母の命日の大手術
母が他界して丸三年。今日は命日だ。一年経つと一周忌、二年経つと三回忌、三年経つと言葉にとまどい、いくらかギクシャクしながら「命日」という言葉を頭に思い浮かべた。
数週間前に父に声をかけ、母の姉夫婦も誘って前日の日曜日(つまり昨日)お墓参りに行こうと話していたのだけど、金曜時点で「土曜は20年に一度の大雪」とのニュース。予定する日曜は晴天でも、父も姉夫婦も高齢だし、雪道を行くにはなかなかハードなところにお墓があるので、お墓参りは翌週延期となった。
私も帰省を取りやめて、大雪の土曜は東京にいた。天気予報は大当たり、東京もずいぶん吹雪いて20cm以上の積雪。
あけて日曜日。明け方に雪はやみ、晴天の空のもと、やっぱり一人でも行こうと思い直した。なかば衝動に身を任せて電車に乗り込んだのは、翌日の月曜日(つまり今日)が甥っ子の手術日だったからだ。
昨年末ぎりぎりになって、まだ小学生の甥っ子が大病を患って急遽長期入院する事態となった。詳細は省くが、兄は、母の助けも借りたい一心で、息子の手術日を母の命日にしたにちがいない。私は少し前にそれを聞いて、しっかりお母さんにお願いしてくるから、と励ました。なので、晴天のもと東京にとどまっているのはどうにもやりきれず、とにかく自分の気の落ちつくようにふるまおうと電車に乗りこんだ。
遅延はありつつも鈍行列車は走っており、1時間ほどかけて墓地の最寄り駅に到着した。しかし、お墓はそこからバスで数十分行ったところにある。駅直結のデパートでお花を買って、バスターミナルへ。休日とはいえ、大きなバスターミナルなのに、バスの往来がほとんどない。どこ行きのバス停も、前日の雪の影響で「調整中」の文字が光っている。予定どおり来たとして15分待ち。とりあえず待つか…とそこらをうろうろし、タクシー乗り場に足を運んでみると、こちらも長蛇の列。タクシーもまったくやって来ず、列は一向に進まない。
15分待っても結局バスは来なくて、しばらく待ちぼうけしたところに、違う路線のバスがやってきた。経由地は違うものの、終点は自分が乗りたいバスと一緒だったので、ダメもとでバスに乗り込み、運転手さんに訊いてみる。「これって○○は行かないですか?」、すると「これは行かないねぇ」の後に、「その辺りは雪が深くて、まだバスが走れる目処がたってないんですよ」とのこと。なんと…。
徒歩で行ける距離でもなく、タクシーも相変わらず。仕方ないとあきらめて、お花をもって東京に戻ってきた。なんという役立たず。いや、行ったからといって役に立つわけじゃない。これは私の気が済む済まないの話であって、行けなかったからといって何かに影響するわけじゃないのだ。そう心に刻みこんで、翌日の手術の成功を祈った。
今朝8時から手術に入り、先ほど20時に12時間に及ぶ大手術が終わった。なんとお医者さん、悪いところを全部取ってくれたと、手術成功の知らせ!! 嬉しすぎて会社の席に座ったまま、父からの電話に声をあげてしまった。本当に良かった。これからもいろいろ大変だけど、とにかく本当に良かった。
恐怖と闘った甥っ子の気持ち、不安を抱え込んで彼を励まし続けた兄と義姉の気持ちを思うと、胸がいっぱいになる。甥っ子は全身麻酔から覚めてまだぐったりした状態で、今日がお誕生日の義姉に「おめでとう」って声をかけたそうだ。彼は彼で、手術後のサプライズを企てていたらしい。泣かせる…。
甥っ子、よく頑張った。先生、本当にありがとう。そして、きっと見守ってくれてたね。お母さん、ありがとう。家に帰って、お花にふれてお礼を言った。ただいま史上最多の案件重なり具合でひいこらいってるけど、おばちゃんも頑張らねば。
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皆さん,おつかれさまでした^^
手術成功おめでとうございます。
投稿: 馮富久 | 2014-02-11 16:08
馮さん、ありがとうございます! いろいろ気は抜けないとこもありますが、まずは良かった。本当に良かったです!
投稿: hysmrk | 2014-02-11 16:15