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2013-05-09

父のタブレット購入

ゴールデンウィークに実家に帰ったとき、父を誘ってタブレットを買いに行った。以前に書いた「古希タブレット」の続きである。

実家最寄りのヤマダ電機におもむき、だだっ広いフロア内をタブレットを求めて歩き回る。郊外の家電量販店は土地に余裕があるためか、訪れた店鋪は家電もパソコンも1フロアに全部入りだ。しばらくうろついたところで父が「うわぁ、このへん全部タブレットかー」と口にしたので視線の先に目をやると…、そこは体重計売り場だった(しかし最近の体重計は驚くほど薄っぺらいですね、とフォロー)。

気を取り直して先へずんずん進み、本物のタブレット売り場に到着。あれこれ種類はあるけれど、とりあえず娘が初期設定を一通りして、使い方もなんとなく教えられそうなのがiPadだけ(そういえば私、タブレットを持っていなかった。が、スマホはiPhoneなのでなんとなく勝手がわかりそうな気がした)なので、iPadにしぼって物をみる。ずんずん。

iPad売り場前に立つと、何はともあれ父にiPadを触ってもらった。これをしたらこうなる、これをしたらこうなるを体験。しかし、ボタンのように強く押し込むので反応しなかったり、アイコンの上のほうを押しがちで反応しなかったり…。

う、ちょっと反応しなさいよ、iPad。ここで関係構築しないでどうするのよ。触れたのに反応しないって、コミュニケーション上の無視と同じよ。傷つくのよ。と、いくらiPadに言っても仕方ないので、父にさりげなく言う。画面には軽く触る、アイコンはきもち下を触ると反応するよ。少しずつ、二人の会話が成立してくる。

SafariでYahoo! Japanを開いて馴染みのページを検索してみたり、拡大したり縮小したり、あれこれ操作。で、5分ほど経過したところで、父の買う気は…高まったというより、全部が新しい体験すぎて困惑ぎみ。「疲れた、休憩しよう」と、とにかく売り場から一旦離れたがったので後をついていく。適当な椅子に腰かけるやいなや、父が口を開く。

父:なんかさー、何か買うときって頭の中に、これはできるか、あれはどれくらいできるかって条件があって、それを確認しながら物を選ぶじゃないか。タブレットは、そういうことを考えられる前提知識が自分にないから、買っていいのかどうなのか判断つかないよなぁ。

私:ふんふん。でもさ、何かすでに使っているものの買い替えとかならそういう買い方できるけど、まったく新しい類いの買い物って、そういう買い方ができないわけじゃない。

父:そういうことだよな、つまり触ってみないとわかんないんだから、とにかく買って持ち帰って使ってみろっておまえは言ってるわけだろ。

私:そうそう、そういうこと。

父:んーー、そうするか。

私:うん。

と数分の親子会議。父も私も決めたら早いので、再び売り場に戻って「iPad mini」「iPad Retinaディスプレイモデル」どっちにするかの検討に入る。まぁ、どう使うかも手探り状態だし、とりあえず家で使う前提で見やすい大きいサイズのがいいかね、と後者に決定。データ容量はさしていらないだろうと、16GBの一番安いもの。あわせて無線LAN機器を買う。これは店員さんに相談して、私が勝手に決める。お買い上げ。

家に帰ると、父がテレビを観ている脇で、ごそごそ無線LAN環境をつくる。続いてiPad開封。箱を開ける儀式は父にやってもらわねばなるまい。Appleはみんなに「わぁ」って感動してもらおうと思って箱にもお金かけてるんだよ。その気持ちを汲んで、さぁ自分で箱開けて「わぁ」って!と促す(が「ふーん」と静かに開けていた)。

その後「よぅわからん」と再び本体が戻ってきたので、引き取ってiPadを起動、初期設定を一通りこちらで進める(私も手探りだが…)。それからパソコンのお気に入りに入っているサイトをSafariのブックマークに登録したり、文字サイズを一つばかり大きくしたり(あまり大きくすると各所崩れて読みづらかった)。

簡単なチューニングだけして、とりあえず触ってもらう。Webサイトをみたり、メールを受信したり、始めから入っているアプリを触りながら勝手を覚えていく。NHKのニュースもブックマークからたどって行けるようにして、これなら見たい時に見られるでしょうとニュース映像を一つ見せてみると、たいそう感心していた。

音声入力もお気に入りだ。音声で入力できることを知ると、キーボードを全然使わずに音声入力ばかり使っていた。私が洗面所にいるときも、居間のほうから「○○を教えてください」と大きな声で丁寧に質問する父の声が聞こえてきて、なんだかほっこり。好調な滑り出しである。

今回、あんまり初期に投入する情報量が多いと疲れてしまうと思ってSiriには触れなかったのだけど、次の機会に紹介するつもり。その次に会った時には、父とSiriはマブダチ(古)になっているかもしれない。キーボード入力が達者でない分、私より父のほうがデスクトップからモバイルへのパラダイムシフトが容易な世代なのかもしれないなぁ、と思ったりした。

その晩、父が使いそうな無料アプリをいくつかダウンロードして入れておいた。天気とかラジオとか乗換案内とか。翌朝それらを触ってもらったが、Google Earthに最も感動していた。ちょうど最近買ったばかりだという紙の「現代地図帳」がテーブルにのっており、地図アプリはいろいろ活用シーンがあるんじゃないかと思われる。

私なんかよりずっと政治、経済、地理、文化など通じているので、そういう人たちがこういう道具を手にするのは、可能性が広がってすごく有意義なことだよなぁと思う。少しずつ、マイペースで活用の幅を広げていけるようにサポートしていけたらと思っている。

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