「フロントエンドエンジニアのための現在とこれからの必須知識」の未完読書メモ
まだ3分の1しか読んでいないけど、いい本だなと思ったので、新刊「フロントエンドエンジニアのための現在とこれからの必須知識」の未完読書メモ。
WebデザイナーやWeb制作者として「HTML+CSSでコーディングできます、イラレ・フォトショも扱えます、jQueryも少々」で長いことやってきた。ふと顔をあげてみたら、やれSassだLessだ、Gitだ、Node.jsだGulpだと開発環境がわけのわからない発展を遂げていて、ちょっと、というかだいぶ乗り遅れちゃった感がある。今さらどこから手をつけていいのやらわからない。…と途方に暮れているWeb制作者にぴったりはまる本が世に送り出された!と思って購入。
ユーザーのブラウザやデバイスといった閲覧環境、Webの技術や作り手の開発環境が大きく変わっていく中で、フロントエンドエンジニアが知っておくべき知識を、網羅的でありながら厳選し、バランスよく体系的にまとめた本。という触れ込みだったが、ざっと目次を眺めてみると、まさに一線で活躍する執筆陣の研ぎ澄まされた現場感覚で、要所をバランスよく構成だてた一冊という印象を抱いた。
私はWeb制作を仕事にしていない身の上。周辺でその人たちのサポートをする立場なので、この本の読者ターゲットよりずっと知識不足なんだけど、その立場で読んでもわかりやすい。時おり他所で調べながら読むところが出てくる程度。
一つひとつに深く言及しているわけではないけれど、とにかく一通りの概要を知って触ってみる、というところまで持っていってくれる。いい意味で注釈が少なく、いちいち足止め感がなくて、程よい情報量でテンポよく読ませてくれる。昨今の環境変化を全容把握するのに、ちょうどいい感じに仕上がっていると思った。
Amazonのレビューに「日本語が非常に読みにくい」とあったけど、私は特に感じなかったから、好みや相性もあるかもしれない。気になる方は試し読みしてみるとよいかも。「難しいですので」はちょっと気になったか。
読み終えていない分際でなんだけど、内容的にちょっと気になったところは、Git、GitHubの説明のところ。実際これをわかりやすく説明するのって本当に骨が折れると思うのだけど、P45からGitの説明があって、P50からGitHubの説明がある。
●Gitに必要な知識と、GitHubに必要な知識を分けたらよいのでは
P45「基本的な用語について」で、文字だけで「リモートリポジトリ」「ローカルリポジトリ」「フォーク」「プルリクエスト」「プッシュ」の説明を入れているが、この辺はGitではなくGitHubで必要になる概念なのだとすれば、P50以降のGitHubの説明にまわして図にして説明してはどうか。
P45のGitを説明する段階では、ローカル限定で必要になるGitの基礎概念として「ワーキングディレクトリ」「ステージングエリア」「Gitディレクトリ」の説明にしぼって基礎固めできたほうがすっきりわかりやすいのでは、と思った。
一気にこの両方を1ページで提示されると、「ローカルレポジトリとワーキングディレクトリはどういう関係なの?」とか「リモートレポジトリとステージングエリアはどういう関係なの?」みたいな混乱が生じてしまうのだ(混乱した人より)。
# Git、GitHubの理解が浅い状態で書いているので、おまえ、全然わかってないな…かもしれない。
●ForkとCloneの違いが明示されているとよい
他所で調べると、「Forkは、他の開発者のリポジトリをGitHub上でCloneする。Fork/cloneは通常のCloneと異なり、Cloneしたという通知がオリジナル開発者に送られる。オリジナルのソフトウェア開発に、自分も貢献する意図でForkする」という感じ?
その辺が書かれておらず、Forkの後にCloneするという手順しか読み取れなかったので(読解力が足りていないだけの恐れもあるが…)、もう若干この2つの違いが丁寧に説明されていると良かった。
●Gitを個人で使う場合にも、pushは必要なの?それとも、commitまででいいの?(未解決)
見つけた誤植は出版社の問い合わせフォームから送っておいたので、必要に応じてサポートページに反映されるはず。
全般的には、まず構成が素晴らしく、いい感じに編まれている本だなぁと思う。私のような周辺で支援する立場の人間にもちょうどいい。ありがたい本だ。
斉藤祐也、水野隼登、谷 拓樹、菅原のびすけ、林 優一、古沢宏太(著)、斉藤祐也(編)「フロントエンドエンジニアのための現在とこれからの必須知識 」(マイナビ出版)
« 設計というより編集するキャリアデザイン | トップページ | 仕事の潮目が変わる »
コメント