コピーでデザインを理解する
今読んでいるのは「広告コピー概論[増補版]」(植条則夫著/宣伝会議)という教科書みたいな本。私はクリエイティブへの理解を深めようとするとき、本選びとしてはコピーライティングを軸にする。真っ向勝負でデザイン系の本を買ってもあまりに才能がなさすぎて本質をつかめないので、コピー系で攻めるのだ。文章表現とかテキストうんちゃらとかコピーライティングというアプローチに置き換えると、断然本質をつかみやすくなる。
例えば「表現することの難しさ」を理解しようとした場合。デザインする難しさは、そりゃ難しいなぁとは思うけれど、デザイナーにとっての難しさと私が言っている難しさはまったく異質のものだ。私の難しさは「てんでわからん」とか「何が難しいかわからん」とかそういうわけのわからない難しさ。デザイナーにとっての表現の難しさを本質的に理解することは私には難しい。
でも、それを文章表現とかコピーライティングに置き換えてイメージすると、形は別ものだけど、感じはよくわかる。あぁ、難しいよねぇっていう本質を共有できるのだ。作業としては、コピー表現の難しさをしみじみ実感して、その実感をクリエイティブ表現全般の難しさに一般化して、それを今度はデザイン表現に置き換えて擬似実感させる感じ。
クリエイティブな仕事をする人たちをサポートする上で、この擬似実感は私にとってとても大切なものだと考えている。まぁ、擬似じゃない実感ができれば話は早いんだけど、私のデザインセンスでは早々にあきらめるのが賢明…。
と長くなったけれど、そんなわけで、そういう本質の相互理解を図るためにも、ちょこちょことコピーライティングの本を読んでいる次第。もちろん文章におけるクリエイティブ表現そのものを学びたいという動機もあるわけだけど。ということは、「一粒で二度おいしい」思いをしているということなのね。それはいい。
この文章って、言っていることの意味伝わるのだろうか。ちょっと不安……。
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