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2011-09-27

連載を始めました

技術評論社が運営する「gihyo.jp」というサイトで連載記事を書くことになりました。題して「Webクリエイティブ職の学び場研究」。基本的には、Webクリエイティブ職のスタッフをマネジメントする人たちを訪ね歩き、Webクリエイティブ職の学習やキャリアについてインタビュー取材したのを持ち帰り、私なりにうんうんうなって見えてきたことを原稿にまとめて共有していけたらと思っています。

一回やってみて身にしみましたが、取材するというのは本当に難しい。予習はしていくものの、その場で出てきたものに対して、その場で話を深めていったり広げていったりという力がまだまだ足りないなぁとじんじん感じています。今後経験を積みつつ、あとは持ち帰ってからのうんうんうなる過程の中で、一つひとつ丁寧に実のある記事を起こしていきたいと思います。

ちなみに、この連載を起案した背景は第1回の冒頭に書いたとおりなのですが、個人として思うところを付け加えると、私は普段ネット事業会社や一般企業のネット事業部門、広告・Web制作会社といったクライアントからご相談を受けて、社員研修を作る仕事を生業にしています。そこでお受けするものの多くは、クリエイティブ職のキャリア支援の中でも「能力開発」に貢献するものです。

私がお受けするのは、人事部管轄の階層別研修やキャリア研修ではなく、現場のマネージャー層から相談をいただいて現場予算で実施する職能別研修のような位置づけが多いのです。現場予算を割いて実施する研修という成り立ち上、実際に現場で使う能力をいかに能率的に開発するかにフォーカスした研修作りがメインとなります。

この仕事はとても創造的で奥深く、これを本業にできることはとても有意義なのですが、それと別に、10年、20年という中長期のキャリアを見据えることも無視できないテーマ(歳をとればとるほど)。常々中長期を見据えて動いていると、それはそれで「今をがむしゃらにやって経験を積み重ねる」ことが疎かになりやすく、それもどうかと思うのですが、時々中長期目線で考えたり動いてみるのは有意義なことだと考えています。
※これについてはその昔、withDというサイトに「キャリアをデザインしすぎるな」というタイトルでコラムを書いたことがあります。懐かしい。

なので、Web業界のど真ん中で働く人たちのキャリア支援を担う1サポーターとして、能力開発と別に、キャリア開発といった面でもなんらか自分ができることがあったらなぁという思いがありました。ささやかながら、これがその活動となります。組織づくりやご自身のキャリアを考える機会として、何かお役立ていただけるところがあればとても嬉しいです。

ちなみに、以前withDというサイトで連載コラムを書いていたときも、アップするたびここで一人反省会を催していた気がしますが、本連載でも同じようなことになるのではないかと思います。それについては、ここに足を運ぶ身内のよしみで生暖かく見守っていただければ幸いです。また何か思うところがあれば、ぜひご意見・ご感想を(優しい目をして)お聞かせください。

2011-09-23

ICレコーダーを買うまで

定期的にインタビュー取材する仕事ができて、ICレコーダーを買うことにした。購入にあたってどんなプロセスを経たかメモに残しておく。人の役に立つメモではない気がするけど…、まぁ休日のおしゃべりです。

 

ICレコーダーは、自分に全く知識のない商品だという認識があったので、まずはどんな選び方があるのか、一般的な価格帯はいかほどなのか情報を得てみようとGoogleで「ICレコーダー」と検索。広告枠の下に視線を向けると、1番目と2番目を価格.comが独占。まずはここでみんなの意見を聴くのがいいと思い、1番目を新しいタブで開く。

 

3種類の人気ランキングが、それぞれ5位まで掲載されている。メーカーをざっとチェックしてみると、どのランキングもTASCAM、オリンパス、三洋電機の3社で占められているから、まぁこのうちのどれかかと思う。しかしTASCAMは聴いたことがないな、ICレコーダー専門メーカーなんだろうかと思いつつ、特に調べず。

 

