ほりえもんと終身雇用
タイトルがむちゃくちゃだけど…、今日はほりえもんのセミナーに参加してきた。会場に向かうエレベーターでご本人と一緒になり「おっとー」と思ったけれど、だからといって急に「こんにちは」と声をかけるのもどうかと思われ、帽子も目深にかぶっていたので隣でおとなしくしてみた。
そして肝心のセミナー内容は、大変面白かった。いやー、体調悪かったけど行って良かった。最初から最後まで聴かせる。スライド一切なし。とにかく自分の発する言葉で2時間ほど聴衆を魅了し続けた。
自然に話していてものすごくテンポもいいんだけど、一つひとつの話が必ず「主張→理由→最も言いたいことの確認」「質的データ→知見の提示」「知見→具体例→おさらい」というふうに丁寧に論理的に構成されていて、一貫して「自分の伝えたいこと」がドスンと聴衆のキャッチャーミットに投げ込まれていく感じが気持ちよかった。起業、ベンチャー、政治、選挙、宇宙、どれも私にはけっこう距離があるテーマなんだけど、とにかく全部の話が面白かった。
取り上げるテーマ一つひとつにおいて、自分が向かいたい方向が自分の中で十二分に考え抜かれていて、それを人に対しても明快に発信できる状態になっている。というのは彼にとっては当たり前にやっていることなのかもしれないけど、多岐にわたるテーマでこれだけ濃度高くそれを成し遂げられるのはやっぱりすごいなぁと思った。
キャリア専門の立場で興味深かったのは、日本の終身雇用制に関する言及。この制度の恩恵を受けた人なんてたかだか5年か、多く見積もっても10年くらいの層の厚みしかないという話。
これはピーター・ドラッカーさんも「プロフェッショナルの条件」の冒頭で書いていたことだけど、日本の終身雇用制っていうのは明治時代以前にはなかったもので、制度化されてきたのは1950年代から60年代にかけての話。日本独特の制度というのも思い違いで、欧米にも新卒から育てて定年までというのはある。
堀江さんが話していたのは、終身雇用制が制度化されたのは戦後のことで、1950年くらいに入社した層が初めとすると、彼らが20歳で入社して65歳定年とすると、1995年まで働くってことになる。だけど、この時期にはもうバブル崩壊。1960年入社層ともなると、60歳いく手前で早期退職制度だったりリストラだったりがあって、定年前に終身雇用制は崩壊。そう考えるとほんと、終身雇用制の恩恵を受けられたのなんてたかだか5~10年くらいの層の厚みしかないという話になる。それを当たり前に守られるべきものとして主張し続けるほうがおかしいと。
私も「所変われば」とか「時代変われば」変化する可能性のあるものっていうのは、基本変わることを前提に関わるべきだと思っているので、すごく共感。この辺は今後自分の仕事領域で取り組めることもあると思う。堀江さんは宇宙のほうに関心が向いているみたい。あと今回はなさそうだけど、4年後の選挙に出る可能性はあるなーと思った。とりあえず、私もこの週末で少しずつエネルギーを高めていって、来週月曜にはしっかり夏期休暇ぼけをなくそうと思う。
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