仕事先の方向転換
「仕事の潮目が変わる」という話を書いてから2週間ほど、この間に直属の上司、その上の上司、そのまた上の上司にそれぞれ「自分の仕事をこう変えたらいいと最近思っていて」と直接話す機会に恵まれ、みんな「いいね!」と言ってくれたので、そちらに軸足を移していこうと思っている。来期自分に期待される役割もそちら方向にシフトするようなので、やはり今が節目だったのだ、ということにしよう。
今の会社に来て11年。3年ほどしたあたりでB2CからB2Bに重心が移り、ここ8年ほどはクライアントに研修を提供する仕事をメインにやってきた。始めのうちはシンプルにWeb系実務者向けのセミナーやトレーニング、ワークショップ形式の研修プログラムを作って納めることが多かったが、長くやるうち案件のタイプも広がり、期間が長く規模の大きなもの、個別にスキル評価や所見をレポートするもの、e-ラーニングやモバイルラーニングのコンテンツ開発、反転授業の構造化、OJTプログラムの設計と、依頼内容も多様性を帯びていった。やりがいがあって、ありがたかった。
そこへ来てここ1、2年は、純粋なクライアント案件のほかに、グループ会社からの依頼で研修を内製する裏方サポートや、その結果を分析して研修後の継続施策を提案して試行するといった長期的活動にも携わらせてもらうようになった。自分が参加者に直接まとまった話をする表方の役割も、必要に応じて担うようになった。
あるいは上司からの相談で、社内外のナレッジをどういう仕組みや仕掛けで組織の活動なり体制に展開すると自社の仕事能率が高まるかとか、インストラクショナルデザインや人材開発からの発想でマーケティング活動の改善提案を考える仕事も出てきた(と勝手に解釈)。
そんな流れを受けて、ここらで一旦「純粋なクライアント」から「自社やグループ会社」のサポートに軸足をずらしてみようと考えた次第。一般のクライアントより、組織・事業の内部に深く入り込んで問題の核心に迫れる業務環境で、組織のマーケティング活動に実利を生むように、それが個人のキャリアにとっても同等かそれ以上の価値を生むように、実際問題どう落とし込めるのか、立ち回れるのか、手探りでやってみようという感じだ。
デジタルマーケティングの世界は、次々に新しいコンセプト用語が輸入されて大わらわだけど、私は新しいものをがつがつ取り入れてうまく成果を出せる性質でもないし、もっぱら実務者指向で研究者の気質もない。
「1つの組織が今置かれている状況」に向き合って、現場をよくみて深く洞察して、これまでの経験と他からの知見と地頭とバランスよく使ってこねて混ぜて編集して、解決策を地道に練り上げて提案してみて、フィードバックをもらって揉んで直して試行して、振り返って練り直して次の手を考えてって、とにかく自分ができることを身の丈でコツコツやっていこうと思う。そうすれば何もしないより、いいことあるだろうと。
この先もご依頼くださったクライアント案件は受けつつ、コンペ案件は遠慮ぎみ、営業活動はしないくらいで、のらりくらりやっていけたらなぁという見通し…。特別ハードな変更をするわけじゃないけど、気分的には久しぶりに節目だなという気がする。
これでスキルやノウハウをためていって、先々クライアントに提供できることも今より深みのあるもの、広がりのあるものにしていけたらいい。またこの道中で、日頃より懇意にしていただいているWeb界隈の人たちに共有できるものも、ちょこまかこしらえていけたらいいなと思う。
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