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2010-08-27

思考のスケッチ

今日は@craigmodさんの講演WDE-ex Vol13『書籍と出版の未来 』を聴きにApple Store 銀座に足を運んだ。日本語で助かった。しかもものすごい流暢。「ある意味では~」が口癖といっていいくらい頻出していて感服。「ある意味では~」の使いこなしってなんかものすごく高度な感じがする…。でも流暢よりなにより、お話が面白かった。

書籍と出版の未来そのものの話も面白かったんだけど、個人的に特に響いたのが、最後にお話しされていた「storytelling」について。デジタル化によって「storytelling」がどう変化していくかみたいな話。

これまでは「最初から完璧に編集されたお話」を作って世の中に出していくのが常だったけれど、これはアウトプットするまでの障壁がすごく高い。作り込みに時間を要するし、作る気を維持するのも大変。だから、例えばそれがWebサイトだとすると必然的に次に更新するまでの期間が長くなってしまう。

「完璧に編集されたお話」はとても意義深いものだけど、「最初から」というところの障壁の高さに、デジタルを活かしきれていない問題意識があった。最終的に作るものの質は変えず、でも作るプロセスのほうを変えることで、デジタルを活かし障壁を低くしたお話づくりが可能になるのではないかと。

twitterとか、あるいは彼が作ったWebサイトHitotokiのように、短い文章や写真などのスケッチを日々残していって(それ自体もアウトプット)、それをあるとき深く推敲して編集して一つのお話にまとめあげる(それはまた別にアウトプット)というのは、すごくデジタルを活かしたやり方なんじゃないか。そういう話をしていた(と思う)のだけど、このお話がなんか、すごく響いたんだなぁ。

私の場合、「スケッチ」という名前をつけることすらはばかれるようなメモを、けっこううようよと身のまわりに残していたりするのだけど、結局どうにもならないままハードディスクの底に沈んでいったり、くたびれた走り書きのメモ用紙をある日わーっと一掃したりということに。ごく一部がここに残されている感じなのだけど、それをスケッチレベルでいいからもう少しうやむやにせず、ここに残していきたいなぁと思った。

講演が終わってから後ろのほうで雑談していて、その思いを強くした。というわけで、一日坊主でもいいから…と、ひとまずここに思考のスケッチを残している次第。Craig Modさん、主催者の皆さま、そして後ろのほうで雑談してくれた同志たちに感謝。このスケッチに描いた思いを、少しでもここに反映していけるといいなぁと思う(で、電子書籍に触れず終える…)。

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コメント

イベントで話された中身に関心のある方はこちらにまとめが。すごい、私には絶対できない仕事だ…。
安藤日記
http://www.andoh.org/2010/08/craig-mod.html

電子書籍に取り組むということ/Craig Mod
http://craigmod.com/journal/ebooks/ja/

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