« 大規模な展示会の歩き方 | トップページ | [EDIXメモ] 「間違えない達人」から「うねりをつくる人材」へ ~子どもたちにプログラミング教育を~ »

2016-05-22

[EDIXメモ] Pepperと子どもたちが「学び合う」、未来の教室

前書きは一つ前の話(大規模な展示会の歩き方)に…ということで、早速第7回教育ITソリューションEXPO(EDIX)内で開催されたセミナーの受講メモ1/2。

Pepperと子どもたちが「学び合う」、未来の教室
中山 五輪男 氏(ソフトバンク/ソフトバンクロボティクス 首席エヴァンジェリスト)

●ソフトバンクはPepper以外のロボットも販売していく(Musio)
ソフトバンクは人工知能を搭載したPepperを開発・販売している。これはよく知られるところだが、AKAが開発したMusioという英語学習を目的とした人工知能搭載ロボットも、今秋より販売していく。Musioは学習者の顔認識もでき、過去のやりとりも憶えている。Pepperだけでなく、世界のさまざまなロボットを販売して家庭に広めていきたい考え。

Musioが子どもと英語でコミュニケーションしている動画が流れたが、この会話をしているときは「クラウド上にある人工知能ーWifi経由ーロボットー子ども」とつながっていて、ロボットの目の部分に位置するカメラが子どもの顔をとらえて、人物を見分けたり、表情をとらえたりでき、機械学習していくという。

ちなみに、Musioは72,000円、英語学習用のキットのような材料が12,000円、今は先行販売でセット価格75,000円とのこと。今秋より正式に販売を始める予定。法人のお財布で考えると、そう無茶ではない価格設定か。

同志社大学や京都大学でもロボットの実証実験を展開しており、これを今後は高校、中学と広げていきたいとのこと。

●Pepperアプリの開発・活用事例
最近のPepperアプリを開発・活用している企業を挙げて、いろいろ事例紹介してくださったメモ。

◇ベネッセ・コーポレーション(Pepper導入)
現在5台購入していて、最近展開しているリアル店舗(エリアベネッセ)をまわって全国各地をまわっているそう。子どもたちも、大変喜んで集まってくるという。

トライオン(ペッパーえいご)
もとはソフトバンクの孫さんの秘書・カバン持ちをしていた三木雄信さんが立ち上げた会社。Pepperを活用した「ペッパーえいご」アプリを開発。

◇アップフロンティア(かたりべ)
幼児向けに、先生が紙芝居を作ってPepperで読み聞かせできる「かたりべ」というPepperアプリを開発。スマホで撮った写真なども取り込んで、紙芝居の絵に使える。

◇ジーアングル(Pepperホームステイ)
映像・動画制作やナレーション制作・収録など手がける会社で、社内にスタジオ有り。こちらは大人向けの語学学習を用途として「Pepperホームステイ」アプリ開発を手がけた。家庭でPepperがそばにいて、英語でコミュニケーションする、日本にいながらホームステイ感覚で仮想英語環境を手に入れられるというもの。

ただ、このアプリは今のところ人工知能を用いず、管理者側であらかじめシナリオを作ってアプリに登録しておき、人の反応に応じてPepperが返答を変えるというもの。これを前提にすると、現状の役立て方としては、このシナリオ作成を教え手が作るのではなく、学び手が作って登録するようにすると、楽しみながら学べそうという話。20カ国以上の多言語対応が可能とか。

◇エクスウェア(ペップレ)
「Pepper+iPad+ディスプレイ」を1セットとしてプレゼンを実現するペップレというアプリを開発。iPadが頭脳となり、画面に表示したいものは大型ディスプレイに表示しながら、Pepperが身振り手振りでプレゼンできるとか、そんなだった気がする。

※この辺はソフトバンクロボティクスのデベロッパーポータルサイトのショーケースでまとめて見られそう。

◇ペッパーアプリ開発ツール「Choregraphe」(コレグラフ)
フランス産のペッパーアプリをビジュアルプログラミングで簡単に開発できるツール。文科省が2020年度を目処に、小中高でプログラミング教育の必修化の検討を進めており、これに、こうしたロボットアプリ開発ツールを取り入れると、楽しく学べるのではとの提案だった気がする。

これは軽くデモをしてくれたが、手軽に始められそうで面白そうだった。Pepperがそばにいなくても、画面上でPepperの動きを確認することができ、プログラムもボックスライブラリをベースに作れる。Win/Mac対応で、90日間試用版が使える。

これを使った開発体験ワークショップがPepperアトリエ秋葉原 with SoftBankで行われているらしく、Pepperが20~30台あって、実際に自分の作ったプログラムで動かすことができて人気らしい。

●おばかなロボット
スイス連邦工科大学では、あえてロボットにいろいろ間違えさせて、ロボット側に「できない子」を演じさせ、子どもが間違いを見つけてはロボットを正して教える役割を担わせることで、子どもの学習を促進する実験を紹介していた。2015年の(IAAJ)主催のWorld IA Day Tokyoで「弱いIA」の話題が出ていたのを思い出した。

●IBM Watsonを搭載したPepper
今は第3次人工知能ブームと言われる。人工知能をどう学習に活用していくかという観点では、ソフトバンクはIBM Watsonと協業。Watsonは150社に導入されている。
IBMはWatsonをAIと表現することを好まず、cognitive computingと表現するが、膨大なデータから仮説を抽出し、経験から学習して成長できる。繰り返し使い込んでいくことで賢くなっていく。
IBM Watsonの頭脳を入れたPepperが、ヤマダ電機やみずほ銀行での接客係として、実証実験かな、展開されているらしい。

と、非常に走り書き的メモですが、ご参考まで。

« 大規模な展示会の歩き方 | トップページ | [EDIXメモ] 「間違えない達人」から「うねりをつくる人材」へ ~子どもたちにプログラミング教育を~ »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [EDIXメモ] Pepperと子どもたちが「学び合う」、未来の教室:

« 大規模な展示会の歩き方 | トップページ | [EDIXメモ] 「間違えない達人」から「うねりをつくる人材」へ ~子どもたちにプログラミング教育を~ »