「人生は問いかけるものではなく、表現するものだ」
会社の人がグリー株式会社の田中良和さんの著書「僕が六本木に会社をつくるまで」を貸してくれて、さらっと読めるというのでこの週末読んでみました。
田中さんは「なんで?」と質問して理由を聞きたがるような子どもだったそう。「なんで雪は溶けるの?」から「宇宙の始まりは?」まで。そして成長過程で生まれた最大の疑問が「人はなぜ生きなければならないのか?」。
その答えを問い続け、調べ続け、考え続けた後、大学生の時に出会ったのがこの言葉。「人生は問いかけるものではなく、表現するものだ」。この出会いから、彼は「いろいろなことに問いかけ答えを探すのではなく、行動することで自分らしい人生を表現し、答えを生み出していくことに強く興味をもつようになった」のだそうです(というところまでは「はじめに」に書いてあります)。
私は昨日この本を読み終えて、今日は雪道を父のことを考えながら歩いていました。私の父は昨年のゴールデンウィークに定年退職し、我が家には世間より一歩先に2006年問題がやってきています。退職後、昨年私が父にしてきたことといえば、ひと月に一回東京のお食事会に招くのと、ひと月に一回課題図書を送ることでした。
読書は確かにいいことだ。でも、読書のススメだけではインプットの支援だけになってしまう。そうそう、人生には「表現」がないといけないのだわ。そうじゃないとイキイキしない。我が家の2006年問題で私が今年すべきなのは、父に何かアウトプットの機会をつかむための支援をすることなんじゃないかしら。父好みのアウトプットの手段って何だろう……。そんなことを考えながら、雪道をさくさく歩きました。支援しかできないわけだけど、まだ1月だし、ちょっと探してみようと思います。
話をもとに戻して、この本は、その時その時の等身大の彼の姿が率直に語られていて、その成長を疑似体験させてくれるような本です。同世代の、広くは同業界の人間として、元気をもらえたし共感するところもいろいろありました。平易な言葉で非常に読みやすいので、数時間の余裕があったらぜひ読んでみてください。最も読んでほしいのは、実は10代後半から20代前半までで、あまりここにその年代の方は訪れていないと思うんですが……。妹弟とか。
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