価格帯をざっと眺める。3千円、5千円、8千円といった1万円未満もあれば、1万円台、2万円台もあるんだなとわかる。2〜3年前に出たのは1万円をきっているのかなぁと思いつつ、うるさいところでインタビューするわけでもないから、数年前の性能でも十分だろうなぁと、なんとなく2万円以上は対象外のイメージをもつ。

 

3つのランキングのうち「注目ランキング」はいまいちよくわからないので(編集している人が注目している?広告っぽいものかなぁと)、私はみんなの声を聞きに価格.comにやってきたのだということで「売れ筋ランキング」と「満足度ランキング」の上位製品をいくつかクリックして商品詳細をみてみる。「スペック」のところにいろいろ書いてあるけれど、「主な機能」などはいまいち理解できない用語も多く、ここでは「A製品もB製品もおおまかついている機能は同じなんだな」という認識を得るに留める。

 

前提として、さして高機能なものは求めていないのだという思いがあり、とはいえ1円でも安いものをというがむしゃらさもない。わかりやすい「最大録音時間」はどれも百何十時間という表記なので、今時のものはどれも1時間程度の取材を記録するのに困るものではないんだろうと思う。あまり時間をかけずに、用途に必要十分な商品に絞り込んでさくっと買えればよいのだ。

 

続いて「レビュー」を読む。三洋電機がたいそう褒められている。購入した人の満足度がとても高そうだ。一方で気になったのがオリンパス製品のレビューに書かれていた「オリンパスは営業力がありますからねぇ」という訳知り顔な声。この言葉を頭の隅に残しながら、一旦価格.comを去る。

 

みんなの声とは別に、専門家の声を聴いておこうということで、再びGoogle検索の「ICレコーダー」。まったく知識のない商品/サービスの購入に際しては、大衆の意見(量)と専門家のアドバイス(質)を両方踏まえたい。

 

検索結果を少しスクロールしてみると、1ページ目の中ほどに「ASCII.jp:ICレコーダの買い方(2009年初頭編)」とある。ASCIIの記事ならいかにも専門家の話が程よいボリュームでまとまっていそうなイメージ。2年前の話なら、基本的な選び方のポイントも変わっていないだろうと思い、クリック。

 

「ICレコーダを選ぶときのポイントはコレだ!」という見出しに、まさに!そんな話が聴きたいと思い一通り読む。ここで学んだのは、高音質を求める人っていうのは音楽の録音とかを想定している人で、そういう人向けに2万円台の商品があるんだなぁということ。あと、PCとの連携機能は地味だけど重要だなぁということ。USBケーブルを必要とする製品は、使いだすと面倒そうだ。本体にUSBコネクタが内蔵されているのにしようと思う。

 

後半のページに進むと、2009年初頭当時の一押し商品が紹介されていく。これはもう商品が入れ替わっているので読まなくてもいいかと思いつつ、あることが気になって結局最後まで読んでしまった。そして、これが商品選びというかメーカー選びの決定打に。

 

というのは、この一押し商品紹介ページ群、3ページにわたって当時1万円台(ボリュームゾーン)、2〜3万円台、さらに上の価格帯の商品群が紹介されていくのだけど、基本的に1ページの構成が「オリンパス→三洋電機→ソニー」の流れなのだ(最上位価格帯ページは違うメーカーが出てきていたけど)。

 

で、冒頭のオリンパス製品の紹介文には、特にこれがダメ、これができないという指摘は書かれておらず、基本これで十分という印象を与える。しかも紹介されている中で一番安価。続いて紹介される三洋電機とソニー製品は、さらにこんな機能もついているけど、あれはできないみたいな書き方が目立つ。

 

「さらにこんな機能もついている」というのも、前半の記事で「これこれをしたい人でなければ、こんな機能は不要だろう」と書かれていた記憶…。「ワンランク上の機能を誇る」と添えてあるけど、ワンランク上でなくてもいいなら高くつくからオリンパスにしておけば、という感じに見えてならない。

 

