夜になって
夜になって、外に出て、傘をさして駅まで歩いて、少し待って電車に乗り込んで、がらんとした車内の端っこの席に腰掛けて、出掛けにかばんに詰め込んできた本を開いた。
電車の走る音が車内に響き渡る。ゴーっと鳴り続けているのに、人気のない電車の中にはなぜか静寂な時間が流れている。目的地まで30分ほど。静寂の中で、静謐な本を読む。あぁ、しばらくの間これを失っていたんだと気づく。
一気に視界がさぁーっと開けていって、本当の世界に触れた。内面へと視界が開け、真実の目でみて、真実の言葉を発して、真実の言葉を聴ける力を取り戻す。
忘れちゃいけない。失ってる場合じゃない。まだまだ全然足りないんだから。失いそうになったら、自分でそれに気づいてきちんと取り戻しにいかないと。
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