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2016-02-25

健康にまつわる賭け

「目の手術を受けた」という話を書いてから1年半ほど経った。あれは壮絶な体験であった…。今でもちょっと思い出しただけで足腰の力が抜けて崩れ落ちてしまいそうになる。眼球を14針縫うとか、それを抜糸するとか、今思い返しても信じがたい。

しかし先生には感謝している。手術したほうの目は、数か月後にはすっかり健康になって、今も見た目・視力ともまったく問題がない。たぶん、ものすごく腕のいい先生なのだ。先生の安定した執刀でなければ、私は手術の途中で気絶していたんじゃないかと思う。気絶したら手術は続けられないのだが。

手術を終えた後は、少しずつ期間をあけながら検診に通っている。今は3か月おき。手術したほうの目は順調なのだけど、一応それの経過観察と、もう一方の目、これが問題なのだ。

実はもう一方の目にも、翼状片がある。もう5、6年だか両眼にあったのを、右目のほうが進行していて良くなかったので、昨秋に手術して切除したのだった。左目は、残っている。なので今も目薬をさして、進行を抑えているのだ。

それで今日久しぶりに検診に行ったら、思いがけず左目の手術の希望時期を訊かれた。びっくりして「え、いや、逃げ切りたいです!! 死ぬまでいいです!!」と即答した。とにかく強い意思を伝えた。

先生は苦笑して「今は薬で進行を抑えているけど、うーん、ずっと薬を続けないといけないけど」と。いやいやいやいや、手術するくらいだったら全然それでいいですよ…。

ただ、目薬を続けたとしても進行しないとはかぎらない。目薬をさし続けなければ進行は免れないだろうけど、目薬をさし続けたとして、どう進行するかはわからぬ、という感じ。

とにかく私としては、サングラスと帽子で紫外線を避ける生活を続け、進行しないように!と気を引き締めた次第。

ただ、万が一進行してしまったとき、先生が引退しているときついなぁというのが頭をもたげている。あの壮絶な手術(2時間近く意識を保って先生に協力し、眼球を右上、左下へと指示通り動かし続けないといけない)と1週間後の14針の抜糸を、他の先生にやってもらうとか耐え難い…。先生は60代、あと数年しか現場に立たないとすると、引退した後に手術しないとダメなんてことになったら…。

四十も間近になると、こうした健康上の判断が「賭け」の様相を呈してくる。自分が何歳まで生きるかわからないし、先生が何歳まで面倒みてくれるかわからない、病気がどんなふうに進行するかもわからない。病気の進行、先生の労働寿命、私の寿命、どれがどう来るかなぁというのをよんで、ベットしないといけない。むずかしい。医療技術がどう発展するかにも期待したいところではあるけど、「恐怖の軽減」って領域はなかなか進まないからなぁ。個人的には長生き策より重要事項に思えるが…。

とにかく今日は、また3か月後に経過観察ってことで帰ってきた。帰りのエレベーターで膝ががくがくした。お世話になっている眼医者さん(60代)と美容師さん(40代)には、私より長生きして現役でがんばってほしい。

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