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2013-10-07

全身ニュートラル

毎日客先を訪問して朝から晩までトレーニングを提供する1ヶ月強が、今日で一段落。明日からは自分の会社に出勤して、朝から自分の席で仕事をする。引き続きそのお客さんの仕事もするので、今日で締まったという感じはさほどないのだけど、時間の過ごし方として一段落ではある。

連日お客さんのところに通う中では、夜に他のお客さんの研修本番があってはしごしたり、父の癌が再発して手術があったり、不覚にも期間終了間際で風邪をひいたり、なんだかんだと夜も週末も休みなしのフル稼働状態だったけれど、諸々やりきってどうにか着地した。

一日の間でお客さんをはしごする日などは、自分の「身体性」というものを重んじた。毎日通っているお客さんのところには放っておいても気持ちが向くけれど、その日2社目のお客さんのところに向かう際には注意が必要だ。どれだけ純度100%でそのお客さんと向き合えるか、これは意識しないと雑な仕事をしかねないぞ。そんな心のざわざわ感が走って、はしごの日には早めに2社目の客先がある駅まで行って、講師との待ち合わせ場所に立ち、外で20分くらいぼーっと秋風にふかれたりした。一旦全身をニュートラルに入れる、という感覚。

そうしてなぜだか自分の生死のことなど考え始めると、今自分ができること、やらせてもらえる仕事というものが、ありがたく、ものすごく鮮明な解像度で浮かび上がってきたりして、あぁこの機会を活かして今を十二分に生きるだけなのだ、という心持ちになり…。5分経過。

そのうち次の現場への意識と視界がふわーっと開けてきて、依頼主の表情とか問題意識とかが頭の中にわいてきて、それに対して私はこういう解決策を提案したのだったというストーリーが流れ出して、受講者の様子とかも思い出してきて、気持ちが一つに収斂していき…。10分経過。

それからしばらくぼーっとして…。20分経過。そうして全身その案件に向き合っている状態で講師を出迎える。これはなかなか良い。お勧めしたい。

並行で案件を動かしているときに大事な心がけの一つは、その一つひとつの仕事が雑にならないようにすること。そのお客さんに純度100%の気持ちを向けること。そのためにはやっぱり、時間と空間をそこにおくことだなぁと、自分の身体をそこにおくことなんだなぁと、そう思った。

しかしまぁ、ここ最近の自分の心のありようを端から眺めていると、自分がどんどん水のようになっていくのを感じる。私はそれを好ましいものと思っていて、このままもっともっとそうなっていったらいいと思っているので歯止めがきかない。

必要なときに水のような強さをもち、不要なときには水のようにさらさら流れゆく。その根っこにはいつも深い愛情をもって、枯れることなく。それで生きていけたら、もう十分だなぁ、幸せだなぁと思う。まだまだ未熟なところもあるけれど、いろんな経験を積みながらやわらかい強さをもって、水の純度を増していけたらいい。

世間ずれは否めない。が、まぁどうにか生きていけている。こんな私を認めて置いてくれる会社にも、関わってくださる講師の方にも心から感謝している。そして間違いなく、私はお客さんに生かされているのだと思う。ありがとうございます。

そんなことをもそもそ考えているうちに10月到来である。晴れた日には、どの季節より清廉な表情をみせる夕暮れどきの空。秋ですな。

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