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2016-05-22

大規模な展示会の歩き方

先週は、3日間の会期で催された第7回教育ITソリューションEXPO(EDIX)に行ってきた。会場が東京ビックサイト、出展社が680社といった大規模な展示会に足を運ぶのは、前の記憶がたどれないくらい久しぶり。ああいう情報が大量に一気に投下される環境って、自分の処理能力がおっつかず得意ではないため長らく足が遠のいていたのだけど、友人が出展するというので、久しぶりに行ってみようかなぁと思い、会期中の初日(2016.5.18)に都合がついたので終日参加してきた。

とはいえ前述の苦手意識も相まって貧乏性が働き、事前にセミナー受講の予約を3つしていったため、展示会場はそんなに落ち着いてまわれず。セミナー会場が2棟先の別ビルだったりもして、セミナー会場と展示会場の2往復で1時間近く使った…。その日一日で10km以上歩いていて、良い運動になった。

展示会場は、eラーニングのプラットフォーム系、デジタル教材コンテンツ系、学校業務支援系、障害者向け支援ツール系、セキュリティや災害対策系、ICT機器系など、ゾーンに分かれていたけれど、プラットフォーム系も「コンテンツも作ります」だし、学校系も「法人にも提供しています」だし、どこも「いろいろやっています」なので、こちら側がまずは自己紹介して自らの立ち位置を表明し、何を知りたいのか話題を絞り込んでいかないと埒が明かない。

というので、eラーニングのプラットフォーム系のブースで、自分は法人向けに研修コンテンツを作って納めるところを専門にしているので、案件によっては必要となりうるプラットフォームサービスの協業先の情報収集をしているなどと、その場でこしらえたような理由を述べて、そっち系の話を聴く。

どんなお客さんに売っているのか。やっぱり従業員数の多いところとか、拠点が全国や世界に点在しているとか、毎年行う研修コンテンツを数十抱えているようなところが多いのか?どんな見積もりで?期間で契約するの?など、あれやこれや質問したりしていると、1社で15~20分くらい経っている。2社それをやってしまうと、もう30~40分経っていて、セミナー会場に向かわないと間に合わなくなって、急いで数キロ歩いて移動。

という感じで、全然立ち回りがなっていない。大規模な展示会にそぐわない…。やっぱり、ああいう場での仕事能力の発揮は難易度が高いなぁと思いを新たにした。あんな、わーっとした環境下で自分の嗅覚を頼りに欲しい情報を探り当てて能率よく情報収集したり、分析的に展示をみて質問したりとか関係づくりしたりとか、どう考えても難しい。まぁ、さして明確な課題をもって出かけていないからというのも、そもそもあるのだけど…。

というわけで振り返ってみるに、やっぱりセミナー受講を中心に組んでおいたのは、自分に合っていて良かったんだろう。職業柄、こうしたセミナーを作って人に提供する裏方としては、いろんなタイプの登壇者のパフォーマンスを見て目を肥やしておくのは大事なことだし、大規模な展示会ともなると、なかなか普段お目にかかれない方のお話を聴くこともできる。

ひとりのお客さんとしてイベント会場に身を置くのは手持ち無沙汰で苦手だし、どちらかといえば静かな環境を好み、イベント会場に足を運んでばかりいると自覚症状なきまま「仕事してる気になってるだけの非生産的人間」に堕してしまうのでは…という不安にかられて、なかなか頻繁には足が向かない。が、そっちに偏りすぎても、それはそれでバランスが悪い。ほどよく、多様なタイプの人の講演・講師活動には触れていきたいところ。

今回は、ソフトバンクのエヴァンジェリスト中山五輪男(いわお)さんと、DeNA会長の南場智子さんの講演を拝聴できたのが大変良かった。とりわけ、今回初めて直接お話をうかがった南場さんの講演は、裏で組まれた構成はシャープで、ポイントとなる言葉も選択的に厳しく発せられる一方で、人の心に訴えかけてくる柔和な壇上パフォーマンス。このバランスの妙を直接味わえただけでも良かった。数百人の聴講者がいたので、ほんと遠くからお話を伺っただけであるけれども。

もう1つ事前予約していたのは、これだけ有料セミナーだったのだけど、どうもぼやっとしていた。それはそれで、なぜぼやっとした印象だったのか、それは私だけなのか聴き手の多くにとってそうだったのかと分析的に見ていくと、これまた刺激的で良い体験となった。セミナー自体がやや期待はずれでも、別の意味で有料の価値を味わえるのは役得である。めでたし、めでたし。

※次の2つのセミナー受講メモは、リンク先にて。

Pepperと子どもたちが「学び合う」、未来の教室
中山 五輪男 氏(ソフトバンク/ソフトバンクロボティクス 首席エヴァンジェリスト)

「間違えない達人」から「うねりをつくる人材」へ ~子どもたちにプログラミング教育を~
南場 智子 氏(ディー・エヌ・エー取締役 会長)

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コメント

大規模展示会は回り方考えますね~

僕はたいていランチのタイミングで会場についてランチ中に行きたいところや聴きたいセミナーを調べたりしています。

あと,同じ業界に長くいると,同じ展示会を数年スパンで見比べると,業界の変遷が(なんとなく)わかっておもしろいですよ。

今回の教育ITソリューションの場合,一昨年ぐらいからICTのデモが増えていた一方で,去年なんかはまだまだ実際の授業のシーンを想定していない,ツール・プロダクトありきのデモだったのが,今回は,実際に導入した学校のデモや,授業のシーンを(とくに先生目線で)デモしていたのが印象的でした。

あと,今年はやっぱり国家事業としてICTが打ち出されたので,テレビ・新聞の取材が多かった,っていうのも,メディア目線での印象です~
(なのでそれ向けの発表も多かったんじゃないかと想像w)

馮さんはノウハウたくさん持ってそう!!
確かに数年スパンで同じ展示会を見られると、その変化がみられて面白いですよね。
私も、これまでe-learningのプラットフォームといえば、「PC前提の、モバイルにも対応してます!」インターフェイスだったのが、今回はいわゆる「モバイルファースト」なインターフェイスのサービスを見つけて、ほぅっと思いました。
そうそう、テレビ取材とかも、けっこう見かけましたね。
展示会って、参加者によってつかむ情報が違うから、参加後の情報・意見交換も面白い要素なんでしょうね。
馮さんの印象、大変興味深く読みました!コメントありがとうございます。

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