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2007-01-24

全競合時代の到来

私は3ヶ月おきに美容院に行く。その行いは、優秀とまでいわないまでも常識的な日本女性の素行はできているものと信じて疑わずこれまでやってきた。というのに、ここ最近得た情報によると、この界隈の女性はどうも1ヶ月おきに美容院に足を運んでいるらしい。

でも、美容師さんによくよく話を聞いてみると、世の女性たちは髪を切るのではなくて、トリートメントしたりなんだりと周辺のことをしにくるそうだから、常にカットのみの私はこのまま3ヶ月おきでもいいのか、と変な納得をしてみた。

美容師さんが「バーゲンの時期はお客さんが減る」って言っていて、そういうものなのかと不思議に思っていたんだけど、なるほど、髪を切るという最低限の身だしなみレベルの話ではなくて、もう一つだか二つだか位が上のトリートメントやらカラーリングやらにかける贅沢予算をどう配分するかって話となれば、確かにバーゲンと競合するっていうのも腑に落ちる話である。

その一連の話が最近思っていたこととからみあって、ふーむと思った。今の私たちは情報と広告と商品とサービスの洪水の中にあって、このうねりはこの先もっともっと大変なことになっていくと思う。一人ひとりの興味・関心や価値観が多様化していく中で、私たちは自分に与えられた24時間をどう使うか、自分に与えられた贅沢予算をどう使うか、あらゆるものをまな板の上にのせて取捨選択していくことになるわけで、こうなると本当にどれもこれもが競合になる時代が到来するんだなぁと思ったのだ。

同じ業界のA商品かB商品かという話ではなくて、ゲームするのか寝るのか食べるのかお洒落するのか仕事するのか、みたいなのところから全部が横並びになっていて、一人ひとりが自分の時間と所持金を割り当てていく感じ。これまでもそういうきらいはあったけど、これからはさらに加速して全競合化が進み、お金以上に1日24時間の取り合いが激化していく気がする。

そういうことをあれこれ考えてみたりしているんだけど、まだまだ未整理。ただ、その時代その時代に強大な広告力をもつ企業によって無自覚に自分の時間が消費され続けていく人生はいやだなぁと思う。私はできるだけ自覚的に自分の行きたいほうへ方向づけ、それに必要な選択をしていく人生を送りたい。これを考えている過程で、私は自分のあらゆることについて「自覚的でありたい欲求」が強いんだな、ということを自覚した、のが今のところの収穫。

で、髪の毛を切ったわけですが、今回は誰一人として気がつきませんでした(いつもは1、2人くらい同僚の女性が気づく)。でも手触りが健やかになって一人で地味に満足しています。

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