはあくまで脇役、合いの手。数十分や数時間まとまった話をしてその場をリードするというのは全く別物です。ふだん講師業務はそれぞれの専門家に委託しているだけに、自分には分不相応なのではないかという思いが出てくる心の動きを止められません。
止められないものの、頭で考えると、何が本業だとか言って、自分で自分の枠組みを下手にくくるものではないということもよくわかっている。そういうふうにして、せっかくいただいた機会を無にするのは「違う」なぁと思うので、まれにお話をいただくと引き受ける。
そこで、頭が心に言い聞かせる。別に立派な人じゃなくたって、そのテーマで自分から出せるものを共有して、それがきっかけで、参加してくださった方が考えたり振り返ったり、何か持ち帰れるものがあれば、それでいいのだと。
しかも、私が話すのは「仕事の教え方」だとか「人のキャリア」だとかいう類い、絶対の「こうだ!」という答えがあるような話じゃないのだから、話題提供をして、みんなでわいわい話したことが有意義だったら、それでいいのだ、それがいいのだと。
そうやって、頭が心に説教して度胸を据わらせるわけです。心のほうは、そうか、そういうふうに考えれば、自分は脇役のまま登壇することができる、あくまで私は参加者が本編で話を深めるためのネタ提供者なのであると。これは心の落ち着きを得るのに、だいぶ効果的です。
そうして、参加者が後に交わす話のネタになるように、たとえ初対面の人同士でもすぐに「さっき講演の中で出てた、あの話さー」というところから一気に深い情報・意見交換ができるように、自分の話すことをあれこれ考えます。
それで実際イベントでお話をさせていただいた後、そういう光景が見られたり、自分も輪の中に交わっていろいろお話しさせていただけたりすると、あぁ良かったなぁと。今回もMeetUpで、皆さんが自分の育て方の悩みとか、自分はこういうふうにやっているとかって意見交換しているのをみて、また私も話に加わっていろいろお話しできて、あぁ良かったなぁと思いました。
経験を重ねても肝っ玉は小さいままで、こうした機会をいただく度、本番直前に足がつったり、身の周りの空気が薄く感じたりを繰り返しているのですが、まぁお手洗いが近くなるよりはいいのかもしれません。
それで今回やってみて思ったのは、肝っ玉が小さく奥手な人間ほど、思いきって話し手を務めちゃうと、その後の交流会でみんなと話しやすくていいなぁということ。
奥手な自分が、交流会からいきなり、その場にいる参加者の方々と関係づくりをして、意見交換を繰り広げるというのは相当に難儀です。それより最初に自分の知っていること、そのネタで共有したいこと、思いとか考えとかしゃべっちゃって、それに意見をもらえたり、それに興味ある方にお声がけいただくとか、そこから徐々におしゃべりの輪が広がっていくとか、いやぁ、ありがたすぎる…。
だからこうしていこうという教訓は何も得られない心のうちですが、今回も前回も、別のイベントで少しお話をさせていただいたときにもこれで救われて、有意義な交流をもたせていただいたので、なんとなくメモに残しました。まぁ、やっぱり基本は裏方が合っている人間なんだなぁとも毎度思いますが…。
昨晩もほくほくした気持ちで帰途に着き、ご参加者の皆さま、主催者の皆さまに、心から感謝しています。ありがとうございました。
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