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2012-12-16

CSS Niteについて

CSS Nite LP25(Shift6)というWeb関連の実務者向けセミナーイベントに行ってきた。土曜13時半から20時までたっぷり使って、各専門分野のキーマンが登壇し、2012年を振り返る。2005年から大小さまざまなセミナーイベントがCSS Niteという名のもとに開催され、今は東京に限らず、さまざまな地域がこのブランドを活用してセミナーイベントを開いている。開催数は300回以上、のべ参加者数は4万人を超える。

主宰の鷹野さんは、司会しているときのあのキャラクターで漠然と認識されている方も少なくないかと思うが(そして実際にお話ししてみても、あのキャラクターに違いないのだが)、参加ターゲットである同志が今このタイミングで何をどんなふうにどれくらい知りたいかというニーズを、セミナーイベントという形に構成立てて落とし込むのが抜群にうまい方だ。

髪の毛の色が明るいし、軽快な話し方をするし、ノリや場の空気を重んじるので、実際以上に軽くみられる向きもあるかもしれない(大きなお世話ですね、すみません…)が、しかし、今きっとこれがみんなに必要と察知してそれをすぐに形にする、その一定規模の場を生み出す力とスピード感、それを継続する力は、そうそう人が真似できることではない。

シリーズ化して回を重ねながらも、偏った集まりになって閉塞してしまうことなく何年も続けられているのは、鷹野さんの思想と技量によるところが大きいと思う。それを支える関係者の力もまた多大ではあるけれども。

こういう場の継続にはつきもののやっかみを受ける時期もあったと思う。それは、「見る人はそう見ればいい」と頭では割り切っても、主宰する人間の心を暴力的に突き刺すものだ。たぶん、そんな思いまでしてやりたくないと放り出したくなったこともあったと思うけれど(妄想です)、結果的にそこで打ち切る選択をせず、またやっかみに敵意を示すこともなく、ただただ健全に続行することを選んだ。そして今があり、昨日の場がある。そういう印象が私にはあって、そういうのは、ほんとなかなかできるものではないと心から敬服する。

2005年から連綿と続くCSS Niteがなかったら。もちろん、それ以外のセミナーや勉強会がいろいろと起こって、あるものはそれがシリーズ化していくこともあったかもしれない。けれど、どんどんさまざまな専門に分化していって、それぞれが専門高度化していくWeb業界にあって、これだけの拡張性をもって新しい登壇者、新しい参加者を取り入れながら場を育てていくことは難しかったのではないか。

その場から人と人のつながりが生まれ、場を外に移してさらに人と人の関係が深まり合って何かが生まれていくことも、これほどの質量ではなかったのではないか。そう思うと、もし2005年からのCSS Niteがなかったらと時計を逆まわししてみて、けっこうなものが失われていくように私には感じられるのだった。

昨日開かれた回も、実に濃密で、主催者・登壇者・関係者の皆さんの意気込みがこちらに伝わってくる場でした。ありがとうございました。しばらくご無沙汰してしまっていたのですが、来年もどうぞよろしくお願いします。

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