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2012-12-16

プレイヤー層の見極め

そのCSS Nite LP25で、今年話題になったレスポンシブWebデザインについても取り上げられた。スマホ・タブレットとデバイスの多様化を受けて、コンテンツ制作者はどういう実装アプローチをとるべきかという観点で、

(1)アクセス端末に応じてCSS(外観)を出し分ける
(2)アクセス端末によってHTMLからして(情報構造も外観も)出し分ける

方法と、2つのアプローチが対比して語られていた(という私的認識…)。一長一短なので案件によって適切な手段を選ぶこと、あと組み合わせ技もありという提案だったかと。

これは「デバイスに応じて、何らかの出し分け策を打つとしたら」という前提で2つ挙げたのだと思うけれど、もう一歩前にもどって「デバイスの多様化にあたって、どう対応するか」を考えると、Appleのサイトのように

(3)アクセス端末が違うからといって、HTMLもCSSも出し分けない

方法も選択肢にあるよなと思ったのだが、あっているだろうか。デバイス多様化への対応策には、大きく3つのアプローチがあるとみてOKなんだろうか。

(1)(2)の出し分けアプローチというのは、ユーザーのアクセス端末に応じた出し分けをコンテンツ制作者が制御しようじゃないかというもので、それが有用なケースももちろんあると思う。スマホ前提のターゲット設定とか企画コンセプトの場合、スマホに最適化した実装方法が必然的に導かれるだろう。

けれど、そうしたケースばかりではないとも思う。どのデバイスからアクセスしてきたユーザーにも同じものを届けられるようにしたい。そのために、これまでPC前提で作られていたサイトを全デバイス対応に見直したい。そういう場合、必ずしも(1)(2)が最善の策とは思えないのだ。

なんとなく思うのだけど、スマホでもタブレットでも不都合なく見せたいという場合、そこの制御を司るプレイヤーの主たるは、コンテンツ制作者より手前の層のほうがいいのではないか。もっとデバイス寄りの作り手が担ったほうが、長期的に統制がとれるのではないかという気がする。

ハードウェア、OS、ブラウザとあって、コンテンツが乗っかる4階層の概念図を頭に思い浮かべると、年間何百と出てくるデバイスの新製品にいちいちコンテンツ制作者層が対応を迫られるのは非現実的で、実際そのすべてに対応しようと考えている制作者も既にないだろう。それでも「あの端末は相当売れたから無視できない」と、売れた実績や今後売れる読みベースでメジャーデバイスごとの対応を迫られるのは、あまりに体力勝負な気がしてしまう。あまり尖った製品とか出てくると「売れるなよぉー」と拝んでしまったりして…。

コンテンツよりもっと、多様化しているデバイスそれ自体の作り手が、各デバイスのOSまわりが1ソースをうまいこと見せる制御(画面の拡大縮小がストレスなくできるとか)をして、ユーザーが自分の使うデバイスの癖を学習してうまいこと見るという対応策のほうが統制がとれることも少なくないのでは。

そういうふうに階層的に役割分担を捉えているから、ハードウェア、OS、ブラウザをも生産するAppleのサイトは、(3)の1ソースを選択しているのではないかと思うのだが、違うだろうか。

外側からざっくりみているだけだから、実際的な状況を把握できていないし、過渡期にはコンテンツ側が頑張らないとどうしようもないという考え方もある気もするし。なんか、書いててこんがらがってきて、まったくおかしなことを自分が言っているような気がしてきたが、とりあえず出してみてご指摘を受けて反省するとしよう。まずは思ったことメモ。

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コメント

アップルはご存知のように基礎技術や応用技術は高いけどWebサービスやWebサイト系の実装は大昔から弱いからネァ…たんに何にもやれてないだけどだと思うけどw

ソニーとか日本企業も同じようなもんだけど、日本企業はそういうの、外注するからねぇ

おぉ、さとさん。お見立てありがとうございます。
アップルがさほどできていないとして、(3)自体は有効な策として残るのかどうなのか。解像度が高くなっていくし、拡大縮小も自在だと、デバイス間で見た目も統一するし、けっこう(3)もありかなぁとか1ユーザー的には思っちゃうんですけどねぇ。行く末を見守るか…。

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