言葉の行方
何が気になるって、この調査レポートになんで「折れ線グラフ」が使われているのかが一番引っかかるところなのだけど、それは頑張って気にしないことにする。本題は、本来とは違う意味で使われる日本語について。
文化庁が昨年度(2009年3月)実施した「国語に関する世論調査」(1995年度から毎年実施、対象は全国16歳以上の男女、今回の有効回収数は1,954人)で、「10.言葉の意味」を尋ねた結果。3つ下にピックアップ。それぞれ、1と2のどちらが正しい意味でしょうか。
- 破天荒(例文:彼の人生は破天荒だった。)
- だれも成し得なかったことをすること
- 豪快で大胆な様子
- 御の字(例文:70点取れれば御の字だ。)
- 一応,納得できる
- 大いに有り難い
- 敷居が高い(例文:あそこは敷居が高い。)
- 相手に不義理などをしてしまい,行きにくい
- 高級過ぎたり,上品過ぎたりして,入りにくい
例文が上手だなぁ。どっちともとれる。で、正解は1、2、1。ぜんぶ合っていましたか。これ、調査では下のかっこ内の%で回答があったということで、3つとも誤答のほうが回答率が高かった(下線が正解)。
- 破天荒(例文:彼の人生は破天荒だった。)
- だれも成し得なかったことをすること(16.9%)
- 豪快で大胆な様子(64.2%)
- 御の字(例文:70点取れれば御の字だ。)
- 一応,納得できる(51.4%)
- 大いに有り難い(38.5%)
- 敷居が高い(例文:あそこは敷居が高い。)
- 相手に不義理などをしてしまい,行きにくい(42.1%)
- 高級過ぎたり,上品過ぎたりして,入りにくい(45.6%)
「気の置けない人」とかも、この人は本来の意味がわかっているということをわかっている人じゃないと誤解されそうで安易に使えないし、なかなかどうして難しい。「言葉は時代とともに変化するもの」とも言えるし、「本来の意味を大切にしていこうよ」という考えも尊いと思う。
まぁ、だから、結局、なんともいえないんだけど、自分の使う言葉はかなり大切に扱っているので(の割には語彙力が貧相だが)、個人的には既存の言葉(で、まだ知らない言葉や使いこなせていない言葉)は、本来の意味を正しく理解して適切に取り入れていきたいと思っている。
目指すのは、自分の使う言葉の豊かさ。一生守り通したいのは、自分の使う言葉の健やかさ。取り入れ方の指針は、私の心のうちにある。
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