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2007-03-07

人間ドックに倒れる

今日は人生初の人間ドックでした。かれこれ一年以上前の話になりますが、「30歳になったら、次の誕生日を迎えるまでの1年以内に人間ドックを受診すること」という通達があり、それから早11ヶ月半が経過。いい加減重たい腰をあげなくては!と先日申込み、本日受診してきた次第です。ナナロク世代もいよいよ人間ドックの時代ですよ。まったく。

人間ドックは30歳で一度受けたら、次は35歳まで受けなくていいらしいのですが、私が苦手なのは「採血」なのであって、採血付きの健康診断の時点でダメなのでもう逃れようがないです。で、どうだったかっていうと、予想以上の惨敗に終わりました。今後増加の一途をたどる「○○検診」という名の数々の大人の試練に耐えていけるのか、心底不安になりました。

それにしたって倒れるのも当然です。前日の20時から飲まず食わずで、当日の朝は水すら飲めない状態で臨んで、始めから明らかに元気じゃないわけです。そこにきて採血の前の血圧測定では、測って第一声「だ、大丈夫ですか」と声をかけられ、さらに不穏な心理状態に。自分が低血圧とは知らなんだ。

そしていよいよ先ほどから視界にちらついていた採血のコーナーへ。右腕を出すと、ひじの内側をじりじり探られ、緊張が高まります。目をつむります。「血管が細いですね」と言われ、心に「一回や二回失敗するかもしれませんネ」と響きます。「左腕を出してみてください」と言われ、手から腕へ「どっちも変わらないですネ」という落胆が伝わってきます。さらに緊張が高まります。

「はい、ちくっとしますよー」と言われて、数人の小人たちが私の頭の中で壇上にすっくと立ち、息を大きく吸って注射の時のテーマソング「おお牧場はみどり」を大合唱し始めます。肩を組み、体を揺らし。みんな、ありがとう。すると程なく「一旦抜きます」と言われて別の痛みが走ります。なんと左腕失敗。

そういう経緯で右腕の採血に入ったので、「今度はきちんと採れてますよー、ご気分は悪くないですか?」と看護婦さんの声が聴こえてきた時、確かに気分悪くなっているような気もしたけど、「気分悪いです」と答えてまたやり直すなんてありえない選択だったわけです。でも明らかに気が遠くなっていて、これはどうも気分が悪いということかもしれないと思えたので、意識朦朧とする中「えーと、ちょっとは…」と答えたのを憶えています。なんだそれ。

「あともう少しですからねぇ」と遠くの方で声が聞こえて、「そうか、もう少しか」と思っていた頃は、もうかなりの前傾姿勢になっていて、終わった頃には看護婦さん二人に囲まれ頭と体を支えられ、車椅子に乗せられ、フロア脇のベッドに運ばれ……。ずいぶん開けたところで血を採られていたので、背後で待機している皆さんにはさぞいやぁーな光景を見せつけてしまっているだろうと。採血してくださっている方もこの後さぞやりづらいことだろうと。遠ざかる意識の中でそんなことを詫びていました。

ベッドで看護婦さんに冷や汗をふいてもらい、その後しばらくぼーっ。あれだけ親切にしていただいて、安心感をもてる演出が施されている環境の中で、あんなに切実に早く帰りたい、早くここから出してくれーと思う場所もそうそう無いよなぁと思います。情けない、ふがいない。採血はこれから毎年健康診断に組み込まれると思われ、今から身震いがします。

私の未来予想図では、21世紀には富士フイルムが医療分野で大躍進を遂げ、内臓の悪いところもカシャッと撮れてしまう「写るんです」を発売、お正月には樹木希林がCMで「体の中身も、写るんです。富士カラーで写そっ!」と跳ねているはずだったのに。全然遅れてるよ。頑張れ、富士フイルム!

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コメント

大変でしたね。もう大丈夫ですか?
それにしても「小人」がしばしば日常に登場するのは自分くらいだと思っていたので何だかホッとしました。私の小人たちはお買い得品などを見つけた時「♪えーっさえーっさえっさホイさっさ♪」と円陣を組み楽しげに踊りまわります。

採血苦手かぁ・・・私も昔はきらいだったけど最近は慣れっこです(笑
採血の際は、抜いてるところはみないように。あれ見ちゃうとちょっと暗~い気持ちになるから

zukieさん、コメントありがとうございます。zukieさんの脳内にも小人がいらっしゃるとは。でもだいぶキャラは違うかも?
このコメント読んだとき、あまりにかわいらしい妖精の姿が思い浮かんで、画面前で微笑んでしまいました。

お、hideさん。私が駄々をこねると、オトナは「じきに慣れる」と処方してくれるのですが、今のとこ信じられないなぁ。
抜いてるところどころか、一部始終をみてないんですけどね。座るやいなや目を閉じだしますから。(--;

私も毎年会社で健診はあるのですが、昨年は初めて年齢的な権利を行使してみて、「健保指定ドック」というのをやりました。
まさにまりさんと同じで、前日の8時以降飲み食いしてはいけない、かなりヘロヘロな状態での検査。。
私も同じなのですが、血管が非常に細いんですよね。私も叩かれても絞られても(?)血管が浮き出ず、採血にはいつも時間がかかります。。(´`)
片腕失敗して次に右手というのもいつものパターン。。
(そういえば帝王切開したあとは点滴が入れられず、最後は手首にぶっとい針を入れられ泣きそうでした。。)

私は大丈夫だったのですが、同行した別の女の子がやはり採血後、具合が悪くなってしまいました。

私は空腹での採血よりも、その後のバリウム(生まれて初バリウム!)飲んでぐるぐる回転する台に乗せられての撮影で、かなり気持ちが悪くなりました。。
また今年もやるんだなぁ。。

お疲れさまでした。。!

まぁ、ベルさんとは体質まで似たり寄ったりなんでしょうか!それにしても帝王切開の後の……は、読んだだけで気絶してしまいそうになりました。今さらですが、お疲れさまでした。
私は今日も夕方まで頭がガンガンしていて、日が暮れてからようやく元気になって頭が働くようになってきました。いやぁ、本当にもうこりごり。
バリウム後のあれもスゴイですよね。なんか、ジャングルジムで一人で無邪気に遊びなさいと言われて、遠目からそれを見られているような。真顔でできなくてずっと笑ってました……。

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