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2010-07-03

ロジカルボタン

毎月恒例の家族のお食事会。先週末は6月ということで、父の日感謝祭を催した。ちなみにプレゼントしたのは、空気に触れると冷たくなるタオル、水につけてしぼるとひんやり快適な首に巻くタイプのなにか、腕に巻きつけるタイプのミニバッグ(黒地に赤のラインが入ったNikeの)と、これからの暑い毎日を涼しく楽しく歩くためのグッズあれこれ(父はよく歩くので)。

そのときの会話で、「激動の人生」というのがテーマにあがった。「動いている人生のほうが素晴らしい」という文脈できて、父が、「なんや、おまえは仕事ばっかりして、5年前と変わらん人生か」みたいにからんできたので、「生活はさほど変化ないかもしれないけど、私がこれ大事って思っている部分的なところではいろいろ激動してますよ」と返した。

そしたら父が、「激動って言ったって、他と比べてなんぼのもんじゃい」みたいな返しをしてきたので、そこで久しぶりに、家族内の会話でロジカルボタンがスイッチオーンになってしまった。仕事以外のことには大方こだわりというものがないので、家族の会話でこれを発動することはほとんどないのだけど(しかも以前何度かやって、TPOにそぐわぬことをしたと後で反省した記憶も残っており…)。

しかし今回は、人生→キャリア→仕事領域と関心分野寄りだったということもあってか、知らず知らずこだわりっぽいものが自分を突き動かしてしまったのかもしれない、と後で振り返る。父の言葉を受けて、こんな趣旨のことを展開…。

誰かと比べて激動の人生かどうかなんて、そんな測り方はナンセンスだ。人生ってそうやって相対的にみられるもんじゃない。自分でみてどうかって軸でしか結局のところ評価のしようがないし、激動の度合いが万人にとっての人生の豊かさの尺度になるわけでもない。じゃあ何かい、マイケル・ジャクソンの人生は大方誰でも激動だったと思うだろうけど、それと比べたら他の人の人生はクズになるのか、そんなバカな話はない。人生なんて結局は自己満足の世界だ。

みたいな、みたいな…。まず出だしっから「相対的」という言葉の採用がいただけない。場にそぐわない。浮く。減点1。「結局のところ」とか「結局は」とか、そもそも論的立ち返り系アプローチも減点2。さらに「万人にとって」に加え、ここで「マイケル・ジャクソンの人生」を説得材料に持ち出すあたり減点3。そんなわけで、父からここで「おまえはほんと理屈っぽいなあ」とあきれかえされ、以降自粛。たぶん時間にしたら1分くらいだから、微量の過ちということで許されようか。

私はあまり自分について話すこともないから、父にとっては情報が少ない分、地味でつまらない人生にうつっているのかもしれないし、娘の今後も気になろうし、自分の人生と重ね合わせて思うところもあるだろうし、父には父の人生観もあるので、その気持ちもいろいろ察するのだけど、久しぶりにちょっと勢いあまってやってしまった…。もっとどーんと構えて、器の大きい人間にならないといけませんな。本当に伝えたいことは何か、それが相手のものの見方、価値観の中で本質的に伝わる方法を大切にしたい。

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コメント

それだけお忙しい中でも毎月ちゃんとご家族の食事会というのを続けているのですね。
良いことです。。!そしてお父様も楽しみにしていらっしゃることでしょう。。
あぁぁ父の日なんてすっかり忘れていました。。

お父様とのやりとりと、まりさんの反論(?)、そしてそれに対する自己反省・・・笑いながらも、こういう会話ができるなんていい親子関係だなぁと思いました。
私は一緒に暮らしてて毎日嫌というほど顔を突き合わせているせいかもしれないけど、こんな会話を父としたことはないなぁ。。

たぶんうちの親もそうですが、親にとって娘の仕事上のスキルアップや人間的成長というのは見えないし、あまり興味がない部分なのかもしれません。うちも一緒に住んでいても一切仕事の話はしませんし。。
親から見ると、、年頃の娘にとっての「変化」といえばどうしても内面的な能力アップとかよりは、結婚とか出産とか、、環境の変化をイメージするのでしょうね。

マイケルを説得材料に持ち出したところは、私ならざぶとん3枚あげます!

おもしろいなぁ〜 その討論きいてみたい;-)
久しぶりにそろそろみんなで集まりますかね。

ベルさん
いやいや、ほんとに、毎月の食事会しかできていないありさまで…。こういう会話ができるのって、いい親子関係なんですかね…。それは新しい視点です。まあ親子だからこそ遠慮なくってところもあるんでしょうね。
そして、一緒に暮らして毎日顔を合わせている場合と、離れたところで暮らしていて月に1回会うという場合だと、親子で交わす会話って自然かわってくるよなぁと、やはりそう思います。ベルさんのお父様、お母様にとっては、ベルさんとお孫さんと一緒に暮らせているということが、とても幸いなことなんだと思います。
私は外見のわかりやすい変化が著しく乏しいので、まあつまらんでしょうね。でも、そういうわけのわからない感じの子だということもいい加減承知していると思うので、このままやっていこうと思います…。

nomさん
お、おもしろいですか…。それはまた面白い感想。それにしてもお久しぶりです。もう確実に1年以上お会いしていないですよね。今夏ぜひ再会パーティー開きましょう。

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