日本は水とお日様をやって育ててきた
「home」という言葉が日本語化されて、「家庭」という概念が日本に生まれたのは1900年頃だそうですよ。まだ100年くらいしか経っていないんですね。
それより前、主人のもとに下人たちが一緒に暮らしていた時代は、下人の間に生まれた子が彼らの主人間で引き渡されるのも当たり前だったようですし、下人たちが独立して家族的な関係をもつようになった時代も、教育とかしつけは村などの共同体でやっていたんですね。親の役割は食べさせるところまでで、「親が愛情をもって子を育て、面倒をみる」みたいなことが望ましいとされるようになったのは、歴史的にみてごく最近のことのようです。象徴的イメージとしてはハウス食品のクリームシチューのCMみたいな感じ、個人的に。
昨晩J-WAVEの番組Growing Reedで「日本の家庭はどう変わったんですか?」というテーマのもと話されていたんですが、これは興味深かったです。
「日本の家庭は植物モデル、欧米は動物モデル」という話もしていました。日本は「種をまいて水とお日様をあげておけば自然に花は咲くように、子どもも放っておけば一人前になっていく、いずれ分別もつくだろう」という考え方をしてきた。対して欧米は「小さいうちから訓練をしないと堕落してしまう。だから早くからきちんと育てよう」という考え方が根付いている。うちは違うとか、植物だって育てるのは大変とかそういう話はまぁ置いておいてね、両者の考え方を分かりやすく区別すると、歴史的にみてそういうことが言えるようです。
社会人のキャリア支援の現場にいる私としては、これは家庭だけでなく企業の人材育成の考え方にも共通点があるとみられ、非常に興味深かったです。社内の人材育成に対する考え方って、欧米と日本の企業で結構な違いがあるっぽいんですよね。それがこの「日本の家庭は植物モデル、欧米は動物モデル」とかぶっている気がしました。この辺は現在個人的に勉強中なので、またどこかで書くかもしれません。今書け?いや、文章も長くなってきたし。
ちなみに(と話題をそらす)、「人間は考える葦である」から始まるこの番組は本当に面白いです。例によってラジオ番組なんですけどね。毎週テーマを設けて、専門の先生を招いてV6の岡田准一さんが非常に平易な言葉でざっくばらんな質疑応答を展開していく番組、実に濃厚です。夜遅いから、早寝好きの私は聴けたり聴けなかったりなんですが、とにかくコンセプトも実際の中身もとても素晴らしい、お薦めです。ラジオですけど、たまにはいいでしょ?
« 報われて山積み | トップページ | 俳句の季語に思う »
コメント