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2006-09-11

本に折り目

バスタブに湯をためる。いったん部屋に戻ってきて、本棚の前に立つ。書店のカバーがついていて中身のわからない文庫本が並んでいる。どれも一度は読んだ本だ。あてずっぽうに一冊を選んで、一緒にお風呂場に連れていく。

私はいつも、本を読んでいて感じ入るところがあると、ページの端っこを折ってしまう。申し訳程度に。でも、連れてきた本にはなんだかしっかりと二重に折られているところがあった。何だったっけかなぁと、初めて読んだときのことを思い出しながら、湯船につかってページの頭から読み返してみた。

そうか、これを読ませたくて、私は今晩湯船につかりたくなり、本を持ち込みたくなり、中でもこの本を選ぶに至ったのかと思った。以前この本を読んだとき、ここに二重の折り目をつけたのも、今日という日にこれを私に読ませるための仕込みだったんだな、と一人納得してしまった。すごい。よくできている。

そういうのはおめでたいというか、怪しい発想なのかもしれないけど。いずれにせよ、もうこうなると自分の本に折り目をつけるのはやめられないだろう。

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コメント

うん、それはとってもいい考えだ。
今度ぼくもやってみよっと。

お試しあれ。ずいぶん先の自分が、その折り目に救われることもあるかもしれません。ないかもしれません……。

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