ビーフストロガノフ
この間小説を読んでいたら、「ビーフストロガノフってのはロシアの料理で、当然“ビーフ”もロシア語のうち、別に牛肉が入ってなきゃいけない料理じゃない」という主人公(兄)の教えがあって、主人公(弟)と同じく私も素直に「へぇ」って学んだ。とすると「ビー・フストロガノフ」かもしれないし、 「ビーフス・トロガノフ」かもしれないなぁと、本を読んでいる時に思ったのを憶えてる。
で、どんな経緯だったか飲み屋さんでお店の人にその話をしたら、「じゃあそのロシア語のビーフの意味はなんなんですか」という話になり、「それはわからな い」と答えると、「なんでやねん」と突っ込まれ…。だって小説に夢中だったんだもの、手を止めて調べようと思わなかったんだもの。
で、ほんとか冗談かよくわからないけど、ロシアに詳しいというお店の人を呼んできてビーフストロガノフの解説を求めると、ロシアのストロガノフ家で生まれ た料理で、ストロガノフは要はごった煮なんだけど、そこにビーフ(牛肉)を入れたのがビーフストロガノフ、とのたまった。
いやいや、違うんですって。最近読んだ小説では、ビーフもロシア語のうちで牛肉って意味じゃないって書いてあったんですよって、私はもう一度その人に向けて教えてあげた。
で、また「じゃあビーフはなんなんだ」という話になったので、私が「ストロガノフが名字なら、ビーフは名前だろう」と分かりやすい見解を述べると、「んな こたぁあるまい!」と数席先のお客さんからも突っ込みが入り、また「ビーフ君じゃいじめられるよ」というのももっともな話だと思ったので、宿題として持ち帰ら せていただくことにした。
それで早速ウィキペディアで調べてみたと ころ、ビーフストロガノフの「ビーフ」はなんと!牛肉だった…。つまり、どういうことだ。つまり、私は小説の中の兄に、弟とともにだまされ、読了後もだま され続けていたということか。つまり、まさに作者の思うツボにはまってたってことか。その本は先日父にあげちゃって手元にないので、なんて書いてあったか 今振り返れないんだけど。
読了数日後に気づいたから良かったものの、この一件がなければ平気で5年、10年信じていたに違いない。昔もこんなことがあったん だ。焼きビーフンのビーフンは「ビーフ」と「フン」がくっついたもので、牛の糞でできてるって教えてもらって、「へぇ」って3年くらい信じてたのに(それで3年ビーフン食べなかった)、ある 時得意げにその話を人にしたら、「あんた何いってんの」と一蹴された。それを3年前教えてくれた人に言ったら、「そんなこと言ったっけ?てか、そんなの普 通信じないよ」と返ってきた。世の中っておそろしいよね。
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