21世紀型の医療を夢見る
今日は健康診断だった。健康診断といえば採血。もうこれ以外の検査項目は目に入らない。それくらい採血は苦手だ。でも健康診断は午前中にあり、もう終わったからいい。過去のことは振り返らない。思い出したくない。終わったのだ。私はやりきったのだ。
それは良いとして、健康診断の間、憂鬱を抱えながらずっと考えていたのは、「こんなはずじゃなかった、21世紀の医療!」21世紀型の医療といえば…という20世紀生まれの妄想だ。なんとなく消化器系イメージで言葉にしてみた(最初に断っておくけれど、何の役にも立たない)。
21世紀が到来する頃には、西洋に負けじと東洋医学が台頭、その後しばらくして東洋とも西洋ともつかぬ進化系医学が出現。凄腕医学者のスゴい研究・開発をへて、ちちんぷいぷい療法がついに実用化。
検査は、患部に手をあてて「見えます」とか言いながら内臓の様子を先生が診察。スゴい先生でなくても見えるように「見えますメガネ」とか商品化。治療は、患部に手をかざして「ハーッ」とか言いながら悪いところをくしゅっと瞬間消滅。あるいは、悪いところをぐわっと気で引き寄せ、体の中から別の時空を通じてぽんっと瞬間移動させる。移動先は宇宙とか。これも、スゴい先生でなくとも治療できるように「消えます手袋」「移ルンです」セット売り。購入には医師免許が必要。
いや、「気」は22世紀か。もう少しメカニックなアプローチも考えてみよう。空港の検査みたいな感じで、体に探知機をかざしたり、X線検査装置みたいなのをくぐり抜けて検査。治療は、飴サイズの小型ラジコンカーを口から飲み込んで、体外から人間医師が操縦して目的地へ。到着すると、プチサイズの人工知能医師がウィーンとドアをあけて悪いところに降り立つ。あれこれ中で人工知能医師が治療し、外の人間医師はスーパーバイザーとして必要時指示を与える。
中で治療を終えると人口知能医師はラジコンカーの中に戻る。ウィーンとドアを閉めて、レポートを無線で人間医師に送る。送信完了したら赤く点滅する自滅ボタンを押す。ボタンを押すとラジコンカーの車体から何かの気体が出てきて胃液なんかとまじりあい、ラジコンカーごと数分のうちに溶けてなくなる。さようなら、ロボコン。ありがとう、ロボコーン。完
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