オリンパス営業力強いって価格.comのレビューに書いてあったからなぁと頭の中で勝手に関連づけが進む。広告っぽいのを見るとオリンパスが一番良さそうな印象を受けるようになっているけど、品質的には三洋電機が一番ってことなんじゃないかと邪推。三洋電機を応援したい気持ちがむくむくわいてくる。

 

そもそも、ものすごい検討に検討を重ねてメーカー選定を行いたいというのでもなかったので、ここらの印象でもう決めてしまって、三洋電機の手頃なのでいいかなぁと思う。レビューで一番なのは安心だし満足度も高いし。そして価格.comで上位にあった三洋電機「Xacti SOUND RECORDER ICR-PS502RM」を今一度チェック。USBコネクタも問題なく内蔵しているし、よし、これに決めたという気になる。

 

製品名を書いたメモをもって翌日ビックカメラへ。とりあえず実物を見てからというのと、店員さんは何を勧めるんだろうなぁという興味と。お店でICレコーダー売り場の前に立ち、重たいかばんを床において、製品を一通り眺める。私が目をつけていた「Xacti SOUND RECORDER ICR-PS502RM」があった!が、最も下の棚においやられている…。上の棚はやっぱりオリンパスが多いなぁ。

 

店員さんがやってきて「ご案内しましょうか」と声をかけてくださったので、特にこれを買おうと思っているとは言わず、「仕事で取材用にICレコーダーが必要になったんですけど、商品知識がなくて。これだけの商品から、皆さんどんなふうに選んでいるんでしょうね」と訊いてみる。オリンパスを勧めてくるのだろうかと、うすらぼんやり思う。

 

「下の棚のほうは、おばさまがたが趣味の稽古ごととかで使うものなので、お仕事で使うのでしたらやはり上の段の…」「よく売れているメーカーだと、やっぱりオリンパスさんが売れてますねぇ」、この他にもやりとりの中で2〜3回オリンパス押しにあう。これを聴いて、さらに三洋電機への思いが高まる…。

 

「でも下の段のも2〜3年前は最新機種だったんですよね?そんなに性能が低いってわけでもないですよね?」と聴いてみると、「まぁ、そうですね」と素っ気ない応答。「でも、例えばUSBコネクタが内蔵されているとか、使い勝手がいいのは上の段ですね」と目線を上にして言うので、「あの三洋電機のは、USBコネクタ内蔵されていますよね?」と視線を下に戻すと、「あぁ、ついてます」とものすごい小さい声で応答があった。

 

空気がまずい、私、彼女のテンションを落としてる!と悪いことをしている気分になってきたので、そろそろ決めてしまおうと店員さんの話の間を分け入って「この三洋電機のにします」と宣言。1消費者の購入記録でした。長くてすみません…。

2011-09-21

健康、すっごい大事

首の次は腰にきた。3連休の最終日、首のむち打ちっぽい症状も完治していないというのに、朝起きたら今度は腰が痛くて起きられなくなっていた。せっかく来週からは首輪をはずして出勤できるかなと思っていたのに、腰痛くて立てなきゃ次の一週間も…と、朝っぱらから途方に暮れる。

とりあえず、手元にあったiPhoneで「腰が痛くて起きれない」をGoogle検索、さまざまな人たちの苦悩やら処置法やらを読む。とにかく無理して動くな、安静にするほかないのだというお達し。あとは神経とか骨のほうの問題か、筋肉の問題かを見極めるのは大事だから、多少動けるようになったら医者にみてもらえということらしい。

無理して病院に行っても悪化して治るのが遅れるとあるので、とりあえず我慢して数時間。そのうち、バファリンがきくかもしれない、と飲んでみると、これが効いた。少し痛みが和らぎ、お手洗いと食事に立つくらいはできるように。よし、とりあえず明日の朝までこれでしのいで病院が開いたら見てもらおうと、ひたすら横になって過ごす。

日が暮れ、3連休の最終日が終わる。0時頃に目が覚める。痛い。あぁ、薬がきれているのだとバファリンを飲むが、今度は効かない。1時間たっても2時間たっても腰が痛い。痛くて眠れない。もがき苦しむ。前回から1週間しか経っていないのにまた救急車を呼び出すのも、おまえ救急隊をなめてんのか!という感じだし…と、救急相談センターみたいなところに電話する。で結局、丑三つ時に救急車を呼ぶことに…。

