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2009-10-19

引越しや選びに現代感

今日昼間に不動産やさんから電話があって、そろそろ二転三転することもなさそうになってきたので、引越しやさんの手配に着手した。住まいのことならネクストの「HOME'S」ということで、こちらで「ネットで見積もり」。面倒くさがりなので見積もりをとるのは一社でもいいくらいだったのだけど、せっかく一括見積もりできるのだしと、妹が利用したことがあるという一社のほか、一応大手一社にもチェックして送信。

すると、程なく大手一社から確認メールが到着。これは、「お問い合わせありがとう。見積もりの依頼を受け付けました。改めて担当支店から連絡します」という趣旨の自動配信メール。続いて、これまた程なく妹が利用したことがある今まで社名を聞いたことがなかった会社から電話が入る(電話のほうがやりとりしやすいので、私は「希望の連絡手段」をメールではなく電話にチェックしておいた)。

応対がすごく丁寧。いろいろ質問などに答えた後、「一切追加料金なしで、最大限に値引きしまして…」と前置きの末に見積り額を提示される。続いて、「hysさまのご予算感と照らして、どうですか」といった感じで様子をうかがわれる。「いや、これという予算感がなくて…」と答える。HOME'Sの一括見積もり経由であることは先方もわかっているので、「もう一社見積もりをお願いしているので、それを踏まえてご連絡差し上げていいですか」と返してみる。

すると。「んー、hysさま。ご使用になるダンボールは前に他の方が使ったリサイクルのダンボールでも構いませんか」と問われる。「えぇ、まったく構いません」と答える。「それでしたら、リサイクルのダンボールで、今ここで即決していただけたら、○円にお値引きします」って、その額がななんとー、15%引きでした。唖然…。2社見積もり出しておいて良かったー(嘘で「2社見積もりとってる」とか言えない性分)。

いやー、こりゃ負けるんじゃないか、大手引越しセンター。HOME'Sから見積もり依頼のメールを受け取ったら、「ありがとう、受け付けました、担当よりご連絡します」の自動配信メールが送られる仕組み作ってる場合じゃない感。私は一生活者として、これは負けます。

そりゃべらぼうに高い見積もりを最初に提示されていたら15%引きされても「うーん」ってなるけど、最初に提示された額も良心的だったと思うし、そこからさらに即決大サービスとなると。それも聞こえてくるのは耳なじみの良い柔和な声。「気持ちこめて仕事してます」なほわわわ感を漂わせて。

これは、なんか「現代」というものをとても考えさせられる体験だった。ネットを通じて生活者の行動パターンは本当に変わってきているなぁと。スピードがものすごい重要な決め手になってきていて、スピードが遅いことが致命傷になってしまう。

顧客への安心感の与え方も、「CMやってる大手だから安心」ってやり方じゃなくても、例えば電話対応する人材の採用・配置・教育なんかによって安心感を提供することはできるわけで。昔は電話でやりとりするまでに到達するのが大変だったわけだけど、今はネットの一括見積もりで、連絡がとれるまでの仲にはなれるから、そこでの安心感の提供方法を考えればいくらでも太刀打ちできる。

と書いているうちに、ようやく大手引越しセンターから電話があったので、事情を説明して「別のところでお願いします」と話す。すると、他社の見積もり額を尋ねられ、最終値引き額を伝えると、「上司の者にこれ以下にできないか相談しますので、少々お待ちいただけますか」と。でも、結局他社が出した見積もり額を下回る金額提示は無理という判断になって、「また機会があれば」とその電話は終わった。

所帯が大きいところは、こういうのを繰り返してもがき苦しんでいるんだろうと思うと、なんというか心苦しい気持ちになる。大きい組織が生きていくのは、なかなか大変な時代だなぁと思う。そして、小回りのきく企業はそれを最大限に生かすべき時代なんだろうなぁとも思う。うーん、現代を感じる体験であった…。

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コメント

ほぉーー、引っ越しで二社に見積もってもらうという体験をしたことがない私は、非常に興味深く面白く読ませていただきました。

引っ越しって複数社に見積もり依頼してもらうのが割と常識的なんですかね? そうだとするとやはり即レス懇切丁寧レスが重要なポイントになりそうですね。
顔の見えない人対人のやりとりなので、メール文面でも仕事上結構気を使うことがありますが、トラブルの時には(相手が怒っているほど)メールより電話で対応したほうが、温度が伝わってすんなり行くものですよね。

それにしても、その小回り利くほうの業者さん、さすが対応が上手ですね!「今ここで即決していただけたら」っていうのはうまい言い方だなぁ~。。

ベルさん、私も複数社に見積もりをとったのって今回が初めてだと思います(記憶すらない)。複数社にお願いするのがどれくらい一般的なものかはよくわからないのですが、今までやらなかったずぼらな私がそれをしたという行動の変化自体が、技術の進歩であり時代の変化だなぁと思います…。
リンクをはっている「ネットで見積もり」は、一通り情報入力を終えた後、見積もりをお願いする引越しやさんをチェック入れて選べる仕組みなんです。結構時間をかけて「お住まい情報(現在/引越し先)」「お荷物情報」「お客様情報」と入力した後に選ぶので、せっかくこれだけ時間かけて入力したんだし、ここでチェック入れれば一括で見積もりを依頼できるんだから、2社くらいとって比較してみようかなという気になるんですよね、一社じゃもったいない感が…。

メールと電話の使い分けは重要ですよね。だいぶ違うコミュニケーションになるし。何か新しい技術・手法が出てきたとき、考えなしにそれに完全移行するのってきっと違うんですよね。これまでのやり方、新しいやり方、その両方を手にしてその場に適した手段をどちらでも自在に選べるようになることが本当なんだよな、と思いました。

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