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2017-03-07

内示を受けているときの頭の中

組織改編の時期、私も2月末に上司に呼ばれて内示を受けた。ここ数年、会社的にはいろいろありつつも、私自身はもう何年も同じ部署・同じ肩書きでやってきたのだけど、今回は久しぶりに異動となった。

といっても、所属している「キャリアデザイン部」ごと、事業部門から管理本部に移るというので、それについていく恰好。個人の配置転換というより、組織改編に伴う人事異動という感が強い。

名刺も「○○事業部」とか「管理本部」とか入っていないので、4月以降も「キャリアデザイン部トレーニンググループ」という、これまでと同じものを使うことになるだろう。

とはいえ大枠の所属部門が変わるということは、期待される役割も少なからず変わるということ。とりわけ私のように(何かの専門分野を内にもつコンテンツホルダーでなく)何らかのシチュエーションを外から与えられてそれを編集するような役回りの人間は、「どこに所属して誰に向かって仕事するか」の変更に影響を受けること大とも想像する。

今後は、一般クライアント案件より内部向けの比重が大きくなり、もっと長期的なスパンで組織内の人材開発を担っていくことになるのかしら。まだ、直近で何に注力したいか、先々どう展開させたいかという組織的意向を詳細には確認していないし、どこまで詰めているかもわからない。

「中の仕事」より「外の仕事」のほうが性に合うと思っているところがあって、今は、内側の仕事にどう向き合えるか、不安もないわけじゃない。どれくらい独立的に仕事ができるか、どれくらい決済能力と権限ある人を巻き込めるか、どれくらい案件一つひとつを通じて自分が成長実感をもてるか、やれることを増やせるか。

いろいろ気がかりだけど、いい歳だし、そこも含めて力の鍛えどころということなのかもしれない。基本的な指針が折り合うかぎり頑張りたい…。あと久々の席替えが待っているのも気がかり。今くらい奥まったところの静かな席に移れることを日々願っている。

このところはクライアント案件も立て込んでいるわけじゃなかったし、私自身も「研修サービスという枠組みを取っ払って、組織的なパフォーマンス改善にどう貢献するか」って、もう一つ広い枠組み(あるいは、もう一歩踏み込んだソリューション)にフレームをさしかえたいかも…と思っていたところなので、ちょうどいいタイミングなのかもしれない。

やり方と環境次第では、外のクライアント仕事より新しい領域にチャレンジさせてもらいやすいかとは思うし、内情も深掘りして把握しやすい。そこで「組織のパフォーマンス改善」と「個人のキャリア開発」をうまく掛け合わせて成果を出せるようになれば、まずは社内への貢献、その経験をもって外のお客さんの役に立てる領域も広げていけるかもしれない(今でもご相談ウェルカムですが!)。

Web分野にとどまらず、自社グループが手がけるゲームや映像編集系の業界知識もたくわえて、自社→グループ各社→一般クライアントへと、クリエイティブ業界を中心に人材開発とかパフォーマンス改善に貢献していける戦力を磨いていけたら、それは私個人にとっても会社にとっても、きっと良い道筋だ。

私はわりと、機会に乗じて身の振り方を考える受け身(だけど前向き)キャリアデザイン戦法なので…、この機会をうまく活かして専門性を高めていけるといいかなぁなどと思いつつ、内示を聞いた。

会議室で内示を受けている最中というのは、だいたいこういう組み替え作業を頭の中でごちゃごちゃやりながら上司の話を聴いている気がする。自分が今関心を高めている領域と、今ふってきている環境変化と、どう組み合わせたら組織的にも個人的にも建設的な枠組みに収まるかしらとか。その枠組みの中で、直近一年くらいをどんなステップとして意味づけると有意義かしらとか。

ちょうど「パフォーマンス・コンサルティングII」(*1)も読み終えて、自分がこれまでやってきたことの延長線上に「今後掘り下げたいこと」が具体的にイメージできてきた頃合い。あとは実践の場をもっと増やして、調査・分析の経験を積む段階かなぁと思っていた矢先でもある。

「時間がない」「スキル不足」「人手不足」あたりを問題点に据えたところで立ち往生している組織があるとすれば、そこにどう介入して、組織的な問題構造を調査・分析していけるか。ここら辺を形にして、きちんと役立てるようになれたらいいなと思う。

並行して、これまでどおり「実務スペシャリストが講義して教える」だけでは成しえない効果的な学習の構造設計も増強していきたい。実務スペシャリスト(講師役)の良いサポーターとなって、クライアントの実務に直結させた演習作りとか、効果測定・検証、継続施策への展開、実践スキルとして定着する職場環境づくりなど、専門性を磨いて手がけていけたらなと思う。

あとは、研修以外のアプローチも含めて、分析後の対策を具体的に提案できるようになるためには、人事系のいろんな専門家とのネットワークづくりが必要になるだろうとも思う。これが、わりと苦手領域で難儀だけど…。

従業員のパフォーマンスが発揮されない要因が、「個人のスキル不足」1点に限定されることは稀だ。要因が一つでないなら、ソリューションだって単一ではないわけで、そこにきちんと関わって専門的に調査・分析、企画・提案、設計・開発、実行・評価していける力を磨いていくには、自分のやり方にも見直しが必要ってことだ。できるところから、にょろにょろ変えていこう。

*1: デイナ・ゲイン・ロビンソン、ジェームス・C・ロビンソン著「パフォーマンス・コンサルティングII~人事・人材開発担当の実践テキスト~」(株式会社ヒューマンバリュー)

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