救急隊はまぁ前と別の方々だし、たいへん親切にしてくださったのだけど、前と同じ病院に行ったので、1週間前に救急車で訪れ救急外来でお世話になった私の立場は微妙。しかも、腰が痛いとか首が痛いとかで、レントゲンをとってみると問題はない。そう、今回腰のレントゲンをとったけど、ヘルニアとかの問題はなさそうってことで内心ほっとした。で、痛み止めをもらって病院を後にする。

それにしても雰囲気的には、重度じゃないんだから早くかかりつけの病院つくってそっちでみてもらいなさいねってな雰囲気を醸し出されていた気がするんだけど、その割に5人も医師が出てきたのは(学生さんらしい人もいたけれども)なぜなんだろう。そこが謎のまま。軽度だなってものならむしろ1人で対応すればいいような気がするんだけど、医師5人、看護師2人で対応くださった気がする。しかもほぼ全員から質問を受けてしゃべったような…。暇な夜だったんだろうか。勉強会ネタみたいなものだったんだろうか。

そして、帰る頃にはなぜか、来たときよりずっと楽になっていた。まずまず歩けた。なんだったのだ。よくわからない。けど、とにかく久しぶりに体が楽になった。一週間つけていた首輪も、「あなたがつけたほうが安心だというからつけたまでであって、取ってもいいんですよ」みたいな感じで言われたので、なんだ、じゃあ髪の毛も洗いたいし取っちゃおうと思って、病院から帰ってきてすぐ取ってみた。まずまずいける。ということで、全身シャワーを浴びてすっきりした。気分も良くなった。

家でしばらく休んで、日が出てから上司が以前紹介してくれていた整形外科へ足を運ぶ。これがまぁ素晴らしかった。専門医の質問・フィードバックって、やっぱり全然違うんだなぁ。救急だと痛くなった時から今までの経緯を質問してそこから原因を探る。レントゲンの結果もざっくり問題ないというフィードバック(それはそれで全部の専門で対応できるはずないので当然だし有り難いと思っている)。

しかし、専門医は長々とこれまでの経緯とかきかない。問診票をみて、どこからどこまでのレントゲンをとってほしいかレントゲン技師に予め伝えてとっておく。その後診察。レントゲンをみながら、要点をしぼって患者に2〜3の質問をする。骨がどうなっているからとか根本的な原因を説明して、処置方法をざくっと話し、リハビリの部屋に案内。リハビリ担当が直接体をほぐす。すごかったなぁ。数回通って良くしようと思います。

その後、本日はお休みにして家で休む。しかしやっぱり夜中に目がさめると、腰が痛かったりして、気を抜いちゃいけないなと改めて。健康、すっごい大事。身にしみて思った。健康、すっごい大事。大事にします。明日からは出勤して仕事する予定。あぁ、腰にやさしいMac Book Airほしいなぁ。。

2011-09-16

知識とスキルと態度の学習

この間「知識とスキルって違うの?」と訊かれて「違う」と説明したら、「へぇ」という反応を得られたので、ここでもちょっと共有してみます。

知識とスキルは別物です。学習の場をデザインする場合、どんな学習成果を目指しているのかを整理するのに、次の3分類を使ったりします。頭文字をとってKAS(カス)。
Knowledge(知識)
Attitude(態度)
Skill(スキル)

ざっくり言うと、知識というのは言語による説明ができます。ちょうどこの説明をしているときには目の前にモヒートがあったのですが、モヒートというのはお酒の一種で、ラムベースのカクテル。キューバのハバナが発祥の地。由来は云々、作り方は云々。こうして説明できるのは、モヒートの知識を習得しているからと言えます。

しかし知識を習得しているからといって、モヒートとそうでない飲み物を飲み分けられるとは限らないし、モヒートをおいしく作れるとも限らない。知識を使いこなすにはスキルが必要です。多くの場合、スキル習得の前提として知識習得が望まれます(知識を習得していなくてもスキルを発揮できることもある)。

知識もスキルも習得しているけれど、態度が形成されていないことで望ましいパフォーマンスが発揮されないこともあります。例えば「社内で来客とすれ違うときには立ち止まってお辞儀をする」というマナーを徹底させたい場合。社員はそうすべきという知識ももっていて、お辞儀をするスキルももっている。けれど、なんでいちいちそんなことしなくちゃいけないんだと思っていたら、その人はお辞儀するというパフォーマンスを行わないわけです。

こういう場合、いくらマナー研修で知識やスキル習得の機会を設けても意味はありません。態度形成のための機会を設けないといけない。特に態度形成は複雑だから、分析しないことには適切なアプローチをこれと言えないものですが、とにかく何の学習成果を求めているのかを少なくとも3分類に分ける意義、それに応じた学習設計をしないと効果薄だなという感じは伝わるかなと思います。

何かを学ぼうとしたとき、私たちはたいてい本を読んだりセミナーで話を聴いたりして、まず知識習得をします。12世紀だかそれくらいから、学習というのは知識習得プロセスを前提にしたやり方が定着しています。だから、このタイプの学習資源は世の中にも溢れています。

でも、そこで止まってしまってはスキル習得には至っていない状態ということになります。さらに言えば、本を読んだりセミナーで話を聴いたとしても、それを自分が人に説明できるレベルで習得していなければ、使える知識とは言えない。必要な場面でさっと取り出して再生できるようにしておかないと実際には使えない。回答の選択肢を3つか4つ並べられて、その中からこれと選び出せる再認のレベルだと、特に専門職でその知識を使う場合、なかなか活用機会がないと思います。

自分が学習したい要素が何なのか、テーマだけでなく、学習成果の分類で考えてみる。これは何かを学習していくときにけっこう使えると思います。ここがわかると、自分がどういう学習をする必要があるのかが、より具体的な行動としてイメージできます。

例えば、自分が何から手をつけてよいかわからないテーマを学習したいとき、そのテーマの入門者向けセミナーや入門書の類いは、自分がどんなことを学んでいく必要があるのか知識の枠組みを与えてくれます。良質なセミナーや入門書はこのステップを進めるのに大変効率的に働きます。また、さぁ頑張って習得しようというモチベーションアップにも貢献します。

でも、その知識の枠組みに中身を埋めていったり定着させていきたい場合、さらにその知識を前提にスキル習得まで望む場合は、そのための継続学習が必要です。特にスキル習得に際しては、練習機会を設けて自分でアウトプットしてみる、それを人から評価フィードバックしてもらい、改善するサイクルが必要です。

これを怖がってしまうと、結局「知らないわけじゃないけど、できないことだらけ」になったり、「できている気になっているけど他の人から見たらできていない」ということになります。自己評価は、どう頑張っても主観を一切排除することができないので、特に学びはじめのテーマに関しては、人からの指摘をもらい、自分の能力を率先してえぐっていくことが大切です。

とはいえ、なかなか日常の職場環境でその道のスーパーバイザーから評価を得る機会を設けるのは難しいものなので、そんな場づくりに少しでも貢献できたらと思って私は研修をつくる仕事を生業にしています。そのスキルを発揮しなきゃならない場面設定をして、それをアウトプットしてもらい、それを講師からフィードバックしてもらう場をつくりたいのです。

もし、セミナーには結構参加しているけど、演習が入るもの、参加型のワークショップなんかは抵抗があって参加していないという方は、自分がアウトプットしてそれを評価してもらえる場にも出て行ってみてはいかがかなと思います。あるいは、上司やクライアントからフィードバックをもらったとき、何かの事情のせいにしないで、自身のスキルの問題として自分のアウトプットに何が不足していたかを検討してみるようにするとか。じゃなくても、何かの本を読んだ後、何かのセミナーを受けた後、「さて、次にどうつなげるかな」と考える習慣をつけてみるとか。

やっている人は当然のごとくやっていると思いますが、私も知識としては知っていながら怠けていることがあったりするので、ここで共有しつつ改めて気を引き締めつつ。ともにがんばろう。

2011-09-13

むち打ち記録

昨日の朝、出勤途中に自宅の最寄り駅で首から肩にかけて激しい痛みが走る。電車に乗って乗換駅まで進み、駅に降り立ったところでもう歩けないと判断、駅員さんに助けを求める。駅の事務室みたいなところで休ませてもらうが、ここでどれだけ休んでもまともに歩ける状態に復活は遂げられそうにない。家に帰ったところで何の解決にもならないし、ここから病院に行くしかないかと思い、駅員さんに相談。救急車を呼ぼうかと言ってくださるが、意識が混濁しているわけでもないのに救急車を呼び出すのも申し訳ないと思い、病院を紹介してもらう。駅からタクシーをつかまえるところまでの移動を駅員さんに手伝ってもらい、近くの病院へ。駅員さんがすごい親切で救われた。

院内で診察を待っている頃はまだ、何をしたら激痛が走るのかまったくわかっておらず、ちょいと左を向こうとしたところでグキーンと首に激痛。そのまま一気に気持ち悪くなって過呼吸になって発汗もひどくなり、倒れ込んだ。そこで自分の診察の番がまわってきて、ただならぬ雰囲気に。しかし原因をつかまないことには…とふらふらになりながらレントゲンをとってもらう。結果、特に問題はなさそうだということで、痛み止めを処方されて、薬屋経由でタクシーで帰宅。

しかし家に帰って薬を飲んで数時間じっとしてみるものの、薬がきく気配もないし、横になるのも起き上がるのも、その都度激痛が走って大変。このままではどうにもならないし、まったく事態が好転する見通しがない。もはや一人で家を出られる状況でもなく、途方に暮れる。

で、もう救急車しかないと思い、結局119番に電話。119番の方がまた親切で、私がぐったりしていたのもあるけど、次々に質問していってすぐこちらに救急車を向かわせてくださった。救急隊の皆さんも親切で、こういうときにはほんと、人の優しさが身にしみる。車内で首を固定させるグッズを首に巻き付けてもらって、それで少しだけ楽になった。

近くにある大きな病院に運ばれて、救急外来でみてもらう。ここもまたお医者さんが皆親切で、丁寧にみてもらえた。この一件で、人の優しさは文字通り人を生かすんだなと思った。で、結局むち打ちではないかということになり、新しい首固定グッズを巻き付けてもらって自宅療養に。

お会計に1万円以上かかって、さすが救急外来ってのは高いんだなぁと思っていたんだけど、夜に病院から電話がかかってきて、保険証を持参していないということになっていたので(持っていっていたんだけど、バタバタしていてそういう確認がないままになっていた)保険が適用されていない額で請求されていたとのこと。翌日16時までに病院で手続きすれば払い戻しされるとのことなのだけど、今朝起きてみたら、まったく表に出られる状態ではなく断念した。もったいないけど、無理はものは無理なのだ。

お医者さんからは、むち打ちなら一般的に1週間くらいで治るとの情報をもらい、それに期待を寄せて今は心静かに耐え忍んでいる。待つしかない問題に向き合う修行のごとく。とにかく頭を動かさないようにして太極拳のようにゆっくり歩く、横になる時も頭を手で押さえながら首がすっきりおさまるところを模索しつつ、ゆっくーり体を横にする。起き上がる時も、手で頭を押さえて首に負担がかからないようにしないと、ぐきぐきいって涙目になるのだ。首が日々、どれだけ重たいものを支えて頑張ってくれているのかをしみじみ思う。首に感謝。

しかし横になりすぎて、どうにも暇なので、今はこの文章を書いている。ラジオの存在もさっき思い出して、久しぶりにラジオをかけている。人の声にはほんと救われる。あとは、ちょこちょこ仕事の連絡をとりつつ、病院帰りに調達しておいた食パンで食いつなぎながら過ごしている。この食パンがなくなるまでに、家が出られるくらいまでには復活を遂げたい